「ポタポタとよだれが止まらない!?犬のよだれが多い原因は何?」

犬がよだれを垂らす姿を見たことはありますか?このよだれを垂らす状態には、特に問題がない場合と、すぐに獣医師に見てもらうべき状況があります。
この記事では、どんな時に緊急を要するのか、どんなよだれが危険なのかを詳しく解説します。

この記事を書いた人

鮎川多絵

東京都出身。1986年10月生まれ。趣味は映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ。
家族は保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)。
子供の時からイヌ科動物が大好きでした。戸川幸夫氏の「牙王」で狼犬に憧れ、シートン動物記で「オオカミ王ロボ」に胸を打たれました。特に大きな犬のゆったりとした雄姿には目を奪われます。保護犬と保護猫の飼育経験から、動物関連の社会問題、災害時のペット同伴避難について意識を向けています。

よだれが出る生理的な原因(心配のいらないよだれ)

犬がよだれを垂らす原因には、生理的な現象が影響していることがあります。まずは、特に心配のいらない生理的な原因から見ていきましょう。

原因よだれが出る理由・ポイント
食べ物を見たとき消化準備で唾液が分泌される。食事やおやつを見せた時に出るのは問題なし
暑さ(体温調節)口を開けて「ハァハァ」するパンティングで体温調節。夏の散歩後などに出やすい
車酔い吐き気で唾液の分泌が促される。こまめな休憩・ゆっくり運転を
リラックス副交感神経が働き、サラサラした唾液が出る
ストレス引っ越し・雷・花火・長時間の留守番などで交感神経が優位になり増える

食べ物を見たとき

よだれ=唾液は、体調不良以外でも出ることは当然にあります。食べ物を見ると、自然によだれが出てきます。よだれの量には差がありますが、消化準備のために分泌されるのです。食事の準備をしている時、おやつを見せた時などに急によだれが出てきたのであれば、特に問題はないでしょう。

暑さによる体温調節

人間は汗をかいて体温調節していますが、犬は(特定の部位でしか)汗をかくことができません。代わりに、口を開け、舌を出して「ハァハァ」と息をして体温の調節をしています。この行動を「パンティング」といい、犬にとっては重要なことなのです。気温が上昇した日、特に夏のお散歩時や帰宅後には、口を開けていることでポタポタとよだれが滴っていることもあるでしょう。生理現象のひとつですので問題はないものの、過剰によだれを出していたり、ぐったりしていたり、落ち着きがないなどの様子であれば状況は異なります。危険な場合は次の「病気が原因のよだれ」で改めてご説明します。

車酔い

犬によっては車に乗っている時によだれが増える子もいます。この場合は車酔いの可能性があります。車酔いをすると吐き気を引き起こし、よだれの分泌を促す神経が刺激されます。こまめに休憩をとる、なるべくゆっくり運転することを心掛けましょう。どうしても必要であれば、獣医師に相談をして酔い止めをあげることも検討してみてください。

リラックスしている

人間も犬もリラックスをしているときは、自律神経の一つである副交感神経が働きます。心拍数が低下して体がリラックスした状態になり、神経の影響でサラサラとしたよだれが出やすくなります。気持ちが落ち着き、休息しているときに出るよだれは、生理現象のひとつです。

ストレス

緊張したり、ストレスを感じるとよだれの量が増えることがあります。引っ越し等で新しい環境になったこと、雷や花火などの大きな音、長時間のお留守番など、犬にとって過度なストレスがかかると交感神経が優位に働きよだれが増えます。犬の様子をよく観察し、どのようなことがストレスになっているのか考えてみましょう。原因がわかったらなるべく排除し、普段から十分な遊びや運動でストレス発散をさせ、リラックスした時間が過ごせるようにしてみましょう。
※交感神経とは、副交感神経と同様に自律神経の一つで、ストレス反応や興奮状態に関与しています。

病気が原因のよだれ(危険なサイン)

