
愛犬が体をかゆがっている、毛が抜けてしまっている…なんてことがあったら、それはノミが原因かもしれません。
ノミは一年中繁殖してしまうもの。普段からの予防がとても大切なのです。
またノミを放っておくと重大な感染症の原因になることも。
ノミがついてしまった時の症状や対処法、予防法を紹介していきます。
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犬に寄生するノミとは?
もしかしてノミの症状?と思っても、実際に見たことがなければノミである確信はなかなか持てないかもしれません。
犬につくノミはどんな特徴を持っているのでしょうか?どちらも血を吸うけれど、ダニとは違うの?
ここではそんなノミの基本知識をご紹介します。
ノミの生態や特徴

ノミの体長は1~3ミリほどで、犬や猫などの動物だけでなく人も吸血する害虫です。日本国内に生息するノミは約80種類いるといわれていますが、近年被害を及ぼしているのはほとんどがネコノミです。活動的な性質があり、体長の200倍跳ねる跳躍力があります。
気温13度を超える環境で活動し、暖かい季節や湿度の高い場所を好みます。真冬(1~3月頃)を除いて1年中発生しますが、特に7~9月にかけて活動が活発になります。
※ネコノミという名前から、「猫につくノミ?」と思ってしまいますが、犬やタヌキをはじめとしたその他の動物や、人間にも寄生し吸血します。
ダニとの違い
犬に寄生して吸血するという特徴を持つ虫には、ノミの他にダニもいます。
ダニはサソリやクモの一種であり、ペットに寄生する恐れがあるのはマダニやツメダニなどです。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| マダニ | 基本的に河川敷や草むら、庭などの屋外に生息。他のダニに比べて体長が大きく2ミリメートルほどだが、吸血すると大きく膨らみ10倍以上の大きさになることがある。主に昼間に活動する。 |
| ツメダニ | 屋内に生息し、カーペットや畳の下に潜む。色は白く、ペットに寄生するとフケに見間違えることから「歩くフケ」とも呼ばれる。主に夜間に活動する。 |
ノミとダニは移動方法で見分けることができます。ノミは跳ねながら移動し、ダニは這いながら移動します。また、ノミに刺されるとかゆみが1か月ほど続く場合もあるのに対し、ダニは数日~1週間ほどでおさまります。かゆみを感じていなくても貧血や皮膚炎などの原因になるため、ダニを見つけたら放置せず動物病院に連れて行くなど適切な対処をしてあげてください。
ダニは口吻(こうふん)という器官で皮膚にがっちりとくらいつき吸血するため、無理に引っ張って取ろうとするのはやめましょう。無理に取ると口吻が犬の体内に残り皮膚炎の原因になることがあります。見つけた場合は駆除剤を使用し自然に落ちるのを待つか、動物病院で適切な処置をしてもらいましょう。
犬にノミがつくとどうなる?
体長の小さいノミは、ついていてもなかなか見つけられずに発見が遅れてしまいがち。
ノミを放置すると、より大きな病気の原因となってしまうこともありますので、できるだけ早く発見できるのが良いです。
では、実際に犬にノミがついてしまうとどんな異変が出るのでしょうか?
ノミの見つけ方
ノミは活動的で、ピョンピョンとよく飛び跳ねる特徴を持っています。
またノミは小さく、光を嫌って毛の中に隠れてしまう習性があり、なかなか見つけられないことも多いです。
「もしかしてノミがついている?」と思ったら、犬の毛をかき分けた時に黒いつぶつぶの砂のようなものがないか探してみるのも良いでしょう。ブラッシングの際にそうした黒い粒を見つけたら、濡らしたティッシュの上に置いてみてください。赤くにじむ様子が見られたらノミの糞ですので、ノミが寄生している証拠です。
ノミがついた時に出る症状
ノミが好む場所は犬の背中や脇の下、下腹、内股などで、以下のような行動や症状が見られます。
- 地面に体をこすりつけている
- 前歯で体を噛んでいる
- 肌が赤くなっている
- 脱毛している箇所がある
- 毛に黒いフケのようなもの(ノミの糞)がある
- ジュクジュクとした皮膚の炎症が見られる

