
愛犬は大切な家族の一員。きちんと予習して愛犬を迎えたけれど、まさかこんなに大変だったなんて……!
そう思っている飼い主さんは、あなただけではありません。
うまく息抜きできるよう、愛犬とストレスなく生活するためのポイントを詳しく解説していきます。
この記事を書いた人
どんな時に“疲れた”と感じる?

犬を飼うということは、楽しいことばかりではありませんよね。
どんな時に“疲れた”と感じるか、「あるある~!」と思いながら読んでみてください。
しつけがうまくいかない
トイレトレーニング、無駄吠え、甘噛みetc…。しつけがどれもうまくいかず、落ち込んだり、周りの飼い主さんと比べて不安や焦りを感じていませんか?
最初から上手にしつけを出来る人はほとんどいません。誰しもはじめは“飼い主初心者”です。
大切なのは【愛犬と楽しみながらしつけを行えているか】ということです。
一回で高レベルを求めるのではなく、継続して少しずつ着実に進んでいくことが重要です。
どんな時でも、愛犬は飼い主さんのことが大好きということを忘れずに、少しでもしつけが成功したら大げさに褒める!そして今日はここでおしまい。
そんなスローペースで一歩一歩進んでみるのはどうでしょうか?
頼れる人がいない
愛犬のお世話は全部自分一人でやらなきゃ!と気負いすぎていませんか?
確かにお世話は飼い主さんの義務ですが、全てを完璧にこなすのは慣れている人でもなかなか大変です。
身内に任せられる人がいない場合でも、犬の専門家に頼むことが可能です。
カットやシャンプーの他に、爪切りや肛門腺絞りだけを行ってくれるトリミングサロンや動物病院もありますし、お散歩代行やしつけの相談は、ペットシッターやドッグトレーナーに任せることも良いでしょう。
少しの間だけでも良いので、愛犬と離れてリフレッシュする時間を作ることも、愛犬と暮らしていく中で重要なポイントです。
子犬のお世話
子犬のお世話に疲れてしまうことを【育犬ノイローゼ】と言い、初めて子犬を飼う人が最もなりやすい症状です。
人間の子供と同じく、子犬を育てることは容易ではありません。
子犬を育てている時期は「まさかこんなに大変だったなんて……!」と嘆く人がたくさんいます。
しつけもお世話もままならない状況に、不安や焦りを感じる人もいるかと思いますが、犬の一生は十数年ととても短いです。一日の体感は人間よりずっとずっとスピードが早く、あっという間に大きくなっていきます。
そんな短い犬生を、子犬からお世話できるのは実はとても貴重なことなんです。
子犬はスポンジのように何でもすぐ吸収してぐんぐん成長していきます。
お世話はとても大変ですが、息抜きがてらに成長日記を付けてみたり、大きさや顔つきを変化を楽しんでみるのはどうでしょうか?
大変だったお世話を乗り越えた飼い主さんと愛犬は、かけがえのないパートナーになってくれること間違いなしです。
ちょっぴり負担を減らせるお世話

