お座りして祈祷を受けているゴールデンレトリバー

神社は日本の伝統的な聖地であり、多くの人々が参拝に訪れる場所です。

愛犬家の皆さんも、「うちの子も一緒に参拝できたらいいな」って思いますよね。

とはいえ、「神社に犬を連れて行ってもいいの?」「マナー違反にならない?」と心配される方も多いはずです。

そんな疑問にお答えするべく、この記事では、犬連れでの神社参拝のマナーや注意点、そして実際に犬と一緒に訪れることができるおすすめの神社をご紹介します。

大切な愛犬と一緒に、心温まる参拝時間を楽しむためのヒントが満載ですよ!

マイコ―

筆者も、実家で飼っている柴犬と早朝に隅田川沿いを散歩した後、人通りの少ない浅草寺へ行ったことがあります。愛犬とともに朝の神聖な雰囲気を味わい、すがすがしい気持ちになりました! 皆さんもこの記事を読んで、ぜひ愛犬と一緒に神社を訪れてみてくださいね。

この記事を書いた人

1. 犬連れで神社参拝はOK?

日の光が奥から射している神社の鳥居の前で、目を潤ませる黒いラブラドールレトリバー

結論から言うと、神社によって犬連れの可否は異なります

全国共通のルールはなく、それぞれの神社の判断に委ねられているのです。

一般的に、境内が広く開放的な神社では許可されている場合が多いですが、小さな神社や特に神聖視されている場所では禁止されているところも少なくありません

例えば明治神宮(東京都)伊勢神宮(三重県)は立ち入りを認めておらず、伊勢神宮は入り口にペットの預かり施設があります

一方で、犬のためのご祈祷ができたり犬用のお守りが用意されている、ペットに優しい神社も全国には多数あります

愛犬の健康長寿や無病息災を願って、ぜひ訪れたいですよね。

ただ、愛犬と神社参拝を楽しむためには、なにより「マナーを守ること」が鉄則です。

マイコ―

ちなみに私が愛犬と浅草寺を訪れたときには、朝の人が少ない時間帯を選び、常に短いリードで散歩。ほかの参拝者に迷惑をかけないようにすれば、気持ちよく参拝できました。

犬連れでの神社参拝は、たとえ神社が許可していたとしても、時間帯の選択など気を付けるべき点がいくつかあります。

この記事ではまず、そうしたポイントをご説明します!

1-1. 神社参拝の基本的なマナー

まずは、犬連れに限らず神社を訪れる際の基本マナー[1]をおさらいしましょう。

神社の基本マナー
  • 鳥居をくぐる際は一礼する(帰るときも社殿に向き直ってもう一礼すると良い)
  • 参道の真ん中は神様の通り道なので、端を歩く
  • 手水舎(ちょうずや)での正しい清め方を実践する
  • 拝殿前では「二拝二拍手一拝」の作法で参拝する
  • 静かに振る舞い、ほかの参拝者の迷惑にならないよう心がける

これらは、都内の神社をとりまとめている「東京都神社庁[1]のサイトにも記載されている基本的な作法。覚えておくと安心です。

[1]東京都神社庁 「参拝の作法

1-2. 犬連れ参拝のマナー

次に、犬と一緒にお参りする場合には、先ほどの通常の参拝マナーに加えて、以下の点に注意しましょう。

犬連れで神社に行く際のマナー
  • リードを短く持ち、犬をコントロールできる状態を保つ
  • 境内では排せつさせないよう気を付ける(排せつしてしまったらすぐ片付ける)
  • ほかの参拝者に迷惑をかけないよう、人混みを避ける
  • 犬が苦手な方やアレルギーの方もいるので周りとの距離感に配慮
  • 本殿や拝殿内には犬を連れて入らない
  • 犬用のマナーコート(毛が落ちないコート)を着させるとなお良い

境内でのトラブルやマナー違反を避けるため、普段の散歩よりも、より意識的にリードを短く持って愛犬をコントロールできる状態を保ちましょう。

手水舎は参拝者が手と口を清めるためのものなので、愛犬が直接口をつけないよう注意してくださいね。

なお、境内での排せつは厳禁です。神社によっては、マナーベルトやマナーパンツ(オムツ)の着用を義務付けている場合もあります。

万が一、排せつしてしまった場合は、排せつ物を必ず持ち帰り、地面等をすぐに清掃しましょう。

そのために、ゴミ袋や流すための水、トイレシーツは多めに準備しておくこと。

また、神聖な場所や建物、石碑などにマーキングさせないように注意することが大切です。

私は参拝前に愛犬をしっかり散歩させ、排せつを済ませてから神社に向かいました。これにより境内でのアクシデントを防ぐことができたので、必須のマナーといえそうです。

さらに、もしも境内で犬が急に吠え出してしまったら、なるべくすぐに場所を移動しましょう。

神聖な場所での騒音は避けるべきです。

犬が落ち着かなければ、その日は参拝を諦め、別の機会にチャレンジすることも検討しましょう。

2. 犬連れOKの神社を見つけるには?

