【まるでライオン】レオンベルガーとは?大きさ・性格・飼い方まで徹底解説

「レオンベルガー」という犬種をご存じでしょうか?
日本ではなかなか出会えない珍しい犬種ですが、2022年頃から、タレントの滝沢カレンさんの愛犬としてメディアで度々紹介されるようになりました。もしかすると、そんなニュースをきっかけにこの記事にたどり着いた方もいらっしゃるかもしれませんね。
首周りを飾るたてがみのような被毛と大きな体を持ち、キリッとしたブラックマスクが特徴的な彼らは「ライオンみたい!」といわれることもしばしば。
それもそのはず、レオンベルガーは「ライオンのような犬」を目指して作出された犬種なのです。

この記事では、そんなレオンベルガーのルーツ・特徴・性格・実際に飼うときのポイントまで、徹底的に解説します。

この記事を書いた人

沼田花香

北海道出身のライター。元病棟看護師。
舞台俳優やモデルなど、表現者としてエンタメシーンにも携わってきた。美味しいものが大好きな辛党。「自利利他」がモットー。

シェルティを愛しています。憧れの大型犬はシベリアン・ハスキー、サモエド、ジャイアントシュナウザー。犬以外では羊、猫、馬が好き。将来の夢は羊飼い。

レオンベルガーってどんな犬?

レオンベルガーとは、一体どのような特徴を持つ犬種なのでしょうか。
まずはその基本情報やルーツから、彼らの魅力をたっぷりとご紹介していきます。

基本情報

レオンベルガーはドイツが原産の犬種です。ライオンに近いゴールド寄りの毛色と豊かな被毛を持ち、力強くも優美な風貌が魅力的です[1][2]。

芝生でくつろぐレオンベルガー

犬種名:レオンベルガー(Leonberger)
原産国:ドイツ

ドイツ国旗(原産国)

原産国:ドイツ

分類:超大型犬
体高:オス 72〜80cm(理想体高76cm)/メス 65〜75cm(理想体高70cm)

体重:オス 約40〜77kg/メス 約37〜64kg
毛色:ライオン・イエロー、レッド、レディッシュ・ブラウン、サンド(フォーン、クリーム)、さらにこれらの組み合わせ全て。
マズル(口吻)から顔周りにかけて黒くなっている「ブラックマスク」が特徴。

レオンベルガーの毛色の例

毛色の例:左からライオン・イエロー、レッド、レディッシュ・ブラウン、サンド(フォーン)、クリーム

平均寿命:7〜9年
由来となった主な犬種:ランドシーア、セント・バーナード、ニューファンドランド、グレート・ピレニーズ

レオンベルガーの由来となった犬種

由来となった主な犬種:ランドシーア、セント・バーナード、ニューファンドランド、グレート・ピレニーズ(画像左から順に)

[1] 一般社団法人ジャパンケネルクラブ「レオンベルガー|一般社団法人ジャパンケネルクラブ」
[2] アメリカン・ケネル・クラブ「Leonberger Dog Breed Information」をもとに執筆者作成。

ライオンを目指した!ユニークなルーツ

雪の中のレオンベルガー

レオンベルガーは、ドイツ南西部にある都市・レオンベルク市で1846年に誕生しました。
誕生した都市の名前が犬種名の由来となっています。
1830年代末頃より、レオンベルク市議会議員であったハインリッヒ・エスィヒ氏が、市章のシンボルであるライオンのような犬を作りたいと考え、新しい犬種づくりを始めました。

ランドシーア、セント・バーナード、ニューファンドランド、グレート・ピレニーズなどの大型犬をベースに交配が重ねられ、由来となった犬種の優れた特性を引き継いでいます。

大きさは?超大型犬って?

犬のサイズを示す、小型犬・中型犬・大型犬といった区分には、実は明確な定義がありません。おおよその目安としては、以下のように分けられています。

  • 大型犬:体高60cm以上、体重25〜40kg程度
  • 超大型犬:体高70cm以上、体重40kg以上

レオンベルガーは「超大型犬」に分類される犬種です。
最大で体高約80cm、体重約77kgに成長し、後ろ足で立ち上がると成人男性にも負けないほどの大きさを誇ります。超大型犬と呼ぶにふさわしい圧倒的なサイズ感ですね!
そんな彼らの子犬の姿もご紹介しておきます。

レオンベルガーの子犬
沼田花香

こんなに小さな姿から、2歳頃には成犬のサイズに成長します。あっという間ですね。
小さな姿も大きな姿もかわいいのですが、大きくなると抱っこは大変そう……!小さいうちにたくさん抱っこしておきたいですね!

