
犬の体は70%以上が水分でできているといわれています。犬にとって生きていくうえで水は不可欠なものです。それほど重要な水を、ある日突然飲まなくなってしまったら?
どうすればよいかとても心配になりますよね。
この記事では、犬が水を飲まない理由と対処法をご紹介します。
この記事を書いた人
汐井美緒
香川生まれ東京育ち。
趣味は読書、女性アイドル鑑賞、ぬい活、スイーツ巡り、喫茶店巡り。
第49期宣伝会議
編集・ライター講座修了。
犬との直接的な関わりは多くはなかった。だが、好きなキャラクターがスヌーピーだったりクリスマスに犬のおもちゃをもらったりとなんだかんだ関わりがあったように思える。最近は、友人が飼っている柴犬が可愛くて動画を見て癒されている。
水を飲む重要性
まずは愛犬の日々の水分補給について、知っておくべきことを説明します。
1日の水分摂取量
犬が毎日摂取する水分量を把握しておきましょう。
個体差も有りますが、1日に犬が飲む平均の水分量は、体重1kgに対して50mlが目安とされています。
直接与えるのではなく、水の量を量ってから容器に入れることでおおよその摂取量を把握しやすくなります。
犬の体には「水道水」
与える水は、必ず軟水を選ぶようにしましょう。
水道水は塩素系の消毒剤が含まれているため、食中毒の原因となる細菌の混入や繁殖を防ぐことが可能です。
カルキの臭いを嫌がる場合は、数時間置いておくか沸騰させるとカルキを抜くことが可能です。ただし、菌が増殖しやすい状態なので早く与えるようにしましょう。
また、ミネラルウォーターでもかまいません。下痢のリスクにもつながるので、硬水は必ず避け、「ペット用」として売られているものを飲ませるようにしましょう。
水道水と異なり塩素消毒がされていないので、こまめに入れ替え、常に綺麗で新鮮な水を与えるよう注意する必要があります。
硬水に豊富に含まれているカルシウムやマグネシウムなどのミネラルの成分を、習慣的に摂取してしまうことで、体内に結石ができてしまう恐れがあります。
なぜ水を飲まないの?
水を飲まない原因は、いくつか考えられます。
水分量が足りている
食事から水分がとれているということが考えられます。
ドライフードは約10%、ウェットフードに関しては約70%もの水分を含んでいます。
そのため、水を飲む量自体は減っていても、食事から十分に水分を摂取できている場合があります。
ただし、それ以外の可能性も疑ってみましょう。
環境によるストレス
犬は環境の変化に敏感な面があります。そのため慣れない環境下でストレスを感じると、あまり動かず水を飲まなくなることがあります。

植田紗妃
帰宅すると、普段の何倍も水を飲むかもしれません。心因性多飲と呼びます。
体の痛み
体のどこかに痛みを感じており、動くことが苦痛で水を飲まなくなる場合が考えられます。
体の痛みに関しては病気の可能性があります。
・歯周病などの口内の異常
・肝臓病や腎臓病などの内臓の病気
・外傷や椎間板ヘルニアなどの体の痛み

植田紗妃
肝臓、腎臓病は多飲になる傾向があります。水も飲まなくなるのは末期です。
気温・気候の変化
犬は口を開けて舌を出し、唾液から蒸散させることで体温調節をしています。
そのため、夏は飲む水の量が増えます。
逆に気温が低くなると、夏に比べ口呼吸をすることも少なくなり、水分摂取量が減ることがあります。

水を飲まないと脱水症状に?
脱水症状とは、体内から必要な水分が過剰に失われて起こる症状のことです。
軽度のものであれば、食事や水分をとることで回復しますが、動けずぐったりしている様子が見られたらすぐに病院に連れて行くようにしましょう。
脱水症状を放置してしまうと、臓器への負担がかかり命に関わる場合があります。
なぜ脱水状態になってしまうのか
真夏に限らず年中起こる可能性があります。
例えばペットホテルに預けるなど、環境の変化が原因の場合があります。
慣れない環境下だと、興奮状態や緊張状態が続き、通常より水分の消費量が増えたり、水を飲むこと自体を面倒に感じたりすることがあるためです。
また、人間に比べ乾燥して喉が渇くという感覚が薄いため、冷房や暖房の効いた部屋であっても脱水状態になることがあります。
脱水症状の見分け方
背中の皮膚を軽くつまむ
背中の皮膚をつまんで離し、戻るまでの時間を確認します。いつもの状態に戻るまでに2〜3秒かかる場合は重度の脱水症状と判断していいでしょう。

植田紗妃
このような身体検査をツルゴール試験といいます。
初期脱水の指標の一つですが、もともと皮膚のコラーゲンが減っているシニア・皮下脂肪が多い肥満犬・皮膚の弾力と水分量が多い若齢犬では判断しにくいこともあるので、血液検査でのHCT、Alb、BUNなどといった項目も含めた総合評価が大切です。
おしっこの量が少なく、色が濃い
体内から水分が失われないようにするため、尿の量や色、臭いに変化が起こることがあります。
他にはいつもより水を多く飲む、体が乾いている感じがするなどの症状も脱水の可能性が考えられます。

水の飲ませ方、対処法
どうすれば水分を補給できるか、方法をいくつかご紹介します。
水に味をつける
犬はうまみ成分を感じることができます。水に味や風味をつけることで、飲んでくれることがあります。
ごま、かつおぶしなどをトッピングしたり、犬用のミルクや野菜・鶏肉のゆで汁をいれるのも良いでしょう。
水飲み場の場所を工夫する
置き場所を変える、複数の場所に水を置くなどの工夫をしてみましょう。
食事スペースと愛犬がよくいる場所の最低2か所に置くと良いです。
いつもと違う場所に置くと飲むようになる犬もいます。
また、水分をどれくらいとれているかチェックができるので、飼い主の近くに置くのも良いでしょう。
水分の多い食事を与える
水分を多く含むウェットフードから水分を摂らせるようにしましょう。
また、ぬるま湯でドライフードをふやかす、ウェットフードと混ぜて与えるなども一つの方法です。
まとめ
犬の健康にとって毎日の水分摂取は非常に重要です。
日頃から飲水量には気を配るようにしましょう。
また、愛犬の様子に少しでも異常が見られたら早めに病院を受診するようにしましょう。

この記事の監修者

植田 紗妃 (獣医師)
東京都出身。幼稚園〜高校まで日本女子大学附属学校で過ごし、日本大学獣医学科に入学。大学時代は放射線学研究室にて放射線治療や抗がん剤治療を専攻。大学5年生でPURINAフードスペシャリスト取得。卒業後東京都の一次動物病院にて犬猫の診療に従事。獣医総合臨床認定医を目指して経験を積む。
犬と私
もともとインドアだったが、お散歩することの楽しさを知れた。ただ歩いているだけでニコニコしてくれるワンちゃんを見ていると心から幸せを感じる。あの屈託のない笑顔と何も疑いもしない無垢な姿を見て、人間の汚い部分が恥ずかしくなり、常に気持ちが引き締まる。癒しだけではなく、生き方も教えてくれる存在。大切にしなければならない存在。守らなければならない存在。
HP/SNS
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資格
獣医師
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