
愛犬が突然茶色いものを吐いてしまった…!
飼い主とすれば、なんで?大丈夫?何が原因?と頭がいっぱいになるはずです。
実は、犬の嘔吐は、体の中で起きている変化を教えてくれる、大切なSOS。
愛犬の健康を守るために、茶色い嘔吐物が示すサインについて、原因からホームケア、そして病院に連れて行くべきタイミングからお掃除方法まで、分かりやすくお伝えします!
この記事を書いた人
嘔吐から分かる危険サインと見分け方
危ない嘔吐はどっち?(色・回数・様子)
犬は比較的吐きやすい動物だと言われています。
これは、犬が四足歩行であるため、重力のまま比較的スムーズに嘔吐が起こるからです。
とはいえ、嘔吐の内容や回数、普段の様子によっては注意が必要なケースもあります。
ここでは、嘔吐の状態や回数、元気・食欲・排便から、危険なサインを見極めるポイントを解説します。
サラサラしている or ドロッとしている
嘔吐物の硬さも重要なヒント。
サラサラした液状のものは、空腹時の胃液やストレスによるものが多いです。
一方、ドロッとしていて粘り気がある場合は、消化器官の炎症や粘膜の問題かもしれません。
特に粘液と血液が混じったようなドロドロした茶色い嘔吐は、胃腸の内壁に問題がある可能性が高いので要注意です。
一回だけ吐いた or 繰り返している
一回だけ吐いて、その後元気に戻ったなら、一時的な胃の不調かもしれません。
でも24時間以内に2回以上吐く場合は、何か問題が続いているサインです。
特に数時間おきに繰り返し吐く場合は、腸閉塞など重大な問題の可能性もあるので、動物病院を受診しましょう。
元気・食欲・うんちが正常かをチェック
元気があって、食欲も普通、うんちも正常なら、一時的な不調の可能性が高いです。
でも、ぐったりしている、水も飲まない、下痢や便秘がある、などは要注意。
すぐに動物病院へ行きましょう。

色で分かる健康状態
愛犬の嘔吐物の色は、健康状態や原因を知る手がかりとなります。
下の表のように、嘔吐物が白・黄色・透明・緑色で、一度きりで元気や食欲がある場合は、基本的には経過観察で大丈夫でしょう。
ただし、どの色だとしても、回数が多い・苦しそうにしている場合は、獣医師の診察を受けましょう。
| 嘔吐の色 | 原因 |
|---|---|
| 白い泡状 | 早朝に見られることが多い症状ですが、空腹時間が長いのが原因かも? また、ストレスや胃酸が多く出すぎている場合にも、白い泡のようなものを吐くことがあります。 |
| 透明・無色 | 多くは水の飲みすぎや、何も食べていないときの胃液です。 お散歩や運動の後などに水を一気に飲むと、胃がびっくりして吐いてしまうことがあります。 |
| 黄色 | 胆汁が胃に逆流しているサインです。 これも空腹時間が長いと起こりやすく、胃が空っぽになったときに胆汁が逆流してしまいます。 胃腸の動きが少し鈍っているときにもみられます。 |
| 緑色 | 緑色の場合も「胆汁」の可能性があります。 原因は前述の情報と同様で、食べ過ぎや空腹時間が長いことが挙げられます。 また、外で草を食べて消化しきれず吐いた場合も、緑色の嘔吐物となることがあります。 |
しかし、茶色い嘔吐は血液の混入や消化器系の問題を示すことが多く、より注意深く観察する必要があるので、次の項で解説していきます。
【茶色い嘔吐】症状別・対処の流れが分かる!フローチャート
実際に見ると驚いてしまう茶色い嘔吐物。色やにおい、タイミングによって考えられる原因は異なります。まずは、下のチャートで愛犬の様子を確認してみましょう。

① ドッグフードやおやつの色素による一時的なもの
茶色いドライフードや色の濃いおやつを食べた後なら、単に食べものの色が出ているだけかもしれません。
特に、食後すぐの嘔吐で他に異常がなければ、早食いや食べ過ぎによる一時的な胃もたれの可能性が高いです。
② 胃液に血が混ざっている(出血の可能性)
茶色い嘔吐物が「コーヒーかす」のように見える場合は要注意です!
胃や腸での出血が疑われます。血液が消化されることでこのような色になるため、緊急を要する可能性があります。
③ 胃潰瘍・腸炎・消化器系の異常
繰り返し茶色い嘔吐がある場合、胃や腸に炎症や潰瘍ができていることも。
特に食欲不振や元気のなさ、下痢などを伴う場合は、消化器系のトラブル、長期的なストレスが隠れている可能性があります。
すぐに動物病院に行って相談しましょう。
④ 胃の内容物の腐敗(臭いが強い場合)
異臭を放つ茶色い嘔吐物は、胃の中で食べものが腐敗している可能性があります。
何か変なものを食べた、古いものを拾い食いした、または消化不良を起こしているサインかもしれません。
一度きりなら心配は少ないですが、症状が続くようであれば、獣医師に相談しましょう。
上記の他にも、まれに肝臓・胆のうの問題が原因の場合もあります。
長期間続く場合や他の症状を伴う場合は病気の可能性もあるため、獣医師に相談しましょう。

