
「大型犬のシャンプーって、かなり大変そう。」「いや、無理……プロに任せるやつね。」
いえいえ、実は飼い主さんでもできるんです!
今回は、BIG DOG LUCKの運営会社、「株式会社どえらザウルス」代表のどえら井和寿(どえらいかずとし)・ぽろりご夫妻に同行し、ご夫婦の飼い犬、ぼんじょび君のシャンプー現場をリアルに取材しました。
セルフシャンプーを少しでも楽にするコツや、頼れるホームセンター情報もまとめたので、あなたもセルフシャンプーに挑戦するキッカケが見つかるはずです。
この記事を書いた人

どえら井ご夫妻、よろしくお願いいたします~!

はーい、こんにちは!

まずは我が家の愛犬をご紹介しますね。
- 名前:ぼんじょび
- 犬種: グレートピレニーズ
- 年齢・性別: 3歳♂
- 体重: 40kg
- シャンプーの頻度: だいたい3週間に1回
- 性格: 遊ぶのが大好きだけど、普段はおとなしくて甘えん坊。シャンプーはちょっと苦手。
そんなぼんじょびと暮らす、どえら井夫婦です。

30代半ばの私たちと10カ月の息子、そして大型犬ぼんじょびの4人(?)家族です。
「ログハウスで大型犬と暮らす」という夢を叶えました!


🐶 みなさんこんにちは!僕ぼんじょびっす。
ちょっと照れるけど、僕のお風呂事情をみんなに教えちゃうっすね。
自宅シャンプーの限界 大型犬のセルフシャンプーは?
グレートピレニーズは、成犬で45~60kgまで成長する、「超大型犬」に分類される犬種。
ぼんじょび君は40kgなので、少々小柄ではあるのですが、実際会ってみると・・・

お、大きい!
生後3カ月でどえら井家に迎え入れられた時は約7kgでしたが、その後半年で現在の体格に成長したそうです。

はい、ドーン!!
圧倒されるサイズ感です(笑)

今日もお買い物っすかね~!わくわくっす~!!
どえら井ご夫妻は、当初「セルフシャンプー施設」の存在を知らず、自宅の浴槽でシャンプーをしていましたが、以下の問題が生じてきたそうです。
クーラーのない空間での作業は、洗うのも乾かすのもとにかく大変で、ぼんじょび君にもかなりの負担になっていました。
シャワーをかけるだけでは地肌まで水分が届かず、しっかり濡らすには浴槽に浸かる必要がありました。
しかし、浴槽の高さと40kgという体重がネックで、出し入れが非常に困難だったそうです。
外側の硬い毛と内側の柔らかい毛の二重構造になった被毛のこと。
季節の変わり目に毛がごっそり抜けるのが特徴です。
さらに、水ハネや舞い散る毛の量がすさまじく、毎回の後片づけも一苦労でした。

自宅でのシャンプー・ドライは、体が大きい・毛量が多い・乾かすのが大変……と、想像以上にハードなのが現実でした。しかもきちんと汚れが落とせていないからか、肌荒れが気になり始めました。

プロに頼もうかとも思いましたが、1回のシャンプーで大体2万円~3万円くらいの費用がかかってしまう。そんな時、奥さんが大型犬コミュニティーの仲間から、「セルフシャンプー施設」の情報を聞いてきたんです。
グレートピレニーズの体験:セルフシャンプー施設でのフルコース
では、実際にシャンプー体験です!
今回は40分のシャンプーコース。浴槽40分・ドライは時間制限無しで利用可能です。
シャンプー・リンス・ドライヤーも貸してくださいます。

自宅でのブラッシングから準備は始まっています。
ブラッシングだけでこれだけの毛が取れていました!(うわあ、モコモコ!何か再利用できないかな・・・🤔)

ぼんじょび君もどえら井氏も注目の的!
「大きいですね😲」「かわいい~!」「カートに乗せられるのがすごい!」等々、ほとんどの人が声をかけてくれる!皆さんとのコミュニケーションも楽しい😊

シャンプー施設はこんな感じ。予約制で、他のお客様と一緒に利用します。
右側浴槽2カ所、左側は大型ドライヤーが完備されたドライスペース3カ所。

こういった感じで浴槽の片面がパカッと開くんです。
ぼんじょび君が中に入ったら、係の人が側面をネジでしっかり留めてくれます。
Round 1: 汚れバイバイ! 〜バブルバスで予洗い(14分)
まずは浴槽にたっぷりとお湯を張り、全身の被毛と皮膚にしっかりと水分を行きわたらせます。
こちらの施設の浴槽はバブルバス機能も備わっており、泡が毛穴の汚れまで浮かび上がらせてくれます。シャンプーも同時に行えるのはとても効率的!


