
フラットコーテッドレトリバーをご存知でしょうか?
黒く長いサラサラの毛並みが美しいフラットコーテッドレトリバー。
「レトリバー」といえばウェーブがかった長毛のゴールデンレトリバー、短毛のラブラドールレトリバーが有名ですが、黒いロン毛のレトリバーは珍しいですよね!
「大型犬だし、温厚な性格なのかな?」
「ゴールデンやラブラドールとはどこが違うの?」
「飼っている人が少ないけど、飼いやすさはどうなんだろう?」
と疑問に思われた方もいるかもしれません。
フラットコーテッドレトリバーは、大型犬ならではの特徴と、独自の魅力を兼ね備えた犬種です。
この記事ではフラットコーテッドレトリバーの特徴、他のレトリバーとの違い、飼育のポイントと注意点について、幅広く解説していきます。
この記事を書いた人
フラットコーテッドレトリバーの基本情報
フラットコーテッドレトリバー(英語名:Flat-Coated Retriever)はその名の通り、フラット=サラサラな直毛が特徴的な犬種です。
歴史、見た目と性格の特徴、さらに他のレトリバーとの比較など、フラットコーテッドレトリバーの基本情報を紹介します。
歴史
フラットコーテッドレトリバーの原産国はイギリスです。
祖先については諸説あります。
小型のニューファンドランドもしくはチェサピーク・ベイ・レトリバーが祖先であると考えられていますが、ラブラドールレトリバーとカーリーコーテッドレトリバーを祖先とする説も。
最初は毛並みが波状だったため「ウェービーコーテッドレトリバー」と呼ばれていましたが、改良を重ねるうちに直毛になり「フラットコーテッドレトリバー」の名称で呼ばれるようになりました。
AKC(アメリカンケネルクラブ)がフラットコーテッドレトリバーを正式な犬種として登録したのは1915年のことです。[1]
第一次世界大戦ごろまで人気を博していたフラットコーテッドレトリバーですが、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーの登場によって人気が低迷します。
第二次世界大戦の末期には絶滅しかけたものの、愛好家たちの地道な活動により少しずつ頭数を回復し、現在に至ります。
AKC(アメリカンケネルクラブ)は1884年に設立されたアメリカの愛犬団体で、純血種の犬を登録し、犬種標準を確立する役割を担っています。
[1]アメリカンケネルクラブ「フラットコーテッド・レトリバー」
外見

フラットコーテッドレトリバーは、ブラックまたはレバー色(濃い赤褐色)の毛並みをもつ大型犬です。
光沢のあるサラサラの黒い長毛が風になびくさまは優雅で、上品さとかっこよさを感じさせます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 毛色 | ブラックまたはレバー色(濃い赤褐色) |
| 被毛 | 光沢がありなめらか |
| 体高 | オス:59~61.5cmメス:56.5~59cm |
| 体重 | オス:27~36kgメス:25~32kg |
性格

性格は明るく社交的。
子どもや他の犬とも仲良く遊ぶことができる、非常に人懐っこい犬種です。
他のレトリバーと同じく、利口なフラットコーテッドレトリバー。
学習能力・適応能力がともに高いため、しつけトレーニングもしやすいでしょう。
穏やかなゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーと違う点は、とにかく天真爛漫なところ!
もちろん個体差はありますが、その陽気さが最大の魅力といえるでしょう。
他のレトリバーとの違い
ここまで読んでくださった方は、こんな疑問をお持ちかもしれません。
「フラットコーテッドレトリバーは、他のレトリバーと具体的にどう違うの?」
レトリバーは以下の6種類に分けられます。
- ゴールデンレトリバー
- ラブラドールレトリバー
- フラットコーテッドレトリバー
- チェサピークベイレトリバー
- ノヴァスコシアダックトーリングレトリバー
- カーリーコーテッドレトリバー
レトリバーの中でも、特に人気なゴールデンレトリバー・ラブラドールレトリバーとの違いを見ていきましょう。
| 項目 | フラットコーテッドレトリバー | ゴールデンレトリバー | ラブラドールレトリバー |
|---|---|---|---|
| 写真 | ![]() | ![]() | ![]() |
| 毛色 | ブラックまたはレバー色 | ゴールドまたはクリーム色 | イエロー、ブラック、チョコレート |
| 被毛 | ストレートな長毛 | ストレートもしくはウェーブがかった長毛 | 短毛 |
| 性格 | 明るく社交的 | 穏やかでフレンドリー | 社交的で忠実 |
フラットコーテッドレトリバーの飼育ポイント
明るく社交的で、黒く美しい毛並みの魅力的なフラットコーテッドレトリバーですが、飼育するにあたって考慮すべき点も。
フラットコーテッドレトリバーと過ごす際、気を付けるべきポイントを4つ紹介します。
しつけ
他のレトリバーと同じく、利口なフラットコーテッドレトリバー。
学習能力・適応能力がともに高いため、しつけトレーニングもしやすいでしょう。
しつけの飲み込みは早いですが、子犬の頃はやんちゃなため、初心者は手を焼くかもしれません。