病気が原因のよだれ

生理現象で出るよだれにも、気を付ける場合はあります。では、明らかな病気などで出るよだれにはどんなものがあるのでしょうか?次の4つは特に注意が必要です。

中毒・誤飲

散歩中、または室内で誤って食べ物以外の物を口に入れてしまった時、うまく飲み込めずに喉に引っ掛かってしまった時、誤飲・誤食によってよだれが増えることがあります。また、ぶどうやチョコレート、玉ねぎなど犬にとって有毒なものを口に入れてしまうと中毒症状を起こします。よだれ以外に嘔吐や下痢などの症状が出た場合も危険です。すぐに獣医師に診てもらいましょう。普段からなんでも口にしやすい犬は特に、地面に何か落ちていないか飼い主さんが十分に注意してあげましょう。

口腔内トラブルによるもの

口腔内のトラブルはさまざまな病気の原因となります。これは人間も同様ですね。歯周病や口内炎、口腔内腫瘍など口の中のトラブルによってよだれも増えます。口腔内の病気の場合には、よだれに粘り気があったり、悪臭があったり、歯肉から血が滲んでいることも。いつもと違う、異常かもしれないと思ったら獣医師に診察してもらいましょう。これらのトラブルを避けるためにも、日頃から歯磨きなどのデンタルケアをしっかりと行いましょう。

熱中症などの体調不良

犬はパンティングをすることで体温調節を行っています。しかし、ぐったりしている、舌や口の中が赤色や紫色になっている、嘔吐や下痢、異常なよだれの量、苦しそうにしているなどの症状は熱中症が疑われます。一刻を争いますので、すぐに獣医師に見せてください。BIGDOGLUCKでは「犬の熱中症、こんな症状は危険!軽度から重度までのサインと対処法完全ガイド」でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

消化器系(胃腸)の病気

胃腸のガン、消化器系の炎症等の疾患にかかると、よだれをたくさん垂らすことがあります。その他にも、元気がない、食欲がない、下痢、腹部膨満などの兆候がみられることも。お腹が痛いときには、犬はお腹を守るような動きを見せます。また、大型犬に多い胃捻転や胃拡張になったときも、よだれをたくさん出すことがあります。緊急を要する事態ですので、すぐに獣医師に見てもらってください。

ワン!ポイント こんなよだれ・症状はすぐ受診を

よだれに加えて、嘔吐・下痢・ぐったりする・舌や口の中が赤〜紫色・苦しそう・強い口臭や血が混じるなどが見られたら、迷わず動物病院へ。特に大型犬の胃捻転・胃拡張中毒は一刻を争います。

緊急を要する症状と受診の目安

緊急を要する症状と受診の目安

緊急を要する場合については先に解説しましたが、よだれのみで判断をするのはなかなか難しいこともあります。普段の様子と違う、よだれ以外にも元気がない、食欲がない、嘔吐や下痢などの体の状態をよく観察し、気付いてあげることが重要です。日々を共に過ごしていると忘れがちですが、元気な状態を覚えておくことで、異常時の様子の違いに気付くこともあります。また、定期的な健康診断はとても重要です。見た目には分からないことも、健康診断によって早期発見につながることがあります。人間と同様、年齢を重ねると病気にもなりやすくなります。かかりつけの獣医師を見つけて、定期的な健康診断を受けましょう。

いつもと様子が違うと気付くためのポイント
  • 元気な普段の状況もよく観察しておくこと
  • 定期的な健康診断を受けること

よだれを垂らしやすい犬種

よだれを垂らしやすい犬種

よだれはどの犬にも出るものです。さらに、犬種等によってよだれを垂らしやすい場合もあります。まずはタイプ別に、よだれが出やすい理由を見てみましょう。

タイプよだれが出やすい理由
小型犬歯周病になりやすい/短頭種は構造上たまりやすい
大型犬口が大きく顎が長い/胸が深い犬種は構造的に垂れやすい
子犬歯の生え変わり期(生後4〜7ヶ月)に増える
シニア犬口腔トラブルの増加、筋力低下で口が閉じにくくなる

