かわいい小型犬が二頭、道を一生懸命走っている

滑る床で愛犬がケガ…放っておくと危険です!

「フローリングで愛犬が足を滑らせてヒヤッとした」そんな経験、ありませんか?

実は、フローリングは犬にとって滑りやすく、足腰に大きな負担をかけてしまう素材です。

特にシニア犬や大型犬は転倒によるケガや関節の悪化リスクが高まります。

この記事では、いますぐ始められる対策から、中長期的な床材の見直し方法まで、犬と安心して暮らすためのヒントを分かりやすく紹介します。

この記事を書いた人

なぜフローリングは犬にとって危険なのか?

犬の足の構造と滑りやすさ

犬の肉球はもともと「地面をつかむ」ための構造であり、犬は歩く時に爪を食い込ませるため、フローリングのようなツルツルした床では摩擦が足りず滑りやすくなります。

人間でいえば靴下を履いて走っているようなもの。

ワン!ポイント  滑ることで起こる身体への影響
  • 前十字靭帯損傷
  • 股関節形成不全の悪化
  • 椎間板ヘルニア
  • 転倒による打撲や骨折

また滑った経験が「恐怖心」や「運動不足」につながり、犬の生活の質を低下させてしまうこともあります。

松岡美奈子

フローリングでの滑りは、愛犬だけでなく飼い主にとっても深刻な安全リスクです。特に高齢者の場合、転倒による大腿骨頸部骨折などの重篤なケガが要介護状態につながる可能性があります。現在主流のフローリング材は美観重視で滑り止め性能が不十分なケースが多く、ペットを追いかける際の急な動作で転倒リスクが高まります。65歳以上では自宅転倒の約1割が骨折に至るため、ペット用滑り止め対策は飼い主の安全確保にも直結する重要な住環境改善といえます。

犬の鼻から上の画像

今すぐできる!滑り対策5選【お手頃価格〜本格的な仕様まで】

① 滑り止めマット・ラグを敷く

最も手軽で即効性のある方法が、滑りやすい場所にマットを敷くこと

オンラインショップなどで「ペット用滑り止めマット」と検索すれば、洗えるもの・撥水性の高いものなどが豊富に見つかります。

  • オススメの敷き場所:ソファ前、食事スペース、廊下など

② ペット対応ワックス・コーティング剤

「床を変えるのは難しい」という方には、フローリングに塗るだけで滑りを抑えるペット用コーティング剤が便利。

天然成分のものや耐久性の高いタイプもあり、定期的なメンテナンスで効果を維持できます。

③ 肉球ケア&爪のお手入れ

  • 乾燥した肉球 → グリップ力が低下
  • 伸びた爪 → 床に足をしっかり踏ん張れない
  • 伸びて肉球にかかった毛 → 肉球でグリップできない

ジェルやバームで保湿をし、月1回程度の爪切りや毛のカットも忘れずに。

④ ステップ・スロープを設置する

ソファやベッドの昇り降り時に滑るケースは非常に多く、段差のある場所にはスロープを設置するのがおすすめです。

折りたたみ式や収納型もあり、省スペースで便利です。

⑤ 家具の配置で動線を意識する

家具の角や壁への激突を避けるためにも、犬がぶつからずに歩けるよう、家具を壁側に寄せるなど動線を「直線的に」整理しましょう。

カーペットやマットで通路を作るだけでも効果的です。

中長期対策:フローリングそのものを見直す

茶色のフローリング

ペット対応フローリングとは?

以下の特徴を持つ床材がペット向きです。

ワン!ポイント  滑ることで起こる身体への影響
  • 滑りにくい(表面加工済み)
  • 傷に強い(高耐久樹脂加工)
  • 汚れにくい(撥水・抗菌仕様)

【メーカー例】

無垢材の注意点

やさしい足あたりで関節には良いですが、「爪跡やへこみ」ができやすいため、保護剤やワックスの併用が推奨されます

状況別:「滑り止め対策の正しい組み合わせ」

「マットを敷いたのに、まだ滑る…」「まだ足腰への負担がありそう…」──そんな声は少なくありません。
実は、滑り止め対策は犬の生活動線・年齢・体格・行動特性を踏まえた複数の対策を組み合わせることが必要なんです。