かゆみからイライラや不安感が増し、攻撃的になったり触られるのを嫌がったりするようになることがあります。
また、多数のノミに吸血されると貧血になったり、ノミの唾液成分によりアレルギーを起こし、全身に皮膚炎の症状が出たりすることもあります。上記のような症状が見られたら速やかに動物病院にかかるようにしましょう。
ノミが原因でかかる病気
ノミに寄生、吸血されるとかゆみや脱毛などの症状が見られるだけでなく、より重大な病気を引き起こす可能性もあります。
①ノミアレルギー性皮膚炎
ノミが吸血する際にノミの唾液が犬の体内に入り、その成分に対してアレルギー反応を起こすことがあります。これをノミアレルギー皮膚炎といいます。
激しいかゆみや赤い発疹が見られ、かゆみから自らを噛んだり引っ搔いたりして脱毛や皮膚炎を起こす場合もあります。特に尻尾のすぐ上や腰、腹部に現れやすいです。食物アレルギーやアトピー皮膚炎でも似たようなかゆみの症状が出ることがあるため、動物病院で見てもらうなどして判断するのが良いでしょう。
➁瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)
瓜実条虫が寄生したノミを犬が飲み込んでしまい、腸内寄生虫に感染することがあります。
瓜実条虫は節の一つひとつが瓜の実のような形をしており、お腹の中で50~60ミリメートルにまで成長します。「さなだ虫」とも呼ばれる虫で、下痢や軟便などの消化器症状や、食欲不振や栄養不良に陥ることがあります。
人に感染する危険性があり、特に幼児が感染すると下痢や腹痛を引き起こします。
③貧血
ノミが大量に吸血すると血が失われ、貧血を起こすことがあります。
犬の貧血も人と同じく、元気がなくなったりフラフラしたりするといった症状が現れます。
貧血の原因はノミだけとは限らず他の病気でも起こり得るため、即断するのは注意が必要です。
ノミがついてしまった時の対処法

愛犬の体にノミを見つけてしまった時はどうしたら良いのでしょう?
対処法をご紹介しますが、判断に迷うような場合は迷わず動物病院にかかるようにしましょう。
つぶすのはNG
犬にノミがついているのを見つけても、手でつぶしてしまうのはやめましょう。雌のノミは体内に卵を抱えていることがあり、つぶすことでその卵が散らばってしまう危険性があります。
また、瓜実条虫は人に感染することもあります。瓜実条虫が飼い主の手につき、誤って飲み込んでしまうことで感染してしまいます。ノミをつぶすことは適切な駆除方法ではありませんので注意してください。
正しい駆除の方法
ノミがついてしまった時は、目の細かいノミ取り用のクシで丁寧にブラッシングをしてあげます。
ブラッシングの後にはシャンプーでよく洗い流しましょう。
あまりノミが増えてしまうとブラッシングや市販のノミ駆除薬だけでは駆除しきれないこともあります。動物病院にかかり、処方箋の必要な駆除薬や予防薬を処方してもらうことをおすすめします。
ノミの予防法
ここまでノミがついてしまった時の対処法をご紹介してきましたが、ノミがつかないに越したことはありませんよね。普段から心がけることで愛犬にノミがついてしまう可能性はグッと減らすことができます。
①定期的に予防薬を投与する
ノミの予防には定期的な予防薬の投与が効果的です。
冬でも感染の可能性があるため、一年を通して予防薬を使用するのがおすすめです。予防薬はホームセンターなどの量販店でも購入できますが、医薬部外品になり効果が薄かったり副作用が現れたりする可能性もあります。できるだけ動物病院で購入するようにしましょう。混合ワクチン注射やフィラリアの薬を処方してもらう際、一緒に処方してもらうのも良いです。
➁こまめにブラッシングやシャンプーをする
ブラッシングやシャンプーなどのお手入れは直接ノミを防ぐわけではありませんが、皮膚の状態を確認しノミの早期発見につながります。週に数回のブラッシングや月に1~2回のシャンプーで皮膚を清潔に保ち、脱毛やノミの糞がないかよく見てあげましょう。
③環境を清潔に保つ
ノミが生息しづらい環境を作るため、フケやほこり、食べ物のカスなどノミの幼虫のエサとなるものが溜まってしまわないよう掃除機をかけたり、風通しを良くしたりすることが大切です。
また、犬用のベッドや毛布、タオルなどの布製品はノミの温床となりやすいです。定期的な洗濯やスチームアイロンでノミやノミの卵を死滅させることができます。
④散歩コースを見直す
草むらにはノミがいる可能性が高く、特にノミが活発になる暖かい季節には散歩コースを見直し、こういった場所を避けることもノミ予防には有効です。
また、タヌキやキツネなどの野生動物はノミを持っていることがあります。散歩中に野生動物と接触する可能性のある場所を通る場合には注意しましょう。
5.まとめ
ノミの特徴や、体についてしまった時の症状と対処法、予防法までをご紹介しました。
普段からブラッシングやシャンプーなどのお手入れをこまめに行い、かゆみや脱毛、ノミの糞がついているなど異変がないかをよく気にかけてあげてください。
定期的に予防薬を投与したり、住環境を清潔に保ってあげたりするだけでもノミの害を遠ざけることができますよ。少しでも不安があれば、かかりつけの獣医師に相談すると良いでしょう。

この記事の監修者

鮎川 多絵 (愛玩動物飼養管理士2級・ライター)
東京都出身。1986年10月生まれ。趣味は映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ。
家族は保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)。
犬と私
子供の時からイヌ科動物が大好きでした。戸川幸夫氏の「牙王」で狼犬に憧れ、シートン動物記で「オオカミ王ロボ」に胸を打たれました。特に大きな犬のゆったりとした雄姿には目を奪われます。保護犬と保護猫の飼育経験から、動物関連の社会問題、災害時のペット同伴避難について意識を向けています。







