黒い空間の中で、スパイクカラー(とげとげの首輪)をつけたドーベルマン。

「ドーベルマン」と聞いて、あなたはどんなイメージを持ちますか?
キリッとした顔立ち、たくましい筋肉、トゲトゲの首輪。警察犬・番犬としての印象から、「怖そう」というイメージを持つ方も多いでしょう。
この記事では、ドーベルマンの意外な性格や、名前の由来、ピンと立った耳の秘密、そして飼育方法まで解説します。

工藤てん

この記事を読み終わるころには、あなたもドーベルマン博士に!?

ドーベルマンの特徴

ドーベルマン誕生の歴史

ドーベルマンは、19世紀後半のドイツ(テューリンゲン州アポルダ市)で誕生しました。ルイス・ドーベルマンという人物によって、自身を守る警備犬として作り出され、その名前がつけられたといわれています。
当初からその能力は高く評価され、「Gendarmedogs(地方治安警察官犬)」というニックネームがつけられるほど活躍しました。20世紀初頭には警察犬として正式に認められています。

公益社団法人 日本警察犬教会「警察犬教会指定犬種」
ジャパンケネルクラブ「ドーベルマン」

パトカーの前に立っている筋骨隆々な外国人警察官と姿勢のいいドーベルマン。

ドーベルマンの基本情報

ドーベルマンは、たくましい筋肉が特徴の大型犬です。スリムなボディにツヤのある短毛が特徴。警戒心が高く、番犬や警備犬としての適性がある一方で、実は忠実で穏やかな性格です。気品と警戒心を兼ね備え、知性も持ち合わせているところが魅力です。

  • 被毛:​​シングルコート
  • 毛色:ブラック&タン、レッド&タン、ブルーなど
  • 性格:​​警戒心が強く、飼い主に忠実
体高体重原産国
オス:68~72cm
メス:63~68cm
オス:約40~45kg
メス:約32~35kg
ドイツ

ドーベルマンの性格

穏やかな性格

端正な顔つきと黒色の艶やかな毛色、筋骨隆々の体から、攻撃的な印象をもたれることも多いドーベルマンですが、実は優しく穏やかな性格です。

忠誠心が強い

知的好奇心が非常に旺盛で、飼い主への忠誠心が高いため、しつけがしやすい犬種です。

警戒心が強い

家族に対しては愛情深い一方で、警戒心が非常に強い傾向があります。家族以外に攻撃的にならないよう、子犬のころからのしつけが重要となります。

きょとんと首を斜めにかしげてこちらを見つめている赤みの強いドーベルマン。

立ち耳と短い尻尾は本来の姿ではない?

ドーベルマンの特徴として思い浮かぶ「立ち耳」と「短いしっぽ」は、本来の姿ではありません。実は、本来は垂れ耳で長いしっぽを持っています
警察犬や軍用犬として働く際に邪魔になってしまうことから、「断耳(だんじ)」と「断尾(だんび)」という手術が行われるようになりました。
現在は、動物愛護・動物福祉の観点から、ドーベルマンの原産国であるドイツやヨーロッパ諸国では、これらの手術は禁止または非推奨とされています。日本においては現時点(※記事公開時点)では禁止されていませんが、飼い主それぞれの判断にゆだねられています。

大きな草原の中で向き合いながら立っている耳の立ったドーベルマンと、耳が寝ているドーベルマン。
(右側が断耳・断尾していないドーベルマンのイメージです)

ドーベルマンの飼育のポイント 

運動

ドーベルマンは体が頑丈で、散歩・遊びなどで多くの運動量を必要とします。

・散歩量:毎日朝夕2回、各30分以上の散歩を行いましょう。

・質の高い運動:単に歩くだけでなく、ドッグランで思いきり自由に走らせたり、ジャンプなどの遊びも取り入れましょう。雨などで散歩が難しいときは、「クリッカー」と呼ばれる学習用のトレーニンググッズ(ボタンを押すとカチッと音が鳴るグッズ)を使用して新しい号令と動きを楽しく学習させ、頭を使わせてストレスを発散させてあげましょう。