以下に、行動パターン別に有効とされる対策の組み合わせを、具体的に紹介します。

ソファやベッドにジャンプする犬には

推奨対策:スロープ+吸着マット+肉球ケア

白いテリアが坂を上っている。

高さのある家具からのジャンプは、着地時の衝撃がそのまま関節や脊椎に伝わるため、犬の体に大きな負担をかけてしまいます。

特にトイ・プードルやミニチュア・ダックスフンドなど、パテラ(膝蓋骨脱臼)や椎間板ヘルニアのリスクが高い犬種にとっては、日常のジャンプ動作が将来的な疾患につながることも少なくありません。

こうしたリスクを軽減するためには、家具からの昇降時に使用できるスロープやペットステップを設置することが効果的です。

段差をなだらかにすることで、ジャンプによる縦方向の衝撃を抑え、足腰への負担を大きく減らすことができます。

また、昇り降りの際の安定性も増し、行動に対する不安感を軽減する効果もあります。

さらに、足元には吸着タイプのマットを敷いておくと、ジャンプ時や着地時の滑りやズレを防ぎ、より安全な動作環境を整えることができます。

これは、特にバランスを崩しやすい高齢犬や小型犬にとって、大きな安心材料となります。

また見落とされがちですが、肉球の乾燥も滑りやすさに影響を与える要因のひとつです。

肉球の水分量が減るとグリップ力が落ちてしまうため、ペット用の保湿ジェルを用いた定期的なケアを取り入れることが、安全な行動環境の維持につながります。

食事中に足が広がる犬には

推奨対策:PVCマット+滑り止めワックス+ボウル固定

秋のもみじが家の前で広がっている

大型犬が食事中に後ろ足を滑らせて開いてしまうと、姿勢が不安定になり、しっかりと噛んだり飲み込んだりすることが難しくなります。

その結果、消化不良を起こしたり、食事そのものがストレスになったりする可能性があります。

こうした問題を防ぐためには、食事スペースの床環境を見直すことが非常に重要です。

特におすすめなのが、PVC素材の防滑・防水マットを敷くことです。

このタイプのマットは表面にしっかりとしたグリップ力があり、後ろ足が滑るのを防ぎながら、安定した姿勢を維持することをサポートしてくれます。

さらに、万が一食べこぼしがあってもさっと拭き取れるため、衛生的にも優れています。

加えて、床そのものが滑りやすい場合は、ペット対応の滑り止めワックス(たとえばリンレイ製など)を使用することで、床の摩擦力を高め、足元の安定性をさらに向上させることができます。

また、食器についても工夫が必要です。

床に直接置くタイプの器では食べている間にずれてしまい、体のバランスを崩す原因となります。

滑りにくいボウルスタンドや高さを調整できる台座を活用することで、首や背中への負担を減らし、より自然で快適な姿勢で食事をとることができるようになります。

活発に走り回る若犬には

推奨対策:フローリング全体への吸着マット+爪ケア+家具の動線設計

白い床の素材 凸凹している

子犬から若犬にかけての時期は、好奇心が旺盛で運動量も多く、反射的に走り出したり、急なカーブを切ったり、飛び跳ねたりといった勢い任せの動作が頻繁に見られます。

こうした行動は成長にとって大切な刺激にもなりますが、滑りやすいフローリングの上では「急ブレーキ」や「方向転換中の転倒」などにより、筋肉や関節への負担が徐々に蓄積していく可能性があります。

