犬のワクチン接種スケジュール完全ガイド! 子犬〜成犬まで分かりやすく解説

犬のワクチンとは、犬がかかりやすい感染症を予防するための予防接種
人間の予防接種と同じように、愛犬が病気にかかるのを防ぎ、命を守る強力な手段です。
「犬を飼いたいけれど、ワクチン接種って毎年必要なの?」
「愛犬のワクチンの接種スケジュールが分からない⋯」
犬のワクチンのスケジュールについて、そんなお悩みや疑問を持つ方も多いですよね。この記事では犬のワクチンの基礎知識、接種スケジュールについて、詳しく解説します。
適切なタイミングでワクチンを接種して、愛犬の健康を一緒に守っていきましょう!

この記事を書いた人

マイコ―

編集者/ライター。東京の下町生まれ&下町育ち。ベトナム人の夫と猫と、にぎやかに暮らしています。怒るのが苦手で、その昔「彼氏
怒り方」と検索したことがあります。犬と猫2匹を同時に飼っていた時期、犬の中での順位は猫たちよりも下でした。かわいいので許します。

犬のワクチンの目的と重要性

犬のワクチンの目的と重要性

犬のワクチンは、危険な感染症から愛犬を守るための予防医療です。
接種によって感染症を予防したり、万が一感染しても症状を軽減して命を守る効果があります。
多くの犬がワクチンを接種すれば集団免疫が形成され、地域全体の感染リスクを下げることができます。ワクチン接種によって犬自身が病気から守られるだけでなく、人間やほかの動物への感染拡大を防ぐ効果もあります。
中でも狂犬病のワクチン接種は、日本では法律で義務付けられています。飼い主さんは生後91日以上の犬に年1回、必ず接種させる必要があるのです。
また、特に子犬は免疫力が不十分なため、さまざまな病気にかかりやすく、数週間ごとのワクチン接種が欠かせないことも覚えておきましょう。

ワン!ポイント 狂犬病

狂犬病は、発症すれば人でもほぼ100%死亡する非常に危険な「人獣共通感染症」です。世界的に見れば毎年数万人が亡くなっている病気ですが、日本国内では1950年に狂犬病予防法が施行され、1957年の猫を最後に狂犬病は発生していません。

犬のワクチンの種類とそれぞれの目的

2 犬のワクチンの種類とそれぞれの目的

ワクチンの分類

犬のワクチンは、「コアワクチン」と「ノンコアワクチン」の2種類があります。コアワクチンは、全ての犬が生活環境を問わず接種すべきワクチンで、ノンコアワクチンは生活環境に応じて接種を考慮すべきワクチンです。
これらはWSAVA(世界小動物獣医師会)が、動物に負担の少ないワクチンプログラムとして提唱しているガイドライン内で定めています。

このコアワクチンとノンコアワクチンを複数組み合わせたものを、一度に接種できるのが「混合ワクチン」です。
混合ワクチンは、動物病院ごとに取り扱っているメーカーが異なるため、混合の種類が変わってきます。接種が義務付けられているわけではありませんが、致死的な感染症を予防するために接種が強く推奨されています。ドッグランやトリミングサロンなど、多くの犬が集まる施設ではワクチン接種証明書の提出が求められることもあります。
つまり法律で接種が義務付けられている「狂犬病ワクチン」と、任意で接種する「混合ワクチン」、この2つのワクチンを、愛犬に定期的に接種させるものだと考えましょう。

ワクチン接種は基本的に安全ですが、軽度の副作用が現れることがあります。接種部位の軽い腫れ、一時的な食欲不振、軽度の発熱、下痢・嘔吐、元気がないといった副作用は、正常な反応です。これらはほとんどの場合、24〜48時間で自然に改善しますので、あまり心配しないでくださいね。

ただし過敏体質の場合、ごくまれに強いアレルギー反応(顔面腫脹や蕁麻疹、アナフィラキシー反応、血圧低下、呼吸困難など)が起きた事例も過去には報告されています。重度の副作用が現れた際には、すぐさま獣医師さんに診てもらいましょう。

コアワクチン

コアワクチンは、特に危険な感染症を予防するもので、環境関係なく、すべての犬に接種が強く推奨される重要なワクチンです。

コアワクチンの対象説明
狂犬病人獣共通感染症、約100%の致死率
ジステンパーウイルス子犬で重症化しやすい
パルボウイルス感染力が非常に強く、子犬の死亡率が高い
アデノウイルス1型肝臓にダメージを与える
アデノウイルス2型ケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)の原因の一つ

特に狂犬病ワクチンは、法律で年1回の接種が義務付けられています。そのほかのワクチンも、致死率が高い感染症を予防するためのもので、基本的には混合ワクチンに含まれています。

ノンコアワクチン

ノンコアワクチンは、犬の生活環境やリスクに応じて接種を検討する任意のワクチンです
「とにかく多くの種類のワクチンを接種させれば安全では?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、犬の体質や年齢によっては副作用のリスクや体力的に大きな負担になることもあります。例えば、副作用の心配な子犬には少なめのものを使う場合もありますし、老犬になってからは接種しない方が良い場合もあります。つまり、年齢や生活環境に合わせて必要な種類を選ぶことが大切なんです。
接種が必要かどうかは、犬のライフスタイルによって異なるので、獣医師さんと相談しながら接種を検討してくださいね!

