ごまのかかったドッグフードを見つめる柴犬

愛犬の健康に役立つ食材を食事に取り入れたいと考えるのは自然なこと。
「玉ねぎやチョコレートはダメだと知っているけれど、ごまのような小さな食材はどうだろう?」
他にも、「煎りごますりごま、ごま油といった加工形態に注意点はないのか?」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
ごまが犬にもたらす栄養的なメリットを解説しながら、特に注意すべき「与え方」「加工形態(すりごま・煎りごま)の消化への影響」、避けたい加工品のリスクについて、詳しく解説します。

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犬はごま/ごま油を食べても大丈夫?基本の安全性と栄養素

ごまは、基本的には犬に有害な成分を含んでいないため、適量を守れば与えて大丈夫な食材です。

結論:適量を守れば、基本的には安全な食材

しかし、一部の犬では、「ごまアレルギー」や持病を持っていることがあるため、まず、下記の点がないか確認しましょう。

ごまアレルギー

ごまは、アレルギーを引き起こす可能性のある食材の一つです。
初めてごまやごま油を与える際は、ごく少量から始め、食後に以下の症状が出ないか注意深く観察してください。

  • アレルギーの初期サイン
    下痢、嘔吐、口回りや体を痒がる、湿疹。
  • 重篤な場合
    呼吸困難や意識障害など、命に関わる症状が出ることもあります。
    異変を感じた場合は、速やかに動物病院に連絡し、獣医師に相談しましょう。

腎臓病や持病がある犬への対応

犬の健康に欠かせないリンは、腎機能が低下している犬の場合、体外に排出されずに体にたまり、腎臓にさらなるダメージを与えるリスクがあります。
ごまは、良質な不飽和脂肪酸や、リンやカリウムといったミネラルを比較的多く含みます。
持病を持つ犬(特に腎臓病や膵炎)へは、必ず事前にかかりつけの獣医師に相談し、その指導に従って量や与え方を調整することが不可欠です。

ごまに含まれる主な栄養素と健康効果

ごまは「食べる丸薬」といわれるほど栄養価が高く[1]、健康に良い成分が豊富に含まれています。
ごまの栄養素の中で、特に犬の健康維持に役立つとされる成分をご紹介します。

要素特徴と犬の健康への効果
ごまリグナンセサミン、セサモリンなどの成分の総称。
強い抗酸化作用を持ち、活性酸素の働きを抑制し、老化やがんの予防をサポートする。
不飽和脂肪酸リノール酸(オメガ6系)やオレイン酸(オメガ9系)を含み、血中の悪玉コレステロールを抑制する効果が期待される。
特に肉食を好む犬の食事で不足しがちな良質な油分で、腸内で水分を吸って便のかさを増やし、腸を刺激して便通を促す効果があります。[2]
カルシウム含有量は牛乳の10倍以上ともいわれ、骨や歯の成長をサポートします。
実は、抗ストレス作用もあり、落ち着きを与えるためにも役立ちます。
ビタミンE強い抗酸化作用を持ち、老化防止をサポート。
ビタミンEはごまリグナンと一緒に摂取することで相乗効果が生まれ、活性がより増強されるといわれている。

[1]農林水産省「特集2 食材まるかじり ごまのチカラ
[2]公益財団法人長寿科学振興財団「食物繊維の働きと1日の摂取量

白ごまと黒ごまの栄養素の違い

ごまには3000種類ほどあります。
基本の成分には大きな違いはありません。

白ごま

黒ごまよりも脂質が高い傾向があり、ごま油に利用されています。
粘液を調整し、肺を潤す効果が期待できるため、犬の皮膚の乾燥や毛のパサつきが気になる場合におすすめです。

黒ごま

黒い種皮の色は、ポリフェノール(アントシアニン)の色です。
不溶性食物繊維を多く含み、強い抗酸化作用があるため、筋力アップのために与えると効果的です。

【消化と吸収】そのまま与えた方がいいのか?すりごまのメリットと注意点

ごまの与え方の注意点として重要なのは、そのままの形で与えるか、加工して与えるかによって、消化・吸収の効率が大きく変わる事です。
この記事でおすすめする与え方は「すりごま」です。

なぜ「すりごま」が良いのか

すり鉢でゴマをする

実は、犬も人間も同じなのですが、ごまは、粒の状態では、種皮が硬いため消化吸収ができず、そのまま便として排出されてしまうといわれています。
吸収ができなければ、ごまの良い効果を得ることができません。
あらかじめ、 種皮を取り除いた状態にするため、「すりごま」や「刻みごま」にすることが、良いのです。

