
寝ているはずの飼い犬が、キュンキュンと鳴いている……。かわいいけれど、これって寝言?犬も寝言なんて言うの!?とびっくりしますよね。
怖い夢でも見ているのか、寝苦しくてうなされているのか、はたまた気持ちよく眠っているだけなのか。心配になる飼い主さんもいるかと思います。
本記事では、犬が寝言を言う原因や注意すべき場合について解説します。
この記事を書いた人
かわにしあみ
北海道出身、岐阜県在住。美術館に勤めたのち、現在はオンライン書店の開業をめざしている。ごはんと旅行とライブが大好き。
長らく猫派だったのが、夫の実家にいたラブラドールレトリバーにメロメロになり、大型犬好きに。アウトレットモールや広い公園で犬を眺めるのが大好きです。
犬の睡眠について

犬の睡眠サイクル、睡眠時間、脳のはたらき、犬が夢を見ている時の見分け方について説明します。
犬の睡眠サイクル
人間と同様、犬にもレム睡眠とノンレム睡眠があります。
レム睡眠:体は休んでいる一方で脳は活発に働いている浅い眠り。眼球がすばやく動くのが特徴で、夢はこのレム睡眠のときに見ることが多いといわれています。
ノンレム睡眠:脳も体もしっかりと休む深い眠り。体の疲労回復や成長に関わる、健やかな毎日を支える大切な時間です。
人間はこのふたつを交互に90分ごと繰り返しますが、犬には野生の名残があるため、敵に襲われてもすぐ逃げられるようレム睡眠の割合が高いといわれています。
レム睡眠中は夢を見ることが多く、寝言も主にこの時に言うことが多いです。
犬の睡眠時間
小型犬・中型犬の睡眠時間は10〜15時間、大型犬は18〜20時間といわれています。
体格や運動量による個体差はあるものの、大型犬の睡眠時間は小型犬・中型犬より長い傾向にあります。
睡眠中の脳のはたらき
犬が寝言を言うのは脳のはたらきによるものです。犬は人間と同様、脳が活発に動くため、寝ている間も鳴き声や脚の動きがみられます。
日中の活動量が多いほど脳が活発にはたらくため、狩猟犬や牧羊犬といった活発な犬種は寝言が多い傾向にあります。一方、大人しい犬種では寝言の頻度が少なくなります。
夢を見ている時の見分け方
眠っている犬がこのような状況の時、夢を見ている可能性が高いです。
- 寝言を言っている
- ピクピク動く
- 目が動く
寝ている時に目が動くことを「急速眼球運動」といいます。これはレム睡眠の時にあらわれる症状で、脳が活発に動いている=夢を見ていることを示します。
「夢を見ているのかな?」と気になったら、見分け方の参考にしてみてください。
犬が寝言を言う原因