日本ではどのくらい珍しい犬種なの?

実際のところ、レオンベルガーは日本に何頭いるのでしょうか。
血統証明書の発行を行う一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)が公表した「犬種別犬籍登録頭数」によれば、2025年のレオンベルガーの新規登録数はなんと40頭のみでした。

ワン!ポイント 犬種別犬籍登録頭数とは?

1月〜12月までの1年間にジャパンケネルクラブの血統データに新規に血統登録され、血統証明書が発行された犬の頭数のことです。

1年間分の登録頭数しか日本にいないということではありませんが、レオンベルガーの平均寿命が7〜9年ほどであること、例年10〜50頭程度の登録しかないことを加味すると、国内にわずかな頭数しかいない希少な犬種であることが分かります。
正確な総飼育頭数は公表されていないものの、全国で数百頭規模であることが推測できます。

参考までに、2025年の犬種別犬籍登録頭数が最も多かったのはプードル(トイ〜スタンダードを含む)で69,342頭、次いでチワワが46,221頭、ダックスフンドが30,615頭となっています。

沼田花香

街中でよく見かけるメジャーな犬種は、年間数万頭単位で登録されているのですね。
一方、2025年に登録されたレオンベルガーの頭数はわずか40頭。なかなか見かけるチャンスがないのもうなずけます。もし街中でお散歩しているレオンベルガーに出会えたらラッキー!何かいいことがありそうです。

日本でレオンベルガーを家族に迎えたい場合、一般的なペットショップで出会えることはほとんどないため、専門の優良ブリーダーを探すのが一般的です。もしご縁を探される際は、超大型犬に適した環境づくりができるかどうか、事前の入念なシミュレーションもお忘れなく!

もっと知りたい!レオンベルガーの特性

ここからはより詳しく、犬種の特徴や性質についてご紹介していきます。

見た目の特徴

「ライオンに似た犬」といわれるレオンベルガーは、中長毛で防水性のあるダブルコートの被毛を持っています。

ワン!ポイント ダブルコートとは?

犬の被毛は1層構造の「シングルコート」と2層構造の「ダブルコート」に分類されます。ダブルコートは保温性に優れ、寒さに強いのが特徴です。換毛期があり、春と秋には大量の抜け毛が発生します。シングルコートが滑らかで均一な質感であるのに対し、ダブルコートはふっくらとしたボリューム感のある見た目をしています。

カラーは基本情報でも触れた通り、ライオン・イエロー、レッド、レディッシュ・ブラウン、サンド(フォーン、クリーム)、さらにこれらの組み合わせ全てです。
常にマズル(口吻)から顔周りにかけて黒くなっており、ブラックマスクと呼ばれています。
基本は直毛ですが、なかにはややウェーブした毛を持つ子もいます。

レオンベルガーの毛色の例

毛色の例:左からライオン・イエロー、レッド、レディッシュ・ブラウン、サンド(フォーン)、クリーム

首と胸周りにライオンのたてがみのような飾り毛がありますが、この特徴はオスのほうが顕著です。
しっぽは長くふさふさで、まっすぐに垂れ下がっています。眼の色はブラウンです。耳は三角のたれ耳で厚みがあります。体つきはがっしりとして大きく、力強い筋肉を持ち、頑強です。
由来となった犬種のニューファンドランド同様、手足に発達した水かきがあります。

水辺で遊ぶレオンベルガー
ワン!ポイント 犬の水かき

実は犬種を問わず、犬の親指以外の指は水かきでつながっています。指と指の間を広げてみると、薄い被膜が見えるはずです。
ニューファンドランド、プードル、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーなど、泳ぎが得意な犬種ほど水かきが発達しています。ニューファンドランドは水難救助犬としても活躍するほど泳ぎが得意です。レオンベルガーもその特徴を受け継いでいます。

沼田花香

泳ぎが得意なレオンベルガーとなら、カヌーやSUP(スタンドアップパドルボード)などのマリンアクティビティを一緒に楽しむこともできそうですね!超大型犬OKの大型ボード(モンスターSUP)があるツアーなどもあるみたいですよ。とっても楽しそう!

