
「果物は人間にとって、ヘルシーなイメージがあるけれど、犬にはあげていいの?」
「ウチの子は甘いものが大好き!果物もあげてみたいけど、何をあげていいのか全然わからない!」
「アレルギーがあるウチの子には、果物はハードルが高いかも?」
そんな飼い主さんのあなた。
まずは安心してください!
愛するわんちゃんに、果物をあげても大丈夫です。
あげすぎに注意すれば、果物は、水分補給にも、栄養満点のおやつにも、トッピングにも大活躍します。
この記事では、犬が大好きな果物リスト、適切なあげ方や注意点も、一挙にご紹介します。
この記事を書いた人
松田珠実
兵庫県尼崎市出身。趣味はシャンソン。
たまにライブハウスなどで歌っています。
相棒は、元保護猫のラブ子(雄)
某広告代理店で、CMプランナー歴20年以上&副業ライター。
第49期宣伝会議編集・ライター養成講座終了。
小さい頃から、動物が大好き。
スーパーやコンビニの前で、飼い主さんの出待ちをしているワンコがいると、必ず話しかけてしまいます。
好きな大型犬は、ボルゾイ。いつか一緒にお散歩してみたいです。
犬が大好きな果物のリスト
ではさっそく、犬が大好きで安全な果物のリストをご紹介します。
適切なあげ方、ワンポイント注意点も、一緒に確かめてくださいね。
食感がクセになる!りんご

りんごは、83%が水分の果物です。
水分を取るのが苦手な子やシニア犬にもおすすめです。
年中手軽に買うことができるため、飼い主さんにとっても、うれしい果物のひとつですね。
また、りんごには、食物繊維が多く含まれています。
りんごの食物繊維はアップルペクチンと呼ばれ、胃腸の働きを良くして、下痢や便秘の症状も改善してくれます。
強い抗酸化作用のあるポリフェノールも豊富[1]です。
皮の部分には、アップルペクチンやポリフェノールが含まれていますので、皮も一緒にあげると良いでしょう。
適切なあげ方
食べやすいサイズにカットしてからあげましょう。
大きな塊を、丸ごと誤飲してしまうと、腸閉塞になってしまう可能性があるので注意してくださいね。
パピーやシニア犬には、さらに消化を良くするために、すりおろしたり、ミキサーでジュースにするのもオススメです。
毎年どんどん暑くなっている夏には、角切りに小さくカットして水と一緒に冷凍すれば、栄養満点のおやつにもなります。
りんごの種や茎、芯には、犬に有害な成分が含まれていますので、必ず取り除いてから、あげてくださいね。
無農薬栽培ではないりんごの場合、よく洗ってからあげるほうが安全です。
[1]花王健康科学研究会「リンゴポリフェノールの有用性」

植田紗妃
リンゴの種子にはシアン化合物が含まれています。理論上は非常に危険な毒物ですが、実際の臨床現場で「リンゴの種による急性シアン中毒」に遭遇するリスクは極めて低いとされています。
1.外皮のバリア: リンゴの種は外皮が非常に硬いため、犬が丸呑みした程度ではアミグダリンはほとんど吸収されず、そのまま糞便中に排泄されます。
2.致死量への到達: 体重1kgあたり数mgのシアン化水素が致死量とされますが、これに達するには「大量のリンゴの種を集め、すべて細かく噛み砕いて一度に摂取する」といった極端な状況が必要です。
そのため、通常の生活において「おやつとして与えたリンゴに種が1、2粒混ざって誤食してしまった」というレベルであれば、催吐処置を急ぐ必要はなく、経過観察で済むことがほとんどです。
ただ、流涎や呼吸困難の症状があればすぐに救急病院へ!
Household Food Items Toxic to Dogs and Cats
水分補給にもってこい!スイカ

