
真っ白なモフモフの被毛と、穏やかな表情が特徴の超大型犬「グレートピレニーズ」。まるで白熊のようなどっしりとした体格ながら、おおらかで愛情深い気質を持ち、多くの人々を魅了してやまない犬種です。
でも、実際の性格はどうなのでしょうか? 穏やかで優しいと言われる一方、オオカミから家畜の群れを守る番犬(護衛犬)として活躍してきた歴史を持ち、警戒心や独立心も備えています。本記事ではグレートピレニーズの性格、飼いやすさについて詳しく解説します!
人気漫画『SPY×FAMILY』に登場し、アーニャの良き友達となっているボンド。作者は明確に犬種は決めていないものの、グレートピレニーズを見て参考にしながら描いているそうです。
その見た目のみならず、賢く仲間思いなボンドの性格も、実際のグレートピレニーズと似通うところがありそうですよ!
グレートピレニーズの基本情報
歴史と起源
もともと紀元前から、フランス・ピレネー山脈で、羊の群れを守る護衛犬として活躍してきたグレートピレニーズ。
のちに城館の番犬としても重宝され、17世紀にはフランス国王のルイ14世が宮廷犬として飼育したことから、一躍人気の犬種となりました。ルイ16世の妃であるマリー・アントワネットや、イギリスのヴィクトリア女王らも、グレートピレニーズを飼育していたと言われています。
番犬としての需要が低下するとともに、一時は絶滅の危機に陥ったことも。しかし愛好家たちの尽力によって見事に復活し、現在は欧米を中心に家庭犬として親しまれています。

かつて王や女王たちの心をつかんだグレートピレニーズ。番犬としての優れた能力はもちろん、その優しいまなざしや堂々としたたたずまいで、当時からきっと癒やしの存在だったのでしょうね!

体の特徴
骨太でがっしりした体格でありながら、どこか優雅さも兼ね備えるグレートピレニーズ。真っ白、またはグレーや薄いイエロー、ウルフカラーなど白を基調とした、ふわふわの長毛に覆われています。その分厚い被毛は、極寒の山岳地帯でも快適に暮らしていけるように発達したものです。
平均寿命は10〜12年程度。超大型犬としては平均的と言えます。
| 体高(成犬) | 65-80cm |
| 体重(成犬) | 45-60kg |
| 被毛 | 厚いダブルコート |
| 平均寿命 | 10-12年程度 |
グレートピレニーズの性格の特徴
穏やかで優しい性格
牧羊犬として人と生活をともにし、フランスやイギリスの宮廷犬としても愛されてきた歴史を持つグレートピレニーズは、非常に穏やかで優しい性格です。一般的な家庭犬と比較しても、より温厚で落ち着いており、過度な興奮や無駄吠えは少ない傾向があります。

家族への強い忠誠心
家族や身内と認識した相手に対して、強い忠誠心と愛情を抱きます。時に大きな体全体を使って濃厚なスキンシップを求めるような、甘えん坊な一面もグレートピレニーズの魅力です! 仲間に対しては寛容で忍耐強く、ケンカを滅多に好まないため、しっかりと信頼関係を築けば、子どもたちにとっても最高の遊び相手、良きパートナーになってくれるでしょう。
家庭内で一緒に育ったほかの犬や猫などにも友好的で、多頭飼いや異種飼育においても良好な関係を築きやすい犬種です。
警戒心と独立心の強さ
家族には強い忠誠心を抱く一方、見知らぬ人や動物に対しては警戒心を示し、慎重に距離を測ることがあります。これは護衛犬としての防衛本能が残っているためです。一般社団法人ジャパン・ケネル・クラブの犬種標準にも「力強く敏捷(びんしょう)であり、また穏やかで護衛するものに対する意識が高い」と記されており、番犬や警備犬としての能力は非常に高い犬種です。
もともとの攻撃性は低いものの、縄張り意識が強いので、自分のテリトリーに突然入ってくる他人やほかの動物などに対して攻撃的な反応を示す可能性もあります。子犬の頃からさまざまな人や動物に慣れさせるなど、適切な社会化のためのトレーニングを行い、過度に警戒しない社交的な性格に育てることが、トラブルを避け安心して一緒に暮らすために重要です。
また、山岳地帯で単独で羊の群れを守ってきた歴史的背景から、独立心が強く頑固な傾向もあります。家族との触れ合いは大事にしながらも、過度な依存を求めず、適度な距離感を保ちながら生活することができます。
性格に合わせた飼育のポイント
しつけのコツ