特に、家の中で犬がよく走り回る動線が決まっている場合は、そのエリアに吸着タイプのマットを敷くことで、滑りを防ぎ、安全性を高めることができます。

全面に敷くのが難しい場合でも、通路やコーナー部分など転倒のリスクが高い箇所だけでも部分的にマットを敷くことが有効です。

また、滑り対策として忘れてはならないのが「爪切り」です。

月1回以上の定期的な爪切りは、肉球による接地面のグリップ力を確保するだけでなく、床への引っかき傷を防ぐという観点からも重要なケアです。

加えて、犬が走り回る動線上にある家具の角やコード類をあらかじめ整理・カバーしておくことも、接触によるケガや感電事故を防ぐために欠かせません。

安全な環境づくりを通して、成長期の活発な行動を健やかにサポートしましょう。

体重が重く、滑った時の衝撃が大きい大型犬には

推奨対策:高密度ラグ+防滑ワックス+関節ケアサプリ+段差解消ステップ

えんじ色とベージュ色のカーペット

ゴールデンレトリバーやラブラドール、ジャーマン・シェパードなどの大型犬は、その体重の重さゆえに、滑ったときの衝撃が非常に大きく、関節や骨へのダメージが深刻になりやすいという特徴があります。

特に滑りやすいフローリングの上では、ちょっとした動作でも関節に負担がかかり、骨折や脱臼、靱帯損傷といったケガのリスクが高まります。

こうしたリスクを防ぐためには、床材選びやマットの質に十分な注意が必要です。

安価な薄手のマットではクッション性や密着性が不足し、使用中にズレたりへたったりして逆に危険を招くこともあります。

そのため、大型犬には厚みがあり、床にしっかりと吸着する高密度の滑り止めラグが推奨されます

さらに、体重によって発生する滑走力に対応するには、床そのものの摩擦力を高める工夫も有効です。

ペット対応の防滑ワックスを併用することで、足元のグリップ力が向上し、滑りを予防することができます。

また、大型犬は加齢とともに股関節形成不全や変形性関節症のリスクが高まりやすいため、日頃から関節の健康を意識したケアが必要です。

グルコサミンコンドロイチンなど、関節サポート成分を含むサプリメントを取り入れることで、関節の柔軟性や負担軽減に役立ちます。

ソファや車への昇り降りといった日常の動作においても、大型犬にとっては関節への衝撃が大きくなりがちです。

そのため、段差を緩やかにする耐荷重タイプのスロープやステップ台を活用することで、足腰への負担を和らげ、安全性を高めることができます。

高齢犬が歩きづらそうにしている場合には

推奨対策:動線のバリアフリー化+肉球保湿+コルクマットや防滑床材

子犬が手を飼い主に持たれてこちらを見上げている

高齢犬になると、筋力の低下や視力の衰え、認知機能の変化などが重なり、「歩くこと自体」に不安を感じやすくなります。

特に家庭内のちょっとした段差や滑りやすい床は、転倒やケガの原因になりかねません。

そのため、まずは生活動線を見直し、段差を解消することが基本となります。

具体的には敷居などの段差部分にスロープを設置したり、カーペットやマットを重ねて滑らかにつなげたりといった工夫が効果的です。

さらに、床材そのものも見直すことで、足腰への負担を軽減できます。

また、床対策に加えて、肉球の水分保持も重要なポイントです。

加齢により乾燥しやすくなる肉球には、獣医師が推奨する肉球保護クリームを使うことで、滑りにくさが改善され、歩行の安定にもつながります。

医師
三河聡志

フローリングに関わらず、滑って転倒してしまうと大けがにつながることがあります。

一度けがをしてしまうと、元の生活に戻るのに大変な時間と労力が必要となるため、転倒しないための注意が非常に重要です。

全部一気にするのは難しい!対策の「優先順位」とは?

すべてを一気に揃えなくても大丈夫です。

まずは、以下の優先順位で始めてみましょう。

  1. 滑りの原因把握(どこで滑るのか/どんな時に?)
  2. 敷く・塗る・ケアするの中で、最も簡単なものから導入
  3. 犬の様子をよく観察し、変化があったら対策の幅を広げる

よくある質問Q&A

それでは、ここからはよくある質問についてご紹介しましょう。

Q1:全部の床をマットで覆う必要はありますか?

滑りやすい廊下・ソファ前・食事場所など、犬がよく通る場所だけからでもOK。

様子を見ながら追加しましょう。

Q2:滑り止めワックスって床に悪影響ありませんか?

ペット用・床材対応の商品なら安心です。

必ず「使用可能床材」を確認してください。

Q3:無垢フローリングでも犬に優しいですか?