🐶 ええ~💦ご主人、今日はお買い物じゃないっすかー??


🐶 お水が溜まっていくう……自分、お水苦手なんすよ……。

バブルバスに浸かりながら、手で毛をかき分けて水を皮膚までしっかり届けます。
すると水がみるみる濁ってきました!
Round 2: 毛の中までしっかりWash!(11分)
汚れを浮かせたあとは、いよいよ本格的なシャンプータイム。
旦那様が、シャンプーを溶かしたお湯を桶に入れ、全身にまんべんなくかけていきます。
やはり一度浴槽で大まかな汚れは落としているだけに、水も浸透し洗いやすくなっています。ここでは手で毛をかき分けながら、皮膚にしっかり指先が届くようにWash!
グレートピレニーズのようなダブルコートの大型犬は、内側の毛や皮膚には汚れが残りがち。
ここで手を抜くと、ニオイの原因や肌トラブルにつながることもあるため、しっかりと洗浄します。
泡立ちが弱くなってきたら、再度シャンプーを足してしっかりもみ洗い。

ぼんじょび君は、時々ブルブル!!!と大きくシェイクするので、筆者のTシャツもびしょ濡れ。

なるほど、だからどえら井ご夫妻はナイロンのブルゾンを着ていたのですね(笑)さすがです!
Round 3: 仕上げ洗い&流し(8分)
ラストは、全体の泡や汚れをしっかり落とす仕上げ洗い。
その後は、毛の奥に残ったシャンプーを丁寧に洗い流します。

顔周りもしっかり洗いたいところですが、眼・鼻・耳の中に水が入らないように注意して洗います。(耳の穴の中は、ドライの時に乾いたタオルで拭きます)
Round 4: リンスタイム(7分)
シャンプーのあとは保湿と仕上げのカギとなるリンス。
たっぷりのリンスを毛全体に行き渡らせ、特に乾燥しやすい背中やおしり周りは重点的になじませます。
なじませたら、ぬめりが残らないようしっかりすすぐことも大事です。
これで洗浄~リンスまでの工程が終了。ここからはドライヤーでのドライステージへ突入!
Round 5: タオル+ドライヤー&ブラッシングでフワモコ復活(80分)
リンスを流し終えたら、タオルでしっかり水気をオフします。
毛の中に含んでいる水分量もかなり多いので、いちいちタオルを交換しているときりがありません。
そこで、吸水後絞ることができる「吸水タオル」がおすすめです。
タオルドライは旦那様が担当し、何度も絞って使用されていました。
続いてドライヤー。ここが体力勝負の最終ステージ。
ダブルコートの犬種は特に、毛の奥までしっかり乾かすことが重要です。
ぼんじょび君はおっとりした性格なので、最初のうちはおとなしく身を任せてくれていましたが、80分近くかかるとなれば話は別。
終盤になると、少し狭い台の上で前足を動かしながら、ソワソワ。

もう少し我慢してね!🙏


ほら、見てください、ここ赤くなってるでしょう?
乾かしながら皮膚をチェックしていたぽろりさんが、赤みのある箇所をそっと指差します。
左側の皮膚はやや赤くなっており、乾燥や炎症の兆候が。
対して右側は地肌もきれいで健康的。

ドライヤーをかけながら、こうして皮膚の状態もしっかり見るんです。
ここでは落ち着いて作業できるから、皮膚トラブルにも気を付けて乾かせるので、とても良いんです。



しかし・・・とにかく毛が舞う!!喉がイガイガ。そしてなんと、歯にぼんじょび君の毛が挟まっていました(笑)鼻からは相当吸っているはずです。


ふわふわになったっす~
およそ80分かけて乾かすと・・・
はい、真っ白のフワモコぬいぐるみ、一丁上がり!
・かかった時間は、たっぷり2時間
洗う作業/すすぎ:約40分 ドライ:約80分
・かかった費用は、合計2,200円
施設利用料:2,000円(浴槽利用40分まで。ドライは時間無制限)
・シャンプー・リンス利用代(ぼんじょび君の肌に合う、ティーツリーシャンプー⦅A.P.D.C.⦆)200円他、必要ならブラシやバスタオル、ハンドドライヤーも有料でレンタルできます。

ご夫妻の実体験から学ぶ シャンプーのポイントとアイテム活用術
費用もそこまでかからず、自宅での苦労をぐっと減らせるようになったどえら井ご夫妻。
実際にやって感じた、「これは大事!」というポイントを紹介します。
ポイント① 洗うだけじゃない共同作業 ~楽しいイベントと思って挑む~