人間と同じく、犬にとって寝言は生理現象です。ほとんどの場合、健康上の問題はありません。
ただし、体の動きや呼吸の乱れを伴う場合には注意が必要です。
犬が寝言を言う原因について解説します。
夢を見ている
犬が夢を見ているとき、寝言を言うことがあります。散歩や遊びなどの記憶を夢で再現し、それに呼応して鳴いていると考えられます。
夢を見て寝言を言うのは生理現象であり、健康面での心配はありません。
ストレスや不安
寝ている犬が頻繁に強い鳴き声をあげている時は、ストレスや不安を抱えている可能性があります。
・環境の変化
・孤独を感じている
・周囲の音などが気になる
このような場合、居心地の良い環境を整えてあげることが大切になります。詳しい対処法については後述します。
体調不良
眠っている犬の動きや呼吸音が異常な場合、呼吸器・神経異常といった体調不良を引き起こしている可能性があります。
「普段と様子が違う」と感じたら、動物病院に相談してください。その際、寝ている様子を動画で撮影しておくと受診の手助けになるでしょう。
加齢
シニア犬が寝言を言っている場合、加齢によって脳機能が変化し、夢を見る頻度が増えていると考えられます。
夢を見るのは生理現象であるため、健康上の問題はありません。
寝言の意味と注意度
寝言の音や鳴き方によって、意味や注意すべき度合いは異なります。
夢を見ているだけなのか、それともストレスや病気がひそんでいるのか、見分ける参考にしてみてください。
| 鳴き声 | 意味・心理 | 注意度 |
|---|---|---|
| キュンキュン、クンクン | 甘え、夢の中で飼い主を呼んでいる | 正常 |
| ポワポワ、ピーピー | 子犬が母犬を探す夢、安心音 | 正常 |
| ワンワン、うなる | 夢で警戒、追いかけっこ | 正常~軽度注意 |
| 悲しそう、低い声 | 不安、ストレス | 注意 |
| 吠えながら暴れる、痙攣する | レム睡眠行動障害、てんかんの可能性 | 要受診 |
どんな夢を見ているの?:行動ごとにわかる夢の内容
犬が夢を見て寝言を言っている時は、健康上の問題はありません。
とはいえ「うちの子はどんな夢を見ているのだろう?」と気になりますよね。
寝ている犬がとる行動ごとに、見ていると思われる夢の内容を解説します。
| 行動 | 夢の内容 |
|---|---|
| 脚をバタバタ | 夢の中で走っている |
| しっぽを振る | 飼い主や遊びの夢 |
| 口をもぐもぐ | ごはんの夢 |
| キュンキュン鳴く | 甘える夢、楽しい夢 |
| 目を閉じたまま「ウー」とうなる | 警戒夢 |
夢の内容は「その日の体験や感情の整理」と考えられています。飼い主さんと楽しく遊んだり、おいしいごはんを食べたりした日には、そのことを夢に見ているのかもしれませんね。
寝言が激しい場合に考えられるリスク
ほとんどの場合、犬の寝言には問題がないことが多いです。
ただし、寝言や動きが激しい時には病気がひそんでいるケースもあります。
寝言や動きが異常だと感じたら、以下の表を参考にし、病院の受診や環境の見直しをはかってください。
| 症状 | 疑われる病気 | 対処法 |
|---|---|---|
| 痙攣、硬直 | てんかん発作 | すぐに動画を撮って受診 |
| 息が荒い、苦しそう | 呼吸器疾患 | 安静+受診 |
| 何度も寝言、徘徊 | 認知症の初期症状 | 生活環境を安定化 |
| 突然立ち上がる、転倒 | 神経系トラブル | 神経科の受診・CT検査 |
飼い主ができるサポート
犬が心地よく眠るためには、飼い主がサポートしてあげることも大切です。
飼い犬のストレスへの対処法と、寝言を言っている最中のサポートについて説明します。
ストレスへの対処法
ストレスや環境が原因で寝言を言っていると思われる場合、以下のことを試してみてください。
- ふれあう時間を増やす
飼い犬が留守番をしたりすることで孤独を感じている時は、ふれあう時間を増やすと良いでしょう。
なるべく留守番の時間を減らす、スキンシップの回数や時間を増やすなどして、飼い犬との時間を少しでも取ってあげることで、寂しさが軽減し安心して眠れるようになるでしょう。
- 寝床の環境を整える
飼い犬が周囲の音や光などを気にしている場合、安眠できるように環境を整えてあげましょう。
室温を22~25℃に保つ、物音のしない静かな場所に寝床を確保する、直射日光の当たらない場所を寝床にするなど、ぐっすり眠れるように工夫すると良いでしょう。

寝言は放っておいていい?
犬が寝言を言っている時、心配だからとむやみに起こすのは逆効果です。
無理に起こすと犬がストレスを感じてしまいます。基本的にはそっと見守るようにしましょう。
キュンキュン鳴くなどの軽い寝言は、健康上の問題はありませんので、そのまま寝かせてあげましょう。
苦しそうにしていたり、息切れや痙攣がみられたら、動物病院に相談してください。
まとめ:寝言は”飼い犬の健康”を知るヒント

犬の寝言は、その日楽しかったことを夢に見ていたり、ストレスや病気がひそんでいたりすることを知ることのできるヒントといえるでしょう。
ほとんどの寝言は、日中の刺激や思い出を整理している証拠です。安心した環境で過ごせているという良いサインですね。
ただし注意が必要な場合もありますので、飼い犬の様子を日頃から観察するようにしてください。
本記事が、飼い犬とより健やかに過ごせる手助けになれば幸いです!
この記事の監修者

鮎川 多絵 (愛玩動物飼養管理士2級・ライター)
東京都出身。1986年10月生まれ。趣味は映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ。
家族は保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)。
犬と私
子供の時からイヌ科動物が大好きでした。戸川幸夫氏の「牙王」で狼犬に憧れ、シートン動物記で「オオカミ王ロボ」に胸を打たれました。特に大きな犬のゆったりとした雄姿には目を奪われます。保護犬と保護猫の飼育経験から、動物関連の社会問題、災害時のペット同伴避難について意識を向けています。