スイカは、89%が水分の果物です。
りんごと同じく、水分を取るのが苦手な子やシニア犬にもおすすめです。
水分量が多く身体を冷やす効果があるので、熱中症を防ぐのにも役立ちます。
また、強い抗酸化作用を持つリコピンも多く含まれ、アンチエイジングも期待できます。
皮に近い白い部分に多く含まれるシトルリンには疲労回復や、肥満予防の効果[2]もあるといわれています。
適切なあげ方
種や皮は消化に悪く、胃腸の負担になることがあるので、取り除いてあげましょう。
食べやすい大きさにカットしておやつとしてあげたり、いつものごはんにトッピングするのもおすすめです。
スイカはカリウムを多く含むため、腎臓に不安がある子には注意が必要です。
食べ過ぎると、蓄積したカリウムが結石の原因になったり、心臓にダメージを与える可能性があるからです。
心配な場合は、獣医師さんに相談してからあげましょう。
胃腸の弱い子には、冷えたスイカが胃腸に負担を与える可能性があります。
あまり冷やしすぎず、一気に飲み込まないようにゆっくりと食べさせてあげましょう。
[2]ペット栄養学会誌「高脂肪飼料給餌ラットに対するスイカエキスの肥満抑制効果」

植田紗妃
高カリウム結症は不整脈を起こすので、注意です!しかし、健常なワンちゃんでしたら適量あげても特段問題はないかと
一年中安定してあげやすい!バナナ

犬にも、飼い主さんにもうれしい果物が、バナナです。
一年中スーパーなどで手に入りやすいため、いつでもあげやすいというメリットがあります。
バナナは、カリウムや食物繊維を含んでいて栄養満点な果物です。
スイカと同様に、カリウムが豊富に含まれていますので、腎臓に不安がある子には、注意してあげてください。
ブドウ糖や果糖、ショ糖などの糖分も多く含むので、甘いものが好きな子なら、大好物のひとつになるかもしれません。
適切なあげ方
バナナの皮は固く繊維が多いので、誤飲してしまうと胃腸で詰まってしまうことがあります。
必ず、むいてからあげましょう。
置きっぱなしにした皮をうっかり食べてしまうこともあるので、注意が必要です。
5mm程度の薄さにカットし、食べやすくしてからあげてくださいね。
バナナは100gで93kcal。
カロリーが高いため、あげすぎると肥満の原因になります。
どんなにせがまれても、愛犬の健康のためにグッとガマンしてくださいね。
缶詰はNG!生のパイナップル

新鮮な生のパイナップルは、とっても甘くておいしいおやつになります。
ビタミンCやB1、食物繊維などが多く含まれ、栄養価が高いヘルシーな果物です。
ただし缶詰はNG!
シロップ漬けになっていることが多いので、犬には栄養過多になりがちです。
肥満の原因になりますので、あげるときは、生のパイナップルを選んでくださいね。
適切なあげ方
とげのある皮や鋭い葉っぱ、硬い芯は、のみ込むと危ないので、実だけをあげましょう。
小さくカットしてからあげるのをお
忘れなく!
パイナップルを初めて食べてから、数日以内に嘔吐や下痢、食欲不振などのアレルギー症状が出ないか様子を見てください。
症状が出た場合は、身体に合っていない可能性があります。
パイナップルに含まれる酵素「プロメライン」と、小麦の交差反応性が指摘されているので、小麦アレルギーの子や、血栓予防薬を飲んでいる子にはあげないでくださいね。
交差反応については、5章に詳しく記載しています。
アレルギーがある子の参考にしてください。
甘くて食べやすい!いちご

ビタミンCが豊富ないちご。
ビタミンCには抗酸化作用があり、体内の異物を解毒したり、免疫機能を向上させたり、ガンの予防効果も期待されています。
犬は身体の中で、ビタミンCをつくることができますので、たくさんあげる必要はありません。
人間用のいちごジャムや加糖のヨーグルトには糖分が多く含まれるので、あげないでくださいね。
適切なあげ方
いちごは食物繊維も多く含みます。
消化しやすくするために、小さくカットしてからあげてください。
ヘタを取ることもお忘れなく。
特に、消化機能が発達していないパピーや、加齢で消化機能が衰えているシニア犬には、ペースト状にするなど食べやすくしてあげると喜んでくれますよ。
甘酸っぱくて食べやすいいちごですが、犬にとって有害な物質、キシリトール[3]が含まれています。
犬の体重1kgあたり、100mg以上のキシリトールを取ると、低血糖や肝機能低下などの中毒症状を起こすことがあります。
いちご100gあたりに含まれるキシリトールは、350mgです。
[3]ペット栄養学会「禁忌食 犬のキシリトール中毒」

