
トイレは、人間も動物も、「安心して行いたい」「生理現象で迷惑をかけることが辛い」と思う、とてもデリケートで、配慮が必要な行動です。
だからこそ、排せつをどこで・どのようにするかは、生きる尊厳に関わる大切なことでもあるのです。

私も悩みました。
13歳のワンコを引き取って暮らし始めたとき、彼はすでに「外でしかトイレができない犬」でした。
何度もトイレトレーニングを挑戦しましたがうまくいかず、台風の日も散歩に行く日々。やがて粗相が増え、最終的にはオムツに頼ることになりました。
元気なうちは、外のトイレでも困ることは少ないかもしれませんが、老後や病気になったときのことを考えると、室内で排せつできることは安心につながります。
トイレトレーニングが思うようにいかず、「うちの子はもう無理かも」と落ち込んでしまうこともきっとあるでしょう。
それでも大丈夫。
トイレの失敗には必ず理由があり、「失敗=ダメな子」ではありません。
この記事では、トイレトレーニングがうまくいかない理由を一緒に見直しながら、「今からでもやり直せる」ための具体的なヒントをお伝えしていきます。
この記事を書いた人
犬のトイレトレーニング失敗の原因を徹底分析
「なんでうまくいかないんだろう…」
繰り返しても思うようにいかないと、つい落ち込んでしまいますが、ちょっと立ち止まって、失敗の原因を一緒に見つけてみましょう。
きっと「うまくいくヒント」が見えてくるはずです。
トイレの「環境」が合っていないかも?
・落ち着ける場所にある?
人通りが多い・騒がしい・暗すぎる…そんな環境では、犬も安心して排せつできません。
寝床から近すぎたり遠すぎたりするのも要注意。
・サイズは合ってる?
成長して体が大きくなっていませんか?小さすぎるトレーやシートだと、使いにくいと感じているかもしれません。
・清潔に保てている?
犬はきれい好きな動物です。汚れたままだと、トイレを避けてしまうこともあります。
生活リズムやタイミングのズレはない?
・排せつのタイミングを見逃していない?
食後や起床後、遊んだ後などは排せつしやすいタイミングです。そっと見守りつつ、トイレへの優しい誘導や異変の観察も忘れずに。
うまくできたら褒めてあげるなど、静かに寄り添いながら必要なサポートをしてあげましょう。
・お留守番やお出かけでリズムが崩れていない?
環境や生活リズムの変化で、トイレのタイミングがずれることもあります。
ストレスや体調不良が影響している?
・新しい家族や引っ越し、騒音などのストレス
家族構成の変化や引越し、大きな音など、ちょっとした環境の変化がトイレの失敗につながることもあります。
・体調不良や加齢によるコントロール力の低下
病気や老化でトイレを我慢できなくなる場合もあります。繰り返す場合、若い子なら膀胱炎かストレス要因によるもの、シニアなら加齢・腎臓・認知機能の低下も考えられます。念のため動物病院で相談すると良いでしょう。
飼い主さんの「声かけ」や対応も見直そう
・失敗時に叱ってしまっていない?
犬がトイレを失敗したときに強く叱ると、「排せつすること自体が悪い」と勘違いし、我慢をしてしまったり、隠れて排せつしたりする行動につながります。
・成功したときにすぐ褒めている?
タイミングよく褒めることで、「ここでしていいんだ!」と愛犬も学びやすくなります。

犬のトイレトレーニングやり直し:失敗しない環境とは?
トイレトレーニングのやり直しは、環境の見直しとシンプルなステップが大事です。
積み重ねていくことで、犬も自然と「ここですればいいんだ!」と覚えてくれます。
この章では、「うまくいくための環境」と「やり直しの具体的な手順」をまとめて解説していきます。
まずは環境リセット:安心して排せつできる空間づくり
トイレトレーニング成功のカギとなる「環境づくり」のポイントを一覧表で確認してみましょう。
| 対策方法 | 内容 |
|---|---|
| 静かで落ち着ける場所にトイレを設置 | 人通りが少なく、犬がリラックスできるスペースを選びましょう。 |
| 寝床とトイレを少し離す | 犬は寝床を清潔に保ちたい習性があるため、寝床のすぐ隣や中ではない場所に設置します。 |
| 体に合ったサイズのトイレトレーやシートを用意 | 小さすぎると失敗しやすくなるため、犬の成長に合わせて見直しを。 |
| 清潔な状態を保つ | 汚れたシートはすぐに交換。衛生面だけでなく、心理的にも使いやすくなります。 |
| 慣れるまでは、排せつ物の臭いを少し残す | 犬は嗅覚で場所を覚えるため、オシッコの臭いを少しだけ残し、「ここがトイレ」と認識しやすくします。 |
| 粗相した場所はしっかり消臭 | 臭いが残ると、そこが「次のトイレ」になる可能性も。 |