小型犬

小型犬ではトイ・プードル、ダックスフント、イタリアン・グレーハウンドは歯周病になりやすく、よだれを垂らしやすい犬種です。他にも、鼻の短い短頭種であるフレンチ・ブルドッグ、パグなどは構造上の問題でよだれがたまりやすい犬種です。

大型犬

セント・バーナード、ブラッドハウンド、マスティフ、ニューファンドランドなどの超大型犬種や、長い顎を持つ犬種は構造的によだれが垂れやすく、多く出します。その他、超大型犬ではありませんが、ドーベルマン、シェパードのような胸の深い犬種もよだれが出やすいです。胸が深いことで、胃拡張や胃捻転が起こりやすいといわれています。

ワン!ポイント 胸の深い犬の「胸が深い」とは?

背骨から胸骨までの胸の長さが長く、胸の右から左への幅が狭い犬のことをいいます。犬種では特に大型犬が多く、グレートデーン、ボルゾイ、ジャーマン・シェパード、ドーベルマン、セントバーナード、セッターなどです。胸郭が深く狭いため、解剖学的にげっぷの能力が損なわれ、胃捻転などのリスクが高くなるとされています。

子犬

子犬は生後数週間で乳歯が生え始め、生後4〜7ヶ月頃に永久歯に生え替わります。その歯の生え変わり時期に、歯茎のむずむずする痒さや痛みを和らげるためによだれが多くなります。子犬から飼育している方はよく見かける光景かもしれませんが、歯の生え変わりの頃は、室内の家具やおもちゃをよく噛んでいます。

シニア犬

シニア犬(高齢犬)は、注意が必要なよだれもあります。若い頃よりも口腔内のトラブルが増え、歯肉炎や歯周病などにかかってよだれが増える傾向があります。また、歯周病以外にもガンや膵炎、腎臓病、熱中症などのリスクが高まります。さらに筋力も衰えるため、口がきちんと閉じられず唾液が垂れやすくなったりもします。

「よだれやけ」のお家ケア

「よだれやけ」のお家ケア

よだれというと、口の周りが赤茶色になる「よだれやけ」が気になる方もいるかもしれません。これは、よだれ=唾液に含まれる雑菌が原因となり、口のまわりの毛が茶色や赤茶色に変色し、毛が束のようになってしまう状態です。マルチーズやシーズー、ミニチュアシュナウザーなどの口周りに髭のある犬種によく見られます。変色していなかったとしても、よだれを垂らしたままにすると痒みの原因となることがあります。口の周りを清潔に保つためにも、予防したり、普段からケアをするようにしましょう。犬の体に触ってケアをすることで、さまざまな体の変化や体調に気付くこともできるためメリットがあります。

よだれやけの予防策予防のメリット
こまめにタオル等で拭く普段のよだれの量を把握でき、異常時に気付ける
よだれやけ専用のクリーナーを使う犬の体調の変化に気付くことができる
獣医師・動物看護士に相談してみるスキンシップになり関係づくりにもつながる

まとめ

まとめ

犬のよだれには問題がない場合も多いですが、ちょっとした体調の変化や異常に気付くことができる体のサインでもあります。普段からよく犬を観察しましょう。そして、何か不安や疑問に思うことがあれば、かかりつけの獣医師に相談をしてみてください。口腔ケアも毎日の習慣として、愛犬が健康に過ごせるようにしましょう。

鮎川多絵
鮎川多絵

よだれは、毎日そばで見ているからこそ気付ける『体のサイン』です。『いつもと違う』を早く見つけてあげられるよう、普段の様子やよだれの量を覚えておいてあげてくださいね。

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鮎川多絵

東京都出身。1986年10月生まれ。趣味は映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ。
家族は保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)。
子供の時からイヌ科動物が大好きでした。戸川幸夫氏の「牙王」で狼犬に憧れ、シートン動物記で「オオカミ王ロボ」に胸を打たれました。特に大きな犬のゆったりとした雄姿には目を奪われます。保護犬と保護猫の飼育経験から、動物関連の社会問題、災害時のペット同伴避難について意識を向けています。

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