すぐ病院?様子見?迷ったときの判断ポイント

愛犬が茶色いものを吐いたとき、「このまま様子を見ていいの?」「すぐに病院に連れていくべき?」と迷いますよね。
受診の目安となるサインをまとめましたので、参考になさってください。
| すぐに病院へ! | 半日~1日様子見しましょう |
|---|---|
| ▪血が混じっている(コーヒーかす状や、赤黒い色) ▪嘔吐が止まらない ▪繰り返す ▪ぐったりしている ▪元気がない ▪下痢や他の症状を伴う▪水分が摂れない | ▪食べ過ぎ ▪食事直後の一時的な嘔吐 ▪嘔吐後も元気があり活動的 ▪水分もしっかり摂取できている ▪一度だけの嘔吐で他に異常がない |
赤色やピンク色の嘔吐物、または吐こうとしているのに吐けない状態は、茶色の嘔吐物とは異なりますが、いずれも緊急性の高い症状です。
特に後者は大型犬に多い「胃拡張・胃捻転症候群」の可能性もあるので、一刻も早く動物病院へ行きましょう。
茶色い嘔吐 受診前にできる正しい対処法
愛犬が茶色いものを繰り返し吐いたり、1章・2章でご紹介したような危険サインが見られたりする場合は、動物病院を受診することが大切です。
ただし、病院に行くまでの間や、様子を見てもよいケースでは、飼い主の初期対応が重要です。
この章では、受診前にできる正しい対処法をまとめました。
食事・水を一旦ストップする
嘔吐後は胃腸を休ませることが大切です。すぐに食べものを与えるのではなく、以下のことを気にしてみてください。
- 8~12時間ほど絶食させる(小型犬や子犬は4~6時間)
- 水は少量ずつ(一度に大量に飲ませない)
- 絶食後は消化の良い食事を少量から始める
- 2~3日かけて徐々に通常食に戻す
吐いたものは保存しておく(動物病院で役立つ)
診断の手がかりになるので、可能なら嘔吐物の写真を撮っておくか、袋に入れて動物病院に持参しましょう。
特に異物(食べてはいけないものなど)が混ざっている場合は、診断に重要な情報となります。
下痢や便の色・状態も観察しておく
嘔吐だけでなく、便の状態も重要な健康指標です。
- 黒っぽい便は、胃や小腸からの出血かもしれません
- 粘液や血液が混じる場合は腸の炎症のサインかも?
- 便の硬さや回数の変化も記録しておくと、診断の助けになります

犬の嘔吐に関するよくある疑問 Q&A
吐きやすい犬っているの?
A. 小型犬や短頭種の犬(フレンチブルドッグやパグ、シーズーなど)は消化器官が短いため、吐きやすい傾向にあるといわれています。
また、子犬は誤飲しやすかったり、シニア犬は消化器官が衰えがちであったりすることから、どちらも吐きやすいといえるでしょう。
茶色い液体を朝だけ吐くのは大丈夫?
A. 朝だけの嘔吐が続く場合、「胆汁性嘔吐症候群」の可能性があります。
空腹時に胃酸や胆汁が逆流して起こることが多く、食事時間の調整(夜遅めの軽食を追加する)で改善することもあります。ただし、頻繁に起こる場合は獣医師に相談しましょう。
嘔吐後、元気はあるけど水ばかり飲んでいます
A. 一時的な脱水を補おうとしている可能性もありますが、胃腸の炎症や異物摂取の初期症状として現れることもあります。量や回数が異常なら獣医師に相談を。
吐いたのがうんちのような臭いだった
A. 便のような悪臭がする場合は要注意です。
これは腸閉塞や重度の消化不良のサインかもしれません。腸の内容物が逆流している可能性があり、緊急性の高い状態です。
すぐに獣医師の診察を受けてください。
まとめ:嘔吐物の処理方法と、茶色い嘔吐のSOSサイン

嘔吐物を見つけたら、まず愛犬の様子を確認しつつ、周囲の衛生管理を行いましょう。
掃除の際、嘔吐物は素手で触らず、ビニール手袋をします。
下敷きのようなもので固形物や液体をすくい上げ、嘔吐物はビニール袋に入れて密閉し、燃えるゴミとして処分するのが最適です(トイレに流すと詰まる原因に)。
床は、固く絞った雑巾で拭き取ります。
その後、薄めた中性洗剤などでしっかり拭きましょう。
ペット専用の消臭剤を使えば、愛犬がなめても安心です。
- 繰り返し吐いている
- ぐったりしている、食欲がない、元気がない
- 嘔吐物がコーヒーかすのような見た目
- 嘔吐物から強い臭いがする
日頃から愛犬の様子をよく観察し、小さな変化を見逃さないことが、健康を守る第一歩。
この記事がそのサポートになれば幸いです。
この記事の監修者

吉田萌 (NPO法人ドッグトレーナー2級)
国際動物専門学校 しつけ・トレーニング学科卒。
噛み・吠え癖の酷い元保護犬のビーグルを里親に迎えた事をきっかけに『褒めてしつける』を念頭に活動。 自身の経験を活かし、しつけイベントにて飼い主に寄り添ったトレーニング方法を指導。 ナチュラルペットフード・栄養学の知識にも精通。保有資格はNPO法人ドッグトレーナー2級の他に、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級など。
資格
NPO法人ドッグトレーナー2級、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級