柔らかさはメリットですが、キズには要注意。

保護剤との併用がおすすめです。

Q4:リフォーム代は高い?どれくらいかかる?

床材や範囲によりますが、10万円台から可能なケースも。

部分リフォームという選択肢も。

まとめ:足元から始める、愛犬との快適な暮らし

犬が滑ってケガをするリスクは、ちょっとした工夫で大きく軽減できます
すぐに始められる「敷くだけ」「塗るだけ」の対策から、将来を見据えた床材の検討まで。

愛犬の健康を守り、長く幸せに暮らすための第一歩を、ぜひ踏み出してみてください。

 この記事の監修者

吉田萌 (NPO法人ドッグトレーナー2級)

国際動物専門学校 しつけ・トレーニング学科卒。
噛み・吠え癖の酷い元保護犬のビーグルを里親に迎えた事をきっかけに『褒めてしつける』を念頭に活動。 自身の経験を活かし、しつけイベントにて飼い主に寄り添ったトレーニング方法を指導。 ナチュラルペットフード・栄養学の知識にも精通。保有資格はNPO法人ドッグトレーナー2級の他に、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級など。

資格
NPO法人ドッグトレーナー2級、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級

 この記事の監修者

松岡 美奈子 (風水ライフデザインスクール代表・2級建築士)

2級建築士として多数の住宅設計に携わる中で、東洋思想と住環境の関係性に着目。風水ライフデザインスクール代表として氣質診断の普及に努める。

人間の氣質診断をペットに応用した「ペット氣質診断士講座」を国内初開講。生年月日から導き出すペットの性格特性により、飼い主の心のケアとペットとの関係性向上を目指す。

保護犬・保護猫活動支援にも積極的に取り組み、社会貢献活動を継続中。現在は保護犬やウーパールーパー、リクガメなどと暮らしている。

犬と私
幼い頃から犬と共に過ごし、NO DOG NO LIFEという感じです。現在は4代目となる保護犬と暮らしています。引き取った日は家の暗い狭いところで震えていたのに、翌日はへそ天。そんなわんこの今を楽しむ生き方から日々、学んでいます。

HP/SNS
HP  base 

資格
2級建築士

 この記事の監修者

三河 聡志 (みかわ整形外科クリニック院長)

2023年5月にみかわ整形外科クリニックを開院。「楽しく元気に」を合い言葉に職員一丸となり、治療に取り組んでいる。

診療の中心は整形外科であり、関節の痛み、打撲や骨折等の怪我、交通事故、労災などに対応しており、患者層は乳幼児から100歳を超える高齢者まで幅広い。

加えて、医療脱毛、光治療やドクターズコスメといった美容医療も提供しており、身近で楽しく何でも相談できるクリニック。

経歴
2009年 近畿大学医学部 卒業
2009年 医療法人宝生会 PL病院初期研修医
2011年 医療法人宝生会 PL病院医員 近畿大学大学医学部堺病院
2016年 医療法人昌円会 高村病院
2023年 みかわ整形外科クリニック開院

犬と私
私は子どもの頃から犬を飼っており、とても身近な存在でした。現在は自宅環境の都合で飼っていませんが、またいつか犬と共に生活できることを楽しみにしています。

HP/SNS
HP 

資格

  • 日本整形外科学会専門医
  • 日本整形外科学会認定リウマチ医
  • 日本整形外科学会認定スポーツ医
  • 麻酔科標榜医

この記事を書いた人

あーりー

大阪生まれ。小学生のころからメンタルヘルスに興味を持ち、真っ直ぐその世界へ。心・食・体はつながっている!をモットーに、美味しい物と運動で日々セルフケアに励んでいます。

昔から「なんか犬っぽいよね」と言われることが多いです。「人懐っこい」「素直」「楽しいときはすぐわかる」とか。たしかに、誰かといるとテンションが上がるし、ごはんの時間はすごく楽しみ。見ているだけで「まあ、いろいろあるけど、楽しく生きていこう」と思わせてくれる存在って最高のヘルスサポーターだなと憧れます。

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