砂煙をあげて草原を駆け回っているしっぽの短いドーベルマン。

食事

主食は栄養バランスのとれた総合栄養食を与え、袋に書いてある給餌量を目安にしましょう。暑くなり食欲が落ちた場合は、少量でもカロリーが高い食事に切り替えるなど工夫が必要です。また、大型犬で起こりやすい胃捻転の危険性を減らすために、食後の激しい運動は控えましょう

しつけ

ドーベルマンは警戒心が強い特徴があるため、飼育する場合は、なるべく攻撃性がでないように社会化の訓練をすることが大切です。また、暑さや寒さに弱いため、室内飼育が基本となります。

飼育環境

室内飼育が基本となるため、飼育環境をしっかり整える必要があります。ドーベルマンは被毛が短く体重が重いため、関節部分が床とこすれてしまい、皮膚のケガが起きやすいです。

・滑りにくい床にする
・クッション性のマットを敷く

など、ケガをしないように工夫しましょう。

被毛のケア

ドーベルマンは被毛が短く、シングルコートの犬種なので、被毛のケアはタオルで拭いてあげましょう。シングルコートとは、オーバーコート(上毛)のみの一層構造になっている被毛のこと。換毛期がないか、ごく軽いため、抜け毛は比較的少なめです。

シングルコートとダブルコートの違いを解説したイラスト。

かかりやすい病気

長く健康でいるために、特にかかりやすい病気を知っておくことが重要です。

拡張型心筋症

心筋が薄くなり、心臓の収縮力が落ちることで、全身に十分な血液を送り出すことができなくなる病気です。重症化すると呼吸困難などが見られます。

胃捻転

胃捻転(いねんてん)とは、胃がねじれ、急激に全身症状が悪化する病気です。原因ははっきりしていませんが、特に大型犬に多く見られます。

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こす病気です。

ドーベルマンを家族の一員として迎えるには?

ドーベルマンは、日本では小型犬ほど一般的な犬種ではないため、ペットショップで出会う機会は比較的少ないです。ドーベルマンを家族に迎えるためには、専門のブリーダーを探してコンタクトを取るか、保護犬・里親制度を活用してみましょう。
ドーベルマンは、その能力の高さゆえに安易な飼育はできません。購入前に必ず、実際に触れ合いましょう。

ワン!ポイント ドーベルマンにはどこで会える?

地域によっては、ドーベルマンが看板犬を務めるドッグカフェや施設もあります。
まずはドーベルマンと触れ合ってみたいと思ったら、「〇〇(地名)+ドーベルマン カフェ」などで検索してみると、素敵な出会いがあるかもしれません。

まとめ

石畳の上で可愛く舌を出しながら寝そべっているたれ耳のドーベルマン。
工藤てん

ドーベルマンに対する印象は変わりましたか?

知性と忠誠心を持ち、実は友好的で温厚な性格のドーベルマン。
犬の飼育をしたことがない初心者にはややハードルが高い犬種ではありますが、訓練して深い信頼関係を築くことができれば、頼れるパートナーになるでしょう。

 この記事の監修者

鮎川 多絵 (愛玩動物飼養管理士2級・ライター)

東京都出身。1986年10月生まれ。趣味は映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ。
家族は保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)。

犬と私
子供の時からイヌ科動物が大好きでした。戸川幸夫氏の「牙王」で狼犬に憧れ、シートン動物記で「オオカミ王ロボ」に胸を打たれました。特に大きな犬のゆったりとした雄姿には目を奪われます。保護犬と保護猫の飼育経験から、動物関連の社会問題、災害時のペット同伴避難について意識を向けています。

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資格
愛玩動物飼養管理士2級 防災コーディネーター 学芸員 登録日本語教員

この記事を書いた人

工藤てん

東京育ち。赤提灯系のお店が好きなOL。全国各地に美味しいものを食べ飲みに行くのが趣味です。
散歩中のわんことすれ違うとき、名前を妄想している。

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