神社の鳥居の前でたたずむ、神々しいゴールデンレトリバー

犬連れで参拝できる神社を見つけるには、いくつかの方法があります。

大きく分けて、「公式サイトや公式SNSで確認」「電話で問い合わせ」「体験談を調べる」の3つです。以下、詳しく見ていきましょう。

2-1. 公式サイトや公式SNSで確認

多くの神社では、公式ウェブサイトを運営しています。

そこに、ペット同伴についての情報が記載されていることが多いので、サイト内の「よくある質問」や「ご案内」ページをチェックしてみてください。

また、Instagramなどの公式SNSでも、ペット同伴に関する投稿をしていることがあり、そこから可否を判断できる場合もあります。

2-2. 電話で問い合わせ

公式ウェブサイトや公式SNSで情報が見つからない場合や、正確な情報を知りたい場合は、神社に直接電話して聞くのが一番確実です。

お正月など時期などによって異なるケースや、抱っこやキャリーバッグに入れての参拝が推奨されるケースもあるので、参拝予定日や犬のサイズ、種類なども伝えると、より正確な情報を得られるでしょう。

2-3. ブログやSNSで体験談を調べる(参考程度)

ペット関連のブログや、SNSのハッシュタグ検索(#犬連れ神社 など)を利用すると、実際に犬連れで訪れた人の体験談を見つけることができます。

ただし、昔はOKだったけれど今は禁止に⋯というケースもあるので、あくまで参考程度に!

例えば、京都府の伏見稲荷大社はかつては犬連れOKで知られていましたが、令和4年1月1日からは抱っこ、カートも含めてペットの同伴が全面禁止となりました(盲導犬、介助犬は除く)[2]

あくまで個人のSNSやブログなどは参考程度とし、お出かけ前には、公式サイトや電話での問い合わせでしっかり最新情報をチェックした方が良さそうです。

[2]伏見稲荷大社 「伏見稲荷大社からのお願い

3. 犬連れで行きたい神社3選

斜面に留まる路面電車と黒いラブラドールレトリバー

※画像はイメージです。

ここからは、犬連れOKの神社の中から、関東エリアでおすすめの3スポットを紹介します! それぞれの神社に、愛犬と素敵な思い出を作れるポイントがたくさんありますよ。

3-1. 犬と一緒にケーブルカーを楽しめる『武蔵御嶽神社(東京都)』

東京都青梅市にある武蔵御嶽神社は、愛犬と一緒に参拝できる人気スポット。

さらに犬のために健康や長寿、交通安全などのご祈祷をお願いすることも可能[3]です。

ここには数多くの神様が祀られていて、中でも「おいぬ様」として親しまれる大口真神(おおくちのまかみ)は、日本狼の神様。昔から犬に縁のある神社なんです。

神社の公式サイトには、こう記されています。

大口真神さまの愛称が『おいぬ様』であることにちなんでか、犬とともに登山・参拝をされる方が増えました。家族の一員でもある愛犬の健康や長寿を願う皆さまからのご要望を受け、愛犬のご祈祷を承っております

境内は標高929mの御岳山の山頂にありますが、犬も一緒に乗れるケーブルカーがあります。

ただし、ケーブルカーを降りた後にも坂道や約330段の階段が続くので、愛犬の体力や足腰などを必ず考慮しながら参拝しましょう。

なお、愛犬が高齢や病気、遠方などの事情で一緒に参拝できない場合は、飼い主のみでのご祈祷も可能のようです。

山頂に位置するだけに、境内からはすばらしい景色を楽しむことができ、愛犬と一緒に自然のパワーを感じられます。特に紅葉シーズンは絶景で、犬との記念撮影にもおすすめですよ!

なお、多くの参拝客でにぎわうお正月の時期は、愛犬を連れての参拝は避けた方が良いでしょう。毎年、愛犬祈祷も年明けから十日ほどは休止しています。

武蔵御嶽神社(むさしみたけじんじゃ)
  • 所在地:東京都青梅市御岳山176番地
  • 電話番号:0428-78-8500
  • 駐車場:有料駐車場あり(御岳登山鉄道ケーブルカー滝本駅付近)
  • アクセス:JR青梅線「御嶽駅」から徒歩10分でケーブル下。御岳登山鉄道ケーブルカー「御岳山駅」から徒歩25分
  • 公式サイト:http://musashimitakejinja.jp/

[3]武蔵御嶽神社 「愛犬の御祈祷

3-2. ペットのためのお社がある『座間神社(神奈川県)』

神奈川県座間市にある座間神社は、全国でも珍しい犬や猫のための社殿がある神社です。それが境内の一角に設けられた「伊奴寝子社(いぬねこしゃ)」。

大切なペットの健康や幸せなどを願い、2012年8月に創建されました。

参拝に訪れると、多くの人々が愛犬を連れていたり写真を持参したりして、ペットの健康長寿や無病息災を祈願している姿を見ることができます。

お社のそばには狛犬ならぬ「犬」と「猫」の像があり、像を撫でるとご利益があるそうです!