植田紗妃
ガムやタブレットなどの加工品に使われている工業用キシリトールは、純度が高く、摂取すると胃や腸で急激に吸収されます。犬の膵臓はこれを「大量のブドウ糖が入ってきた」と勘違いし、人間の数倍ものインスリンを過剰分泌(インスリンスパイク)するため、急激な低血糖を引き起こします。
一方、イチゴに含まれるのは天然のキシリトールです。豊富な水分や食物繊維のなかに包まれているため、消化・吸収のスピードが非常に緩やかです。そのため、膵臓をパニックに陥らせるような急激なインスリンの放出を起こす可能性は低いです。
犬が食べても良い季節の果物5選
5月〜7月:マスクメロン

マスクメロンは、βカロチンを含み、犬の視力改善に役立つといわれています。
あげる時は、小さくカットして食べやすくしてください。
消化機能が発達していないパピーや、加齢で消化機能が衰えているシニア犬には、ジュース状にしてあげると、よろこんでくれますよ。
6月〜7月:さくらんぼ

さくらんぼには、ビタミンCや、抗酸化作用のあるビタミンE、アントシアニンなど、身体に良い成分が含まれています。
ただし、さくらんぼの実は、大量に食べると下痢を起こす可能性があります。
有害物質が含まれている軸や種は取り、実の部分だけを少しずつあげましょう。
6月〜9月:桃

桃はビタミンCが豊富な果物です。
ビタミンCには、活性酸素から身体を守ってくれる抗酸化作用があるので、老化を予防してくれるといわれています。
また、ドッグランなどでの激しい運動後の、筋肉の損傷を防ぐ効果もあります。
ただし、糖類が多く含まれる缶詰は避け、新鮮な生の桃をあげてください。
種は有毒なので、実の部分だけを1口サイズにカットしてあげましょう。
8月〜10月:梨

梨の成分のほとんどは水分なので、犬にあげても有害な成分は含まれていません。
豊富に含まれているカリウムには、利尿作用もあり体内の余計な塩分を排出し、血圧を下げる働きがあるといわれています。
あげる場合は、芯と種を取り除き、実の部分だけにしてくださいね。
9月〜10月:栗

外側の硬い殻や渋皮は、喉を詰まらせたり、消化不良の原因になったりする可能性があるので、必ず取り除いてからあげましょう。
また、生のままだと硬いので、加熱して柔らかくしてからあげてください。
自然な甘みと食感で食欲を刺激するので、食が細くなってきた子にもオススメです。
ドライフルーツは、あげてもいいの?

「缶詰などのシロップ漬けや、フルーツヨーグルトなどはあげちゃいけない!って、分かったけれど、コンビニやスーパーで手軽に買えるドライフルーツは、犬にあげていいの?」
はい。その疑問に、お答えします。
ドライフルーツには、注意が必要です。
人間にとっては効率よく栄養が取れて便利ですが、犬には栄養が過多になってしまう場合があります。
生の果物と同じ量でも、ドライフルーツは糖分やカロリーなどを取り過ぎになりがちです。
人間用ではなく、犬用に加工されたタイプを選びましょう。
1日にあげていい量って、どれぐらい?