やり直しのステップ:再チャレンジを成功させるポイント
失敗しにくい環境が整ったら、次はやり方そのものを少し工夫してみましょう。
再チャレンジのポイントを、順を追って見ていきます。
| 対策方法 | 内容 |
|---|---|
| 成功したらすぐ褒める・ご褒美をあげる | タイミングが重要。「した直後」に褒めることで、良い印象が強化されます。 |
| 失敗しても叱らない | 叱ると、排せつ自体を我慢したり、隠れてしたりすることも。静かに片付けましょう。 |
| 徐々に行動範囲を広げる | 成功率が安定してきたら、少しずつサークル外へ。焦らず段階的に。 |
| 声かけで排せつを促す | 「ワンツーワンツー」などの声かけで排せつを促します。家庭でも「しーしー」「ぷっぷー」などと声をかけて習慣化させると、声かけ=排せつの流れができ、条件反射でスムーズになります。声かけのタイミングは、「排せつをしそうな瞬間」と「している最中」だけに限定しましょう。 |
やり直しのトイレトレーニングは、「環境リセット」「タイミング観察」「褒める」「叱らない」「行動範囲を段階的に広げる」の繰り返しです。
根気よく、愛犬のペースに合わせて進めていきましょう。

「また失敗した…」と落ち込んだ時は
トイレトレーニングをやり直していると、どうしても「また失敗しちゃった」「自分が悪いのかな」と心が折れそうになることもあります。しかし・・・
1. 失敗は「成長の途中」と考える
犬も人と同じで、時間の経過や暮らしの環境の変化、年を重ねたりすると、一度覚えたことを忘れてしまうことがあります。
失敗しても、「できない証拠」ではなく、「これからまたできるようになるための通過点」と考えてみましょう。
2. 叱らず、成功体験を積み重ねる
失敗した時に叱ってしまうと、犬は排せつ自体を悪いことと勘違いし、隠れて排せつしたり我慢したりしてしまうことがあります。
失敗した時は淡々と片付け、できた時には思いきり褒めてあげてください。
この「褒める→成功体験」が何よりの近道です。
3. 飼い主も自分を責めない
トイレトレーニングの悩みは多くの飼い主さんが経験しています。
うまくいかない時は「自分のせい」と思いがちですが、犬にも個性やペースがあり、失敗は当たり前です。
時には少し休憩して、気持ちをリセットしましょう。
4. できた時は一緒に喜ぶ
トイレが成功した時は、犬と一緒に「できたね!」と喜び合いましょう。
この小さな成功体験の積み重ねが、飼い主と愛犬の信頼関係を深め、トレーニングのモチベーションにもつながります。

まとめ
トイレトレーニングは、思い通りにいかないときこそ、ちょっと立ち止まって見直すチャンス。
方法を変えてみたり、環境を整えてみたり…
小さな工夫で、意外とうまくいくこともあります。
失敗する日もあるけれど、それは「できるようになっていく途中」です。
「愛犬も頑張ってるんだな」と思えたら、少し心が軽くなるかもしれません。
ひとりで抱え込まず、必要ならプロのトレーナーや獣医師に頼ることも、立派な選択。
ゆっくりでも、一緒に進んでいけたらそれで十分です。
この記事の監修者

吉田萌 (NPO法人ドッグトレーナー2級)
国際動物専門学校 しつけ・トレーニング学科卒。
噛み・吠え癖の酷い元保護犬のビーグルを里親に迎えた事をきっかけに『褒めてしつける』を念頭に活動。 自身の経験を活かし、しつけイベントにて飼い主に寄り添ったトレーニング方法を指導。 ナチュラルペットフード・栄養学の知識にも精通。保有資格はNPO法人ドッグトレーナー2級の他に、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級など。
資格
NPO法人ドッグトレーナー2級、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級