主要なノンコアワクチンの対象説明
パラインフルエンザウイルスケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)の原因の一つ
レプトスピラ人獣共通感染症、野外活動が多い犬に推奨
ボルデテラケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)の原因の一つ。
感染力が高く、飛沫感染や接触感染など集団生活で広がりやすい
ワン!ポイント ケンネルコフとは⋯?

犬舎を意味する「ケンネル」と咳を意味する「コフ」に由来する名称を持つ感染症。別名「伝染性気管気管支炎」、そして「犬風邪」とも呼ばれます。発作性の咳が特徴ですが、場合によっては発熱することもあります。

この病気は、単一の病原体によるものではなく、いくつものウイルス、細菌などが複合することが原因と見られています。致死率は低く、症状が出てから通常は1週間以内に免疫ができて回復します。しかしその後も、気管の部分を圧迫したりすると咳き込むことがよくあります。

例えば、犬同士が集まるドッグランなどに頻繁に出かける場合は、犬同士の飛沫感染の可能性がある「パラインフルエンザ」や「ボルデテラ」のワクチン接種が推奨されます。また、ネズミが生息していそうな自然の多いところに居住している場合は、「レプトスピラ」のワクチン接種が推奨されます。

なお、ガイドラインとしてはワクチン接種を推奨していない「非推奨ワクチン」があり、「コロナウイルスワクチン」(※COVID-19とは別物)がこれに該当します。犬コロナウイルスは、感染すると胃腸炎を引き起こすウイルスであり、症状は軽度の下痢・嘔吐で無症状のこともあります。しかし、子犬がかかると重症化する恐れもあります。

混合ワクチン

混合ワクチンは、複数の「コアワクチン」や「ノンコアワクチン」を一度に接種できる便利なワクチンです。
予防できる病気の数によって「5種混合」や「8種混合」などと呼ばれます
日本で販売されている混合ワクチンは、最低でも「5種混合ワクチン」です。この「5種混合ワクチン」は、コアワクチンであるジステンパー、パルボウイルス、アデノウイルス1型、2型に加えて、ノンコアワクチンのパラインフルエンザウイルスを加えた5種類の感染症を予防します。
つまり、愛犬に「狂犬病ワクチン」と「5種混合ワクチン」を接種させれば、コアワクチンの4種+パラインフルエンザウイルスをカバーできるということですね。
6種、7種、8種⋯といった混合ワクチンは、基本の5種混合にノンコアワクチンやコロナウイルスワクチンを追加したものです。種類数が多いワクチンほど、予防範囲が広がったり、予防効果が強化されたりします。

主な混合ワクチン説明
5種混合ワクチン基本的なコアワクチンに、パラインフルエンザウイルスが追加
6種混合ワクチン5種混合ワクチンに、コロナウイルスが追加
7種混合ワクチン5種混合ワクチンに、レプトスピラ感染症2種が追加
8種混合ワクチン6種混合ワクチンに、レプトスピラ感染症2種が追加(すなわち7種混合ワクチン+コロナウイルス)

上記の表から分かるとおり、6種以下と7種以上の混合ワクチンの大きな違いはレプトスピラ感染症が含まれるかどうかです。
レプトスピラ感染症は人にも感染する危険な人獣共通感染症で、野外活動が多い犬にはワクチンの接種が推奨されています。

年齢別のワクチン接種スケジュール

年齢別のワクチン接種スケジュール

犬のワクチン接種は、犬の年齢や成長段階に応じて適切なタイミングで行うことが重要です。
なお「狂犬病ワクチン」と「混合ワクチン」の同時接種は、安全性の問題で推奨されていません。
動物病院の判断も仰ぎながら、接種の際は間隔を空けることが大切です。

狂犬病ワクチンの接種スケジュール

接種が義務付けられている狂犬病ワクチン(狂犬病予防注射)は、生後91日を迎えてから30日以内に1回目を接種します
初回接種後は、毎年1回、4月1日から6月30日までの時期に追加接種する決まりです。

厚生労働省が4・5・6月を狂犬病予防注射月間と定めており、多くの自治体では、毎年4〜6月に指定会場でまとめて接種と登録手続きを行う「集合注射」を地域ごとに開催しています。
また、動物病院で「個別接種」することもできますよ。

ちなみに、この期間を過ぎても接種義務がなくなるわけではありません。もし期間を過ぎてしまったら、動物病院に相談してできるだけ早く接種を受けましょう。接種しない場合、20万円以下の罰金が課されます。
一部自治体では、狂犬病予防注射の時期になると案内ハガキを送付してくれるなど、飼い主さんが忘れずに受けられるような仕組みを整えています。