ご紹介した果物は、犬が食べても良いものばかりですが、あげすぎには注意が必要です。
食べても良いフルーツの量は、1日あたり10g〜20gが目安です。
(例えば、いちごなら1〜2粒程度)
とても少なく感じるかもしれませんが、あげすぎは逆効果です。
フルーツには多くの糖分が含まれているため、取りすぎると、虫歯や肥満になる可能性があるからです。

植田紗妃
フルーツは食物アレルギーの原因になりうるので、口周り、お尻周りが痒い子はあげているフルーツを見直してみてください
せがまれても、これだけはあげちゃダメ!犬にNGの果物

犬に、絶対にあげてはいけない果物は、ぶどうです。
犬にあげるのがNGな食材として、ネギ類やチョコレートが有名ですが、ぶどうも同様です。
マスカットや、干しぶどう(レーズン)もあげてはいけません。
万が一食べてしまうと、数時間後に嘔吐、下痢、震え、呼吸速拍を起こします。
最悪の場合、急性腎不全で死に至るケース[4]も報告されていますので、1粒たりとも食べさせないでくださいね。
[4]日本小動物学会誌「ブドウ接種後に急性腎不全を発症して死亡した犬の1例」

植田紗妃
ぶどうの中毒物質(酒石酸)の排泄が滞った結果、ろ過の全段階を担う腎臓の近位尿細管上皮細胞に酒石酸が高度に蓄積し、細胞毒性を発揮して重度の急性尿細管壊死(ATN)を誘発すると考えられています。
アレルギーのある子は気をつけて!食べない方がいい果物の一覧表

アレルギーがある子に、気をつけてあげたいのが「交差反応」[5]です。
「交差反応」とは、見た目がまったく違うものにも関わらず、成分レベルでアレルギー物資が非常に似ていることで、身体が同じアレルギー物質だと認識してしまい、アレルギー反応が出てしまうことです。
アレルギーのある子の場合、ごく少量からあげるのが基本ですが、心配なときは、かかりつけの動物病院に相談してからあげるといいでしょう。
以下は「交差反応」が起こりやすい主な果物の一覧表です。ぜひ、参考にしてください。
| アレルギー物質(抗原) | 食べない方がいい果物 |
|---|---|
| カバノキ | りんご・キウイフルーツ |
| ハシバミ | りんご |
| オナモミ | バナナ・スイカ・メロン |
| ニワトコ | バナナ・スイカ・メロン |
| ヨモギ | りんご |
| ニンジン | りんご・スイカ・キウイフルーツ |
[5]公益社団法人
埼玉獣医師会「えっ!
リンゴでもアレルギーになるの?」~アレルギーの不思議~
まとめ

おいしい上に、犬の健康によく、水分補給にもなる果物。
おやつやトッピングに加えることで、あなたのわんちゃんもきっと喜んでくれますよ。
犬にあげてもいい果物リスト
いちご・スイカ・バナナ・パイナップル・いちご・マスクメロン・さくらんぼ・桃・梨・栗
犬に食べさせてはいけない果物
・ぶどう(マスカット・干しぶどう・レーズン)は、絶対NG!
・人間用の缶詰(シロップ漬け)やドライフルーツは、糖分過多になるため、あげない方がいい。
犬用に加工されたものを選んで。
・初めてあげるなら、まずは少量から。
アレルギーのある子は気をつけて。
心配な場合は、必ずかかりつけの動物病院に相談してからあげましょう。
参考:文部科学省「食品成分データベース」
この記事の監修者

植田 紗妃 (獣医師)
東京都出身。幼稚園〜高校まで日本女子大学附属学校で過ごし、日本大学獣医学科に入学。大学時代は放射線学研究室にて放射線治療や抗がん剤治療を専攻。大学5年生でPURINAフードスペシャリスト取得。卒業後東京都の一次動物病院にて犬猫の診療に従事。獣医総合臨床認定医を目指して経験を積む。
犬と私
もともとインドアだったが、お散歩することの楽しさを知れた。ただ歩いているだけでニコニコしてくれるワンちゃんを見ていると心から幸せを感じる。あの屈託のない笑顔と何も疑いもしない無垢な姿を見て、人間の汚い部分が恥ずかしくなり、常に気持ちが引き締まる。癒しだけではなく、生き方も教えてくれる存在。大切にしなければならない存在。守らなければならない存在。
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