人懐っこさゆえに、飼い主から離れるのをストレスに感じることも。
子犬のうちから留守番のトレーニングをしておき、慣れさせておくとよいでしょう。
急な飛びつきに対するしつけも、子犬の頃から徹底して行ってください。
散歩
散歩は1日に2度、1回につき1~2時間が目安です。
散歩の頻度自体は他のレトリバーと変わりませんが、活発で運動量が多いため、飼育するにはある程度の体力が必要です。
お手入れ
換毛期は毎日、換毛期以外は週1回程度のブラッシングが目安となります。
毛は長いものの、なめらかな直毛なのでブラッシングもしやすいです。
ただし、柔らかい長毛をもつフラットコーテッドレトリバーは毛玉ができやすいため、耳や脚の飾り毛などは特に注意してブラッシングをしてください。
また、フラットコーテッドレトリバーの特徴である黒くてなめらかな長毛は、人間の抜け毛と見分けがつきにくく、あまり目立たないのが利点でもあります。
「外出前に服にコロコロを念入りにかけないと、犬の抜け毛が目立つ……」という悩みは軽減されるはずです!
かかりやすい病気
大型犬は、小型犬や中型犬に比べて短命とされています。
一般社団法人ペットフード協会が実施している「全国犬猫飼育実態調査」によれば、令和6年における犬の平均寿命は14.90歳です。[2]
フラットコーテッドレトリバーの平均的な寿命は10~13歳程度と言われています。
小型犬に比べ、大型犬は臓器の負担が大きい、がんの発生率が高いなどのデータがあります。
かかりやすい病気を把握し、異変を感じた場合はすぐにかかりつけ医に相談することが大切です。
[2]一般社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」
| 病名 | 症状と対処法 |
|---|---|
| 股関節形成不全症 | 大型犬に多い病気。 遺伝や急激な成長が原因。 股関節に負担がかからないよう、日頃から食事と運動に気を付けることが大事。 |
| 外耳炎 | 垂れ耳の犬種に多い。 耳の中が蒸れないよう、清潔に保つことが重要。 耳掃除 |
| 骨肉腫 | 大型犬に多い骨のがん。 歩き方を定期的にチェックし、足を引きずって歩くなどの異常が見られたらすぐ医師に相談すること。 |
| リンパ腫 | リンパ系のがん。 体の表面にしこりがないか日頃からチェックし、異常が見られたらすぐ医師に相談すること。 |
| 胃捻転 | 大型犬に多い症状。 大量の食事やその後の運動が原因。 食事の与えすぎに注意。 胃捻転 |
フラットコーテッドレトリバーは明るくフレンドリーな犬種!
フラットコーテッドレトリバーは明るく社交的。
子どもや他の犬ともなじみやすいフレンドリーな犬種です。
サラサラの黒い毛並みは比較的お手入れもしやすく、抜け毛も目立ちにくいでしょう。
ただし、大型犬ならではの大変さも当然持ち合わせています。
見た目の美しさや珍しさだけでなく、飼育方法や健康面などもしっかり考慮し、責任をもって関わっていけるのかを見極めましょう。
美しい毛並みと陽気さが魅力的なフラットコーテッドレトリバー。
覚悟をもって向き合えば、きっと最高のパートナーになれるはず。
愛情を注ぎ、素敵な関係を築いていけたらいいですね!
この記事の監修者

鮎川 多絵 (愛玩動物飼養管理士2級・ライター)
東京都出身。1986年10月生まれ。趣味は映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ。
家族は保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)。
犬と私
子供の時からイヌ科動物が大好きでした。戸川幸夫氏の「牙王」で狼犬に憧れ、シートン動物記で「オオカミ王ロボ」に胸を打たれました。特に大きな犬のゆったりとした雄姿には目を奪われます。保護犬と保護猫の飼育経験から、動物関連の社会問題、災害時のペット同伴避難について意識を向けています。