犬と暮らしていく中で様々なお世話があり、疲れてしまいますよね。
「私って飼い主失格かも…」と落ち込まなくても大丈夫です!ちょっぴり手を抜けるお世話を5つご紹介します。
ブラッシング
ブラッシングはもちろん必要です。
しかし、嫌がる犬を無理やり押さえつけて行うのは、犬にとっても飼い主さんにとってもデメリットでしかありません。
毎日ブラッシングすることはとても大切ですが、もし大変だったら、週2〜3回くらいでも問題ありません。
大切なのはブラッシングを通して行う愛犬とのコミュニケーションや、皮膚や毛質から健康状態をチェックすることです。お互い無理のない範囲で5〜10分程度行いましょう。
コマンド
「愛犬に色んなコマンドを覚えさせたい!でも、どうやって覚えさせたらいいか分からない…」「なかなか覚えてくれない…」という飼い主さんもいるのではないでしょうか。
確かに色んなコマンドを覚えてくれたらカッコイイですが、まずは本当に必要なコマンドだけを覚えてくれたら良いんです。
『シット(お座り)』や『ダウン(伏せ)』が代表的なコマンドですが、なかでも生活する中で必要だといわれているコマンドは、『ステイ(待て)』、『カム(おいで)』、『ノー(だめ)』などがあります。
コマンドを教えるときに重要なのは、【短く端的な指示】と【少しでも成功したらたくさん褒めてあげる】ことです。
まずはひとつひとつ、愛犬と遊ぶ感覚で試してみるのはどうでしょうか?
※コマンドとは、犬に特定の動作をしてほしいときに使う指示のことです。
遊び
ストレス発散にはやっぱり運動!でも毎日クタクタになるまで外で運動させるのは体力的にも精神的も大変……。
そこでおすすめなのが【ノーズワーク】です。
ノーズワークとは、名前の通り『嗅覚』を刺激する遊びで、家の中におやつやおもちゃを隠して愛犬に探させたり、知育トイにおやつを入れて遊ばせたりすることです。
体力面だけではなく、頭を使うことでストレス発散になるので、長時間運動できない時や天候により外出が難しいときにとても効果的です。
規則正しい生活
規則正しい生活は人間にとっては重要ですが、犬にとってはむしろ逆効果の場合も。
毎日決まった時間にご飯や散歩を行っていると、犬がその時間を覚えて要求が通るまで吠えたりと、飼い主さんの都合を考えずワガママになる可能性もあります。
また、毎日ルーティンが決まっているとイレギュラーなことが起きた際に対応しづらいですよね。
食事や散歩などのお世話は時間を決めず、その日の飼い主さんのタイミングで行うことが大切です。
手作りドッグフード
愛犬には手作りのご飯をあげたい!と思う飼い主さんも多いと思いますが、栄養バランスを考えた食事を毎日作るのは大変です。
昨今では、人間が食べられる食材のみで作られたドッグフードもたくさんあります。
特に【プレミアムドッグフード】と呼ばれるドライフードには、主要原材料に牛肉や豚肉、鶏肉、魚肉などが使用されており、また、アレルギーに配慮して設計されている物が多いので、どんな犬にも与えることが可能です。
どうしても手放さなければならない時は?
やむを得ず、どうしても手放さなければならない時は、動物愛護センターや各自治体の保護団体へ相談することを考えてください[1]。
しかし、動物愛護管理法より、ペットが命を終えるまで適切に飼養する【終生飼養】の責任があることが、法律上定められています[2]。
手放すことを第一の選択肢とするのではなく、まずは身内や専門家に相談してみましょう。
相談するだけでも、スッと心が軽くなることもあるので、一人で抱え込まないでくださいね。
[1]特定非営利活動法人 未来へつなげる命の重み「【保護】やむを得ず犬猫を手放さなければならない方へ」
[2]環境省「動物の愛護及び管理に関する法律が改正されました 〈一般飼い主編〉」
愛犬にとって飼い主さんはどんな存在?

「愛犬に好かれているのかな」「ちゃんと飼い主として見てくれているのかな」と心配になる飼い主さんも多いかと思います。
愛犬が何を考えているか分からず不安になってしまう気持ちはとてもよく分かります。
しかし、愛犬はどんな状況でも、飼い主さんを一心に愛してくれているんです。
飼い主さんから愛情を与えてもらっている犬は、飼い主さんへその愛情を返そうとします。
愛犬と一緒に暮らしていく中で“疲れた”と感じることはたくさんあると思いますが、第一に愛犬が大好きという気持ちを忘れずに、楽しみながら生活してみると良いでしょう。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
手放すという考えになる前に、犬との生活に悩んでいる人は他にもいることを知っていただき、少しでも疲れが和らいだら幸いです。
愛犬が成長するにつれて、飼い主さんも成長していきます。
いつかこの大変さも笑い話になると信じて、一緒に頑張りましょう!
この記事の監修者

吉田萌 (NPO法人ドッグトレーナー2級)
国際動物専門学校 しつけ・トレーニング学科卒。
噛み・吠え癖の酷い元保護犬のビーグルを里親に迎えた事をきっかけに『褒めてしつける』を念頭に活動。 自身の経験を活かし、しつけイベントにて飼い主に寄り添ったトレーニング方法を指導。 ナチュラルペットフード・栄養学の知識にも精通。保有資格はNPO法人ドッグトレーナー2級の他に、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級など。
資格
NPO法人ドッグトレーナー2級、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級







