
犬のかわいらしい仕草はたくさんありますよね。筆者は中でも、犬が「クーン」と鳴くのがかわいくて仕方ないです。
最初はこの「クーン」という鳴き声に対して疑問がなかったのですが、どうやらこれは「犬が鼻を鳴らしている」という行為のようで、なにやら鼻を鳴らすときには条件があるようです。
「フンフン」「フガフガ」などと鼻を鳴らすこともありますよね。一体どうしてなのでしょうか。今回は犬が鼻を鳴らす理由について詳しく調べてみました。
甘えたいとき

犬は飼い主に甘えたいときに鼻を鳴らす傾向があります。鼻の鳴らし方は犬の自律神経の状態や感情のバロメーターとして研究されることが多いです[1]。
犬が「ピーピー」「クーン」などと鼻を鳴らすのは子犬期の名残であるケア・シーキング行動(世話を求める行動)に基づいています。
飼い犬は成犬になっても飼い主に対して子犬が母犬に接するような行動をとるのです。母性がくすぐられて犬への愛情が深まりますね。
そもそも犬が鼻を鳴らすのは、鼻腔の微振動によるものです。鼻腔から細かく空気を抜くことで、高周波の音を出し、相手の保護欲を刺激するようです。
[1]Nagasawa M. et al「Social evolution. Oxytocin-gaze positive loop and the coevolution of human-dog bonds.」(Science, 2015年)
興奮しているとき

犬は遊びの中で興奮が高まると、相手に対して「これは攻撃ではなく遊びだよ」というメタ・コミュニケーションを取ることがあります。このときの音は鼻を短く鳴らす音です。犬の社会的行動に対する研究ではこの鼻鳴らしが、犬同士の対立を避け、遊びを継続するための「なだめ行動」になっているとされています[2]。
犬同士や人間相手のときにもよく鼻を鳴らしていますね。
遊んでほしいという気持ちが全面にでているといつもかわいい愛犬がなおさらかわいく見えるのではないでしょうか。
[2]Louie, K., & Wilson, M. A.「Temporally structured replay of awake hippocampal ensemble activity during rapid eye movement sleep.」(Newron, 2001年)
寝ているとき

甘えているときと同じく、寝ているときの鼻の鳴らし方は犬の自律神経の状態や感情のバロメーターとして研究されることが多いです[3]。
人間と同様に、寝ているときに鼻を鳴らす行為は睡眠の状態を示しているようです。
レム睡眠(浅い睡眠状態)の際には、犬も人間と同じく夢を見ているとされています。夢の中での行動が鼻を「フガフガ」と鳴らすことにつながっています。
なんだか人間の寝言のようでかわいらしいですね。
[3]Packer, Rowena M A et al. 「Impact of Facial Conformation on Canine Health: Brachycephalic Obstructive Airway Syndrome.」(Plos one, 2015年)
犬種による鼻の鳴らし方の違い

犬は先述した通り、鼻腔から空気を抜いて鼻を鳴らしますが、もちろん犬種による違いがあります。頭蓋骨の形状や鼻の長さが関係してくるためです。
短頭種(パグ・ブルドッグなど)は鼻腔が狭く、喉の軟口蓋が長いため空気抵抗が大きくなり、日常的に鼻が鳴りやすいことが分かっています。
一方で中頭種(柴犬、ラブラドールレトリバー/ゴールデンレトリバーなど)・長頭首(ボルゾイ、コリー、ミニチュアダックスフンドなど)では構造的に短頭種よりは鳴りにくいのですが、異物が入り込んだときの排出方法の1つとして鼻を鳴らすことがあります。
心配な音と病院に行くべきサイン

犬のかわいらしい鼻を鳴らす行為は、ときとして医師への相談が必要なこともあります。基本的に犬が鼻を鳴らすのはくしゃみをしたいときかコミュニケーションによるものが多いです。
しかし、以下の様子がある場合は、スマートフォンなどで撮影し、医師に相談してみてください。
- 寝ているときのいびき(毎晩、非常に規則的に、呼吸のたびに鼻が鳴るとき)
- 鼻を鳴らす頻度が急激に増えた
- 音が「ズーズー」ではなく「ヒューヒュー」という喘鳴音になった
- 鼻汁が透明ではなく黄色や緑色の粘り気のあるものになった
- 鼻血が混じっている
- チアノーゼがある(舌や歯茎が紫・青白くなっている)
- パンティングしている(過ごしやすい環境にいるのに口を開けて激しく呼吸している)
- 努力性呼吸をしている(お腹を大きく波打たせて呼吸している)
犬のかわいさに夢中!

基本的に犬が鼻を鳴らすときはご機嫌なときが多いようですね。
安心して犬と関わる一助になっていれば幸いです。言葉をしゃべらない動物だから、このような音を出すことが一つのコミュニケーションになるという意味でも、飼い主さんにとっては胸を打たれるのではないでしょうか。
飼い主さんの家族である犬のかわいらしさでもっと夢中になること間違いなし!
甘えや興奮状態を見極めて楽しい生活を送れますように。
この記事の監修者

鮎川 多絵 (愛玩動物飼養管理士2級・ライター)
東京都出身。1986年10月生まれ。趣味は映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ。
家族は保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)。
犬と私
子供の時からイヌ科動物が大好きでした。戸川幸夫氏の「牙王」で狼犬に憧れ、シートン動物記で「オオカミ王ロボ」に胸を打たれました。特に大きな犬のゆったりとした雄姿には目を奪われます。保護犬と保護猫の飼育経験から、動物関連の社会問題、災害時のペット同伴避難について意識を向けています。
