
「血統書って持ってはいるけど、実際には何が書かれているの?何の役に立つの?」と思っている人も多いのではないでしょうか?
そして「うちの子、血統書がないけど大丈夫?」と思っている方もいるかもしれません。
この記事では、犬の血統書について解説をしていきます。血統書の意味や役割を知ることで、愛犬へのより深い理解と信頼関係を築くヒントが見えてくるはずです。
この記事を書いた人
そもそも血統書とは?
血統書の正式名称は、「血統証明書」といいます。
血統書は、犬の親が同一犬種であり、その犬が純血種であることを証明するものです。
血統書には、犬種や登録番号、親犬の情報なども記載されており、その犬のルーツがわかるので繁殖計画にも役立ちます。また犬種による特性や体質もわかるので、将来的な健康リスクを見極めるための大切な手がかりにもなるでしょう。
血統書は、純血種かつ犬種標準を満たした犬の所有者が、複数ある民間団体へ申請することで発行される認定証明書です。
日本では、以下の団体が主に血統書を発行しています。なかでも発行されている90%以上の血統書は一般社団法人 ジャパンケネルクラブ(JKC)から発行されており、この血統書は国際的にも通用します。
・一般社団法人 ジャパンケネルクラブ(JKC)
・NPO法人 日本社会福祉愛犬協会(KC)
・日本警察犬協会
犬種標準とは、特定の犬種において望ましい特性や外見を定めた基準
例 特性:犬種ごとの特有の性格や行動パターン
外見:体のサイズや毛色、耳や尾の形
血統書の主な記載内容
では血統書には実際どんな情報が記載されているのでしょうか?
一番多く発行されているJKCの血統書の記載内容を記載順に見ていきましょう。

犬名
繁殖者が犬に付けた名前と、人間でいう姓にあたる犬舎名(繁殖者が所有する屋号)が一緒に記載されます。
もちろんここに飼い主が付けた呼び名(コールネーム)※を記載することも可能です。
(※⑨も参照)
犬の基本情報
犬種名、登録番号、性別、生年月日、毛色などの基本情報とDNA登録番号、マイクロチップまたはタトゥーによるID番号。
そして遺伝性疾患を減少させるために、股関節評価、肘関節評価の情報が任意で記載されています。
繁殖者、所有者、譲渡年月日
登録上の所有者の名前の記載など。
父犬・母犬の血統図
父犬と母犬、その祖父母犬、そして曽祖父母犬という3世代前までの先祖の情報が記載されており、遺伝的特性や傾向、健康リスクを確認することができます。
また繁殖計画をする際には、近親交配を避けるための情報になります。
登緑日、出産頭数、登録頭数、一胎子登録番号
犬が登録された日付と、一緒に生まれた兄弟の数として出産頭数。そして犬は出産時に命を落とすことも少なくないため、実際に生きている兄弟の数が登録頭数として記載されます。
一胎子登録番号とは、兄弟犬の番号が記載されるので、その犬が何番目に生まれたかもここでわかります。こちらも繁殖計画をする際に近親交配を避けるための情報になりますね。
チャンピオン賞歴
ドッグショーや競技会で獲得した賞歴。その大会名と取得日がここに記載されます。
DATE ISSUED
血統書の発行日です。
所有者名義変更届
所有者の変更時はこの申請欄から申請します。
コールネーム(呼び名)登録 申請欄
①の犬名とは別にコールネームの登録を希望する場合は、この申請欄から、ひらがな、カタカナ、漢字、英数アルファベットで、10文字以内のコールネームを申請することができます。
4代祖血統証明書発行申込書
JKCの血統書では前述にあったように、3世代前まで遡って記載されてますが、これを申請することで4世代前まで遡って知ることができます。
このように血統書は、まさにその犬が純血種であることを公式に証明する犬の戸籍、そして犬の親子関係や兄弟関係を記録した、犬の家系図のようでもありますね。
血統書の必要性について