性格の特徴

レオンベルガーは見た目通りの大きな心を持ち、ゆったりとした落ち着きがあるため、家庭犬としても優秀です。子どもに優しく、家族を愛し、触れ合いを好む傾向にあります。シャイでも攻撃的でもなく、温和で愛情豊かな犬種です。
どのような状況下でも愛想がよく従順で、どこへでも支障なく連れていくことができます。穏やかで忍耐強く、学習能力や記憶力も優れています。

レオンベルガーの飼育ポイント

もしレオンベルガーを家族に迎えるとしたら、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか?飼育のポイントや注意点をまとめてご紹介します。

賢いからこそ重要なしつけ

レオンベルガーは従順で賢く、無駄吠えも少ないため、しつけがしやすい犬種とされています。音や他の人・犬などの刺激に過剰反応してしまうような反応性は低く、落ち着いた気質です。

そうは言っても、体重が重く力も強い超大型犬です。しつけや信頼関係の構築ができていなければ制御ができず、危険を伴います。思わぬけがや事故を防ぎ、安全で楽しく暮らせるように、子犬のうちからトレーニングを始めましょう。

レオンベルガーの子犬

まずは、生後2ヵ月頃からトイレトレーニングに取り組みます。旅行先や高齢化した際に困ることがないよう、ペットシーツでの排泄も覚えさせましょう。成長に合わせて、排泄量の多さや体の大きさに適したペットシーツを選びます。
また、この時期は、人と触れ合うことで「人から触れられることは怖くないこと」だと学ぶ段階です。たくさん触ったり、遊んだりしてあげましょう。

しつけをする際、名前で叱ったり、体罰を与えたりするのは絶対にNG。名前と恐怖をリンクさせないように、指摘をする際は「ダメ」や「ノー」など、短く分かりやすい単語で冷静に声掛けをします。
正しいことをしたときには笑顔で喜び、明るい声のトーンで褒めてあげましょう。ポジティブに学習を深め、信頼関係を構築することができます。

生後3ヵ月頃からは、「マテ」「オスワリ」「フセ」など、基本的なコマンドを訓練していきましょう。
お散歩デビューをする時期からは、超大型犬のしつけにおいて特に重要な「リードの引っ張りを防ぐ訓練」も徐々にスタートしていきます。成犬サイズに成長したあとは、力任せに引っ張られると大人でも制御できず、転倒や事故につながる恐れがあります。子犬の頃から飼い主の横に並んで歩調を合わせる「リーダーウォーク」を訓練しておくことで、お互いを信頼し、安全にお散歩を楽しめるようになりますよ。

このリーダーウォークができるようになると、ほかのしつけや芸を覚えるのも早くなる傾向にあるそうです。実は、習慣を好む犬にとって、明確なルールがあることはストレス軽減や安心感にもつながります。
愛犬の心と体の健康を保つためにも、前向きにトレーニングを重ねていきましょう。

必要な運動・食事・環境

レオンベルガーは成犬時に40kg以上になるため、体の小さな犬種と比較すると、必要な運動量や食事量はぐっと増えます。

項目内容
運動お散歩:1日2回、各1時間以上
暑さには強くないため、夏は気温が上がる前の早朝や、夕方から夜にかけてがおすすめ
食事必要量の目安:16〜20kg/月(一般的な大型犬の約2倍と言われています)
必要エネルギー量の目安:1,946kcal(成犬・不妊/去勢済み・標準体型・45kg)〜2,911kcal(成犬・不妊/去勢済み・標準体型・77kg)
餌代の目安:1〜4万円程度
筋肉質な体格をキープするため、ドッグフードは高品質なたんぱく質を多く含むものが理想的
※犬の体重や年齢、日々の運動量などにより、必要カロリーは変動します。※フード代はあくまで参考値です。グレードや購入方法によって価格は変動します。
環境室内に20㎡以上のスペースを確保できることが望ましい
エアコンなどで室温を管理(ダブルコートの被毛で体内に熱がこもりやすいため注意が必要)

抜け毛は多い?お手入れ方法

被毛は長いほど絡まりやすく、中長毛であるレオンベルガーはお手入れに注意が必要です。
ダブルコートは下毛(アンダーコート)が定期的に抜け替わり、被毛の中に抜け毛が溜まった状態になりやすいため、ブラッシングで除去してあげましょう。

毛の絡まりや抜け毛によって通気性が悪くなると、蒸れて皮膚トラブルの原因になってしまうこともあります。清潔と健康のため、ブラッシングは毎日行います。

ブラッシングには、細かい金属のピンで抜け毛を絡めとり、毛玉や絡まりをほぐす「スリッカーブラシ」や、優しいタッチで血行促進効果がある「ピンブラシ」などがおすすめです。そのほか、毛の流れを整える「コーム」や、汚れを取ったり艶を出したりする「獣毛ブラシ」も便利です。