一度「家族」と認めた相手への忠誠心は非常に強く、飼い主の指示にきちんと応えようと努力する従順さを持ちます。
もっとも、賢く愛情深い反面でプライドが高く独立心も強いため、叱り方や接し方には配慮が必要です。理不尽に怒鳴りつけたり、力で無理やり抑えつけようとすると、反発心を招く恐れがあります。
穏やかな声で指示を出し、一貫性のあるルールを設定するなど、しつけの際にも信頼関係の構築を大切にしましょう。根気強く「褒めて伸ばす」姿勢で接することで、持ち前の忠誠心と愛情深さがより引き出されます。
ストレスを溜めない環境づくり

グレートピレニーズは、見た目の穏やかさに反して、かなり活動的な一面を持つ犬種です。もともとが広大な山岳地帯を駆け巡って家畜の番をしていた犬だけに、運動欲求旺盛で持久力もあります。体も大きいため、アパートでの飼育は推奨されません。広い庭のある一戸建てが理想的です。
ストレスを溜めないためにも、毎日の十分な運動が欠かせません。散歩はもちろん、庭やドッグランなどを利用して安全な場所で思い切り体を動かす機会を与えましょう。ストレス発散になるだけでなく、筋肉を維持することによる関節への負担軽減や老後の寝たきり防止にもつながります。
また、寒冷な山地出身のグレートピレニーズは、暑さが大の苦手です。夏場の日中の運動は避け、涼しい早朝や夜に行いましょう。室内でも熱中症などにくれぐれも注意して、過ごしやすい環境を整備してあげましょう。
初心者向けかどうか

結論から言えば、グレートピレニーズは犬の飼育に不慣れな初心者にはややハードルが高い犬種です。
まず第一に、その超大型な体格と力があります。成犬では体重が50kg前後にも達するため、散歩中に引っ張られたりじゃれつかれたりした際に、制御できるだけの体力、腕力が飼い主には求められます。加えて、食費・医療費など大型犬特有の経済的負担や、排泄物の後始末(大型犬ゆえ量も多い)なども伴うため、そうした点でも準備と覚悟が必要です。
また性格的にも、温厚ながら独立心が強く頑固な一面があるため、初心者が安易に飼うと手を焼く可能性があります。言うことを素直に聞いてくれる犬を求める初心者には不向きで、しつけには根気と経験を要するでしょう。
以上の点から、グレートピレニーズは基本的には中〜上級者向けの犬種と言えます。ただし「初心者には絶対に無理!」というわけではありません。大切なのは犬種の特性をよく理解し、適切なサポートを受けることです。
例えば信頼できるブリーダーから迎え入れれば、飼育方法や注意点を事前によく教わることができるため、ペット初心者でも安心して迎え入れることができます。初心者であっても、事前に十分な知識を身に付け、プロの手も借りながらしっかりとしつけができれば、グレートピレニーズとの生活は決して不可能ではありません。むしろ手間ひまをかけて育てた分、深い愛情と信頼で結ばれる喜びはひとしおでしょう。
まとめ
グレートピレニーズは、その堂々たる体格から想像される勇敢さと、家庭犬としての優しさ、穏やかさをあわせ持つ性格です。家族に対しては、この上なく愛情深く穏やか。子どもにとっても、優しくて頼もしいパートナーとなりえます。
一方で外部に対しては敏感に警戒し、いざというときは独立心と勇気をもって家族やテリトリーを守る防衛本能を発揮します。こうした二面性はグレートピレニーズの魅力であると同時に、飼い主にはしつけとコントロールの腕が求められるポイントでもあります。
超大型犬ゆえの飼育の難しさ(食費・運動量・しつけ・医療費など)もあり、初心者には簡単ではない犬種ですが、その分しっかり向き合って育てれば、非常に強固な絆を築けます。適切な理解と環境づくりがあれば、かけがえのない家族の一員となることでしょう。