2人以上での「役割分担」は必要ですね。1人だったらなかなか厳しいですし(笑)
我が家では3週間に1度、赤ちゃんを預けてこちらを利用していますが、「やらなきゃ」と思うよりも、楽しむ気持ちで取り組むことが、ポイントだと思います!
ぼんじょびも、私たちがやりやすいようにじっとしてくれているんで、3人での共同作業なんです。
- 背中・お尻担当と、頭や胸部分担当
- ゴシゴシ担当と、シャンプー液馴染ませ担当
- タオルドライ担当と、強力ドライヤー担当
息の合ったお2人は、自然に分担なさっていました。
ぼんじょび君は「じっとしている担当」です🐶
ポイント② 使いやすいアイテムを準備

実は、施設に設置されているドライ用の台は、腰が痛くならず、高さも調節できるし、とっても便利なんですよ。
その他、バブルバスやドライヤー、シャンプーなど、施設に準備されているものをフル活用しています。
さらに持ち込み用として、以下のものがあると非常に便利なのでおすすめします!
【写真1】強力ドライヤー2~3万円くらいしましたが、風量はとても満足できるもので時短には必須アイテムです!
【写真2・一番右】コームブラッシングの仕上げや細かいもつれのチェック・除去ができます
【写真2・真ん中】犬用ピンブラシ普段から使用。毛のもつれや毛玉を防ぎながら、優しく整えられます
【写真2・一番左】ファーミネーターアンダーコートの不要な毛を取り除くために開発された専用ブラシ
【写真3】超吸水ペット用タオル (アイリスオーヤマ)何枚もタオルを使う必要がなく、吸水して絞って再利用できる、こちらも必須アイテム!
【1】

【2】

【3】


大型犬のセルフシャンプー施設はここ! ホームセンター3選
ここでは、全国に店舗を展開している、セルフシャンプー設備有の3社をご紹介します。
■コーナン
・全国約600店舗中、約30店舗で利用可能
・店舗によってはペット専用の広いスペースも完備
■カインズ
・全国約250店舗中、約50店舗で利用可能
・一部店舗では、シャンプー・ドライヤーのほかにトリミングルームも併設
■ジョイフル本田
・全国約17店舗中、約14店舗で利用可能
・関東地方を中心に展開している大型ホームセンター
・各店舗でサービスの提供状況や利用方法が異なるため、訪問前に店舗に確認をしましょう。特に週末や祝日は混雑する可能性があるため、早めの予約をおすすめします。
まとめ:大型犬シャンプーって快適! 使って分かったメリット
- 大型犬の出入りができるよう、浴槽の一部が取り外し可能になっている浴槽があるので、愛犬の出し入れが簡単だった
- 大型犬でも楽々使える洗い場がある
- 洗い場も快適!空調の調節が可能(それでも500mlの水筒を持参し、水分補給しつつ挑みました!)
- 排水や水ハネ、愛犬のシェイクを気にせず、思い切り洗える
- 高さがあるドライ用の台が何より便利!さらに、業務用のドライヤーが使える
- 必要な道具が(費用がかかるものも含め)一式そろっている
大型犬のシャンプーは、体力も時間も必要です。洗い方や乾かし方にもコツがあり、決して「楽」とは言えません。
でも、飼い主さん自身の手できちんとケアできる——。
そんなリアルな一例を、今回はどえら井ご夫妻とぼんじょび君のご協力のもと、お届けしました。
「大きい犬を飼うのは無理かな……」なんて思っていた方も、「ホームセンターでシャンプーできるなら、うちでも迎えられるかも」と感じてもらえたらうれしいですし、すでに一緒に暮らしている方にとっても、「こんなやり方があったのか!」と、新しいヒントになれば幸いです。
愛犬とのシャンプータイムが、もっと笑顔あふれるひとときになりますように!


🐶 みんな、読んでくれてありがとうっす~!
この記事の監修者

鮎川 多絵 (愛玩動物飼養管理士2級・ライター)
東京都出身。1986年10月生まれ。趣味は映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ。
家族は保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)。
犬と私
子供の時からイヌ科動物が大好きでした。戸川幸夫氏の「牙王」で狼犬に憧れ、シートン動物記で「オオカミ王ロボ」に胸を打たれました。特に大きな犬のゆったりとした雄姿には目を奪われます。保護犬と保護猫の飼育経験から、動物関連の社会問題、災害時のペット同伴避難について意識を向けています。