ダブルコートの犬種のケアには特にスリッカーブラシが重宝されます。他のブラシも組み合わせながら、なでるように優しくブラッシングしてあげましょう。

犬用ブラシの種類

✓お手入れの頻度

お手入れ頻度
ブラッシング毎日
※特に毛玉ができやすい耳の後ろや脚の後ろなどは念入りに
歯磨き毎日〜2日に1回
爪切り2週間に1回
シャンプー月に1回
耳掃除月に1回

かかりやすい病気

大型犬に起こりやすい「股関節形成不全」や「肘関節形成不全」には、子犬の頃から注意が必要です。
また、大型犬や超大型犬で、特に胸が深い犬種に好発する「胃捻転」は緊急性が高く、死に至ることも多い病気です。予防のため、食事の与え方に配慮が必要になります。
若年で発症しやすい「副腎皮質機能低下症(アジソン病)」や、生後数ヵ月で発症するレオンベルガー特有の遺伝子疾患「レオンベルガー多発性ニューロパチー(LPN)」なども、代表的な病気の一つです。

病名特徴と主な症状
股関節形成不全[3]大型犬に多く、歩き方に異常が出ます。
《主な症状》
・後ろ足の歩幅が狭い
・お尻を振って歩く
・左右の後ろ足を同時に蹴る など
肘関節形成不全[4]大型から超大型犬種で発症率が高く、発症すると生活の質に著しく影響を与えます。歩く際、前足の動きに異常が出やすいです。
《主な症状》
・片側の前足に体重をかけていない
・歩き方がおかしい
・散歩の拒否
・立っているよりも座ることを好む など
胃捻転胃が拡張し、ねじれ(捻転)を起こすことで発症します。食事を一度に大量摂取したり、食後30分以内に激しい運動をしたりすると発症リスクが高まるといわれています。食事内容や給与回数に配慮し、消化器官への負担を避けましょう。
《主な症状》
・急激にぐったりとしはじめ、嘔吐をしたくても吐物がでない状態になり、多量のよだれを流す
・呼吸困難
・ショック症状(目に見える部分の粘膜が白く退色する、脈圧の低下) など
副腎皮質機能低下症(アジソン病)[5]副腎からのホルモン分泌が減少することで起こる症候群です。比較的まれですが、若年から中年、メスに多い傾向です。症状は多岐にわたります。
《主な症状》
・食欲がない
・ぐったりしている
・急に倒れる
・体重減少
・腹痛
・嘔吐
・脱水 など
レオンベルガー
多発性ニューロパチー(LPN)
レオンベルガー特有の遺伝子疾患です。生後数ヵ月で発症します。
《主な症状》
・後ろ足の筋力低下
・運動麻痺
・感覚障害 など

[3] YPC東京どうぶつ整形外科病院「犬の股関節形成不全|関節疾患|YPC東京どうぶつ整形外科病院」、[4] YPC東京どうぶつ整形外科病院「犬の肘関節形成不全|関節疾患|YPC東京どうぶつ整形外科病院」、[5] 一般社団法人日本臨床獣医学フォーラム「犬の副腎皮質機能低下症(アジソン病)」をもとに執筆者作成。

まとめ

ライオンのような風格でありながら、穏やかで愛情深いレオンベルガーについてご紹介してきました。
彼らを家族としてお迎えするには、適切な環境づくりや日々のケアが欠かせず、念入りな準備と覚悟が必要です。超大型犬ならではの苦労がある一方で、ダイナミックな魅力を持った犬種でもあります。
日本ではまだまだ珍しい犬種ではありますが、本記事を通じて「こんな素敵な犬がいるんだな」と、レオンベルガーへの理解や興味を深めていただけたら幸いです!

雪の中でくつろぐ2頭のレオンベルガー

 この記事の監修者

吉田萌 (NPO法人ドッグトレーナー2級)

国際動物専門学校 しつけ・トレーニング学科卒。
噛み・吠え癖の酷い元保護犬のビーグルを里親に迎えた事をきっかけに『褒めてしつける』を念頭に活動。 自身の経験を活かし、しつけイベントにて飼い主に寄り添ったトレーニング方法を指導。 ナチュラルペットフード・栄養学の知識にも精通。保有資格はNPO法人ドッグトレーナー2級の他に、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級など。

資格
NPO法人ドッグトレーナー2級、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級

あわせて読みたい

この記事を書いた人

沼田花香

北海道出身。元病棟看護師。
舞台俳優やモデルなど、表現者としてエンタメシーンに携わってきた。
美味しいものが大好きな辛党。「自利利他」がモットー。

シェルティを愛している。憧れの大型犬はシベリアン・ハスキー、サモエド、ジャイアントシュナウザー。犬以外では羊、猫、馬が好き。将来の夢は羊飼い。

NEW

新着記事

RANKING

お悩みから探す