ペット用のお守りやご神札、ペット絵馬などもそろっているので、愛犬と一緒にぜひチェックしてみてくださいね。

もちろん「座間神社」自体も伝統ある神社で、境内には樹齢300年を超えるご神木や、夫婦円満の象徴となる夫婦椹(めおとさわら)悪疫をおさめたという神水も湧き出ています。愛犬と一緒にパワースポットを回るのも良さそうです。

さらに、境内から望む夕日の美しさは格別で、「夕日の丘」として座間市の名所になっているほど。近くには緑豊かな座間公園もあり、参拝前後に愛犬とのお散歩を楽しめます。特に座間公園は桜の名所としても知られているので、春の時期がおすすめですよ!

座間神社(ざまじんじゃ)
  • 所在地:神奈川県座間市座間1-3437
  • 電話番号:046-251-0245(午前9時~午後5時)
  • 駐車場:あり(第1、第2駐車場)
  • アクセス:小田急線「相武台前駅」から神奈川中央交通バス「座間」下車徒歩2分/JR相模線「相武台下駅」下車徒歩5分
  • 公式サイト:https://zamajinja.or.jp/

3-3. 日本初のペット専用神社『愛育神社(千葉県)』

千葉県にある愛育(めぐし)神社は、日本初のペット専用神社として2009年12月に創建された新しい神社です。ペットに特化している神社なので、愛犬と一緒に安心して参拝することができます。

境内には犬や猫の像があり、お守りも「ちりめん肉球守り」「わんにゃん守り」「ペット安産守」など6種類。参拝が難しい人には、郵送での購入も可能です。

ペットのお祓いとご祈祷は電話による完全予約制。なお、お祓いやご祈祷料の一部、お賽銭については、動物関連支援団体へ寄付されるという素敵な取り組みもされています。

愛育神社(めぐしじんじゃ)
  • 所在地:千葉県長生郡白子町日当2366-18
  • 電話番号:0475-33-1703
  • 駐車場:あり(約5台)
  • アクセス:JR外房線「本納駅」から車で約15分
  • 公式サイト:https://megushijinjya.com/

4. 犬連れで神社参拝を楽しむための持ち物リスト

せっかくの神社参拝、愛犬と一緒に気持ちよく過ごすために、しっかり準備しておきたいですよね。以下のアイテムを用意しておけば、いざというときも安心です!

犬連れで神社参拝を楽しむための持ち物リスト
  • リード(伸びないタイプ)
  • 折りたたみ式の水飲み容器と水(飲み水用・清掃用)
  • ゴミ袋(多めに)
  • トイレシーツ
  • ウェットティッシュやペット用ウェットシート
  • 愛犬のおやつ(静かにさせたい時に有効)
  • タオル(雨の日や暑い日に)
  • 犬用のマナーコートやマナーベルト
  • 犬用の靴(特に夏の熱いアスファルトや冬の寒い日に)
  • 愛犬の健康保険証やワクチン接種証明(万が一に備えて)

周りの人との接触やマーキングを防ぐためにも、リードは必ず伸びないタイプのものを短めに使うことがポイントです。また、水は愛犬の水分補給のみならず、万が一排せつをしてしまったときの清掃用としても役立ちます。

マイコ―

筆者の経験上、おやつはわりと必須アイテム。境内で突然の音や動きにびっくりして反応しそうになったとき、すぐにおやつをあげることで落ち着かせることができますよ。

5. まとめ

神社は静かで神聖な場所。そんな特別な場所に、愛犬と一緒に行けたらうれしいですよね。

ただし、すべての神社で犬連れOKというわけではなく、最近ではマナー違反が原因でペットの同伴がNGになる神社も増えていますだからこそ、事前の確認とマナーの徹底がとても大切。神聖な場所であることを常に意識し、ほかの参拝者への配慮を忘れないようにしましょう。

この記事で紹介した神社は、犬連れでも比較的訪れやすい場所ですが、季節や行事によって状況が変わることもあります。訪問前には必ず最新情報を確認し、愛犬と一緒に心地良い神社参拝を楽しんでくださいね!

マナーを守りながら、大切なパートナーと思い出に残る時間を過ごしましょう!

 この記事の監修者

吉田萌 (NPO法人ドッグトレーナー2級)

国際動物専門学校 しつけ・トレーニング学科卒。
噛み・吠え癖の酷い元保護犬のビーグルを里親に迎えた事をきっかけに『褒めてしつける』を念頭に活動。 自身の経験を活かし、しつけイベントにて飼い主に寄り添ったトレーニング方法を指導。 ナチュラルペットフード・栄養学の知識にも精通。保有資格はNPO法人ドッグトレーナー2級の他に、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級など。

資格
NPO法人ドッグトレーナー2級、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級

この記事を書いた人

マイコ―

編集者/ライター。東京の下町生まれ&下町育ち。ベトナム人の夫と猫と、にぎやかに暮らしています。怒るのが苦手で、その昔「彼氏 怒り方」と検索したことがあります。犬と猫2匹を同時に飼っていた時期、犬の中での順位は猫たちよりも下でした。かわいいので許します。

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