一般的なワクチン接種スケジュール

以下に、一般的な年齢別のワクチン接種スケジュールを表にまとめました
子犬を迎えた場合の初年度のプログラムと、その後の成犬期の年間スケジュールの目安です。

犬の年齢・時期接種する主なワクチン
生後6~8週齢頃1回目の混合ワクチン(5種~8種などの初回接種)
生後10~12週齢頃2回目の混合ワクチン(1回目から3~4週間後)
生後14~16週齢頃3回目の混合ワクチン(最終追加。生後16週齢以降に実施)
生後91日を経過した時点狂犬病ワクチン(狂犬病予防注射)初回(※生後91日以降30日以内に接種)
生後約1歳(初回混合接種から1年後)混合ワクチンの追加接種(1年目のブースター)
以降成犬(毎年)狂犬病ワクチン(年1回、法定義務)/混合ワクチンの定期接種(年1回が基本。種類や方針によっては数年ごと)

あくまで上記は一般的なスケジュールですが、子犬のワクチン接種は基本的に生後6〜8週齢から始まり、3回に分けて行います
それぞれの接種の目的として、1回目の接種で初回免疫を獲得、2回目の接種で免疫を強化、3回目の接種で確実な免疫を獲得します。
3回に分けることによって、副作用のリスクを抑えながらしっかりと免疫を獲得できるのです。
2回目の接種後に散歩準備を開始し、3回目の接種後に外出が可能となりますよ。その後、成犬期は年1回の接種が基本です。

なお、初回接種の時期や混合ワクチンの種類によって、最適なワクチン接種の回数や間隔は多少変わります。
一部の混合ワクチンは年1回ではなく、3年に1回の追加接種で十分な免疫が維持できるとされるものもあります。
3年ごとの接種となるので、うっかり忘れないようにスケジュールにメモしておきましょうね。

ワクチンの費用、地域・市町村による違い

ワクチンの費用、地域・市町村による違い

ワクチンにかかる費用は、狂犬病のワクチンが1回3千円〜4千円、混合ワクチンは種類によって異なり3千円〜1万円ほどとなります。
予防接種の金額は動物病院によって異なります。自治体によっては、ワクチン接種費用の助成制度が設けられているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

なお、ペット保険は病気やケガの治療を補償するためのもので、ほとんどの場合、ワクチン接種の費用には適用されません。
ただ、ワクチン接種が原因で生じたケガや病気は補償対象になる可能性があるので、加入前に保険の内容をしっかり確認しておきましょう。
なお、お住まいの地域によって犬のワクチン接種に関する手続きやサポートは多少異なることがあります。特に狂犬病予防注射は、法定行為のため、自治体の保健所や生活衛生課が窓口となります。
各自治体のホームページや配布資料を確認し、必要な手続きを把握しておくことが大切です。費用や手続きについて、分からない点があれば、地元の動物病院や自治体の担当部署に問い合わせると安心です!

まとめ

ワクチンの流れのまとめ

本記事では犬のワクチンの基礎知識と重要性、そしてスケジュールについて解説しました。
犬のワクチンは愛犬の健康を守り、人やほかの動物への感染症拡大も防ぐ重要な手段です。法律で義務付けられた「狂犬病ワクチン」は必ず接種し、任意接種の「混合ワクチン」についても、愛犬を大きな病気から守るため計画的に受けさせましょう。
愛犬にとっての最適なワクチン接種スケジュールは、年齢差や個体差、基礎疾患の有無による差があります。定期的に獣医師さんと相談して、副作用のリスクなども考慮しながら計画を立てることが大切です。また、計画したスケジュールをうっかり忘れないよう、記録をしながら管理することも大切ですね。
愛犬と飼い主さん、ご家族が安心して幸せに暮らせるよう、獣医師のアドバイスや自治体からの案内を活用しながら、適切にワクチン接種を行いましょう!
ぜひこの記事を、そんなワクチンプログラムの考案に役立てていただければ幸いです。

 この記事の監修者

吉田萌 (NPO法人ドッグトレーナー2級)

国際動物専門学校 しつけ・トレーニング学科卒
噛み・吠え癖の酷い元保護犬のビーグルを里親に迎えた事をきっかけに『褒めてしつける』を念頭に活動。 自身の経験を活かし、しつけイベントにて飼い主に寄り添ったトレーニング方法を指導。 ナチュラルペットフード・栄養学の知識にも精通。保有資格はNPO法人ドッグトレーナー2級の他に、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級など。

資格
NPO法人ドッグトレーナー2級、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級

あわせて読みたい

この記事を書いた人

マイコ―

編集者/ライター。東京の下町生まれ&下町育ち。ベトナム人の夫と猫と、にぎやかに暮らしています。怒るのが苦手で、その昔「彼氏 怒り方」と検索したことがあります。犬と猫2匹を同時に飼っていた時期、犬の中での順位は猫たちよりも下でした。かわいいので許します。

NEW

新着記事

RANKING

お悩みから探す