ではこの血統書は、実際にどんなことに役立つのでしょうか?
まずここまで読んでくださった方はすでにお分かりのように、血統書は犬の優劣を示すものではなく、あくまでも血統書はその犬が純血種であるか否かの証明、そして犬種による健康の傾向や特性を把握するための情報源です。
血統書を引き出しの奥にしまい込んでいる方は、いま一度内容を見直してみましょう。
そしてもし血統書がなくても、普通に飼って暮らすのには特にデメリットはないので、安心してくださいね。
血統書が必要な場合
ただ、下記の様な場合には血統書が必要になってきます。
特定の犬種の犬を希望する場合
特定の犬種を繁殖をさせたい繁殖にかかわる方や、特定の犬種を希望している飼い主にとって血統書は必要なものになってくるでしょう。特に繁殖させたい場合は、近親交配のリスクや遺伝性の病気を避けることができます。
ドッグショーや競技会に参加したい場合
ドッグショーや競技会などに参加するときには、多くの場合血統書が必要になります。もちろん血統書の有無や犬種を問わない場合もあり得るので、これらの参加に興味がある人は血統書が必要がどうかをチェックしてみてください。
血統書が役立つかもしれない場合
血統書の情報を利用して、その犬の親戚犬や兄弟犬を探せるサービスもあるようです。愛犬の兄弟犬はそっくりなのか気になりますね。興味がある人はぜひ調べてみてください!
血統書に関するポイントQ&A
ここからは、血統書に関するQ&Aを説明します。
血統書はどこで手に入れるの?
一般的には繁殖者が申請をし、愛犬をお迎えする際に繁殖者またはペットショップから提供されることが多いようです。しかし血統書は、登録団体にてさまざまな手続きを通して発行されるので時間がかかる場合もあり、購入時と同時ではない場合もあります。あらかじめ販売元と確認しておくと良いでしょう。
血統書の名義変更はできる?そもそも必要?
飼い主が決まっていない段階では、繁殖者名が所有者欄に記載されています。
ドッグショーや競技会に参加しない限り、所有者の名前が繁殖者の名前であってもまったく問題はありません。法律で義務付けられている畜犬登録をしていれば、愛犬はあなたのものです!
それでも所有者の名前、すなわち名義変更を変更したい場合、JKCの場合は、まず個人でJKCに入会し、第一章の血統書の記載内容 ⑧所有者名義変更届より申請する流れです。
繁殖者やペットショップによっては、名義変更を代行してくれるようなので、確認してみましょう。
血統書のないミックス犬はどうしたらいい?
残念ながら血統書は、純血種が証明できる犬だけが発行されるので、ミックス犬は対象外です。ドッグショーや競技会に出たいのであれば、犬種を問わず、血統書の必要がないものを探すとよいでしょう。
純血種ではないけれど愛犬のルーツが気になる場合は、犬のDNA鑑定サービスも近年は発達しているので、そのサービスを利用してどの犬種に近いかを知ることもできるようです。
またDNA鑑定では、遺伝疾患のリスクなど健康情報を得ることができます。これは血統書でも得られない情報なので、うれしいですね。興味がある人は、もちろん愛犬の健康診断を定期的に行ったうえでこういった情報を上手に活用していきましょう。
まとめ

もうお分かりのように、犬の血統書はあくまでもその犬が純血種であることを証明する書類にしかすぎません。
血統書を通して、繁殖やドッグショーへの参加を計画したり、愛犬のルーツや特性を知ったりなど、愛着を深めるのも良いでしょう。
しかし血統書の有無に関わらず、かけがえのない愛犬と築く絆が最も大切な宝物であることに変わりはありませんね。あなたの愛犬の特性や個性を大事にしながら、より愛着を深めていきましょう!
この記事の監修者

鮎川 多絵 (愛玩動物飼養管理士2級・ライター)
東京都出身。1986年10月生まれ。趣味は映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ。
家族は保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)。
犬と私
子供の時からイヌ科動物が大好きでした。戸川幸夫氏の「牙王」で狼犬に憧れ、シートン動物記で「オオカミ王ロボ」に胸を打たれました。特に大きな犬のゆったりとした雄姿には目を奪われます。保護犬と保護猫の飼育経験から、動物関連の社会問題、災害時のペット同伴避難について意識を向けています。