ワン!ポイント 活用例

実際に、犬用の総合栄養食であるフレッシュドッグフードの中には、風味や栄養アップのために「すりごま」を使用している事例があります。

すりごまを与える際の注意点

消化不良・下痢のリスク

 ごまは100gあたり水溶性食物繊維が2.5g、不溶性食物繊維が10.1gと、特に、不溶性食物繊維が豊富です[3]
ごまに含まれる不溶性食物繊維は、ごぼう(5.6g)よりも多く、水分を吸収して便の容積を増やすことで、便通の改善に寄与します。
しかし、犬は人間と比べて消化器官が短いため、繊維質の多い食材の消化を得意とはしていないのです。
そのため、ごまでも過剰摂取すると消化不良による下痢などを引き起こす可能性があります。

[3]日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「ごま

脂質が多い

ごまは、小さな姿からは想像もつきにくいですが、100gあたり脂質は54.2gも含まれています
そのためごまを食べすぎると、脂質の過剰摂取につながり、脂肪が蓄積します。
大さじ1杯のごまのカロリーは約60kcalあります。
1日に必要なカロリーは、成犬の体重が5㎏程度の場合、およそ400kcal前後と考えた場合、かなりの割合を占め、与えすぎということがわかります。
与えすぎか不安な場合は、一日に必要なカロリーに占める割合で考えると分かりやすいです。
与える場合、まずは、小さじ1/2から1杯で調整しましょう
また、すりごまの場合、体積が増えてしまうため、スプーンで測る場合は、実際の重さよりもやや多く誤差が生じてしまうため、注意が必要です。

目安ごまの量脂質の量カロリー
大さじ110g5.4g60kcal
小さじ12.4g1.2g14kcal

酸化に注意(与える直前にすりつぶす)

ごまは油分が多いことから、すりつぶした後、時間が経つにつれてどんどん酸化が進んでしまいます
酸化した油は風味が落ちるだけでなく、食中毒につながる危険性もあるため、犬に与えるのは避けましょう。
ごまをすりつぶすタイミングは、与える直前がおすすめです。

「ごま油」のような加工品は犬の健康に良いの?

 名前の通り、油そのままなので、敬遠されがちですが、ごま油は、香ばしい香りが犬の食欲をそそるため、ドッグフードの風味付けとしてごく少量であれば与えても大丈夫です。

ごま油の健康効果(皮膚と抗酸化)

ごまと同様に、ごま油でも、同様の効果が期待できます。

皮膚の健康維持

ごま油の主成分は、体内では合成することができない必須脂肪酸のリノール酸であり、皮膚のバリア機能を正常に保ち、潤いのある皮膚や艶やかな被毛の維持に重要な役割を果たします。

老化防止のサポート

セサミンやビタミンEの強い抗酸化作用により、老化の原因とされる活性酸素の働きを抑制し、細胞の健康を保つサポートが期待できます。

与える際の適量目安。肥満リスクに注意

ごま油と2本のスプーンに入ったゴマ

ごま油の場合、100%脂質であるため、非常に高カロリーです。
大さじ1杯で約110kcalもあり、高カロリーな食べ物となってしまいます。
過剰摂取は肥満の原因となります。

与える量の目安

あくまで「風味付け」として使用し、小型犬であれば1、2滴中型犬や大型犬でも数滴程度に留めましょう。
スプレーなどを用いて、かけるほうが安心です。

頻度

日常的に多量に与えるのは避け、1〜2週間に1回程度、便通が気になる日や、散歩などの活動前などに用いると良いでしょう。

ごま油を避けるべき犬種やリスク

膵炎やアレルギーのリスク

高脂肪の食事は膵臓に大きな負担をかけ、膵炎を引き起こすリスクを高めます。
そのため、膵炎になったことがある犬や、膵炎になりやすいとされる犬種(柴犬、ミニチュア・シュナウザーなど)には、自己判断でごま油を与えるのは避けるべきです。

酸化油の危険性

開封してから時間が経った古い油は酸化が進み、犬の体に悪影響を及ぼすため、開封後は冷蔵庫などで保管し、なるべく早く使い切りましょう。

加熱処理された」ごま油を選ぶ

私たちが一般的に使用する香ばしいごま油は焙煎されています。
未精製で加熱処理されていない油は、犬の消化に負担をかけるため避けましょう。

犬に与えてはいけない!加工品とNGケース

ごまを使った加工品は、安全なイメージとは裏腹に、犬にとってリスクが高いので注意が必要です。
特に、ごまを使った人間用の加工品(ごまドレッシング、ごませんべい、ごま豆腐、ごまプリンなど)は、塩分・糖分・添加物のリスクがあるため、犬に与えるのは避けましょう。

塩分と腎臓への負担

犬が1日に摂る食塩の量は人間の1/3程度で十分と考えられています。
人間用の惣菜や加工品を与えると塩分摂取量が過剰となり、心臓や腎臓に負担をかけてしまう可能性があります。

糖分と肥満リスク

ごまプリンやクッキーは砂糖(糖分)が含まれているため、肥満の原因となります。

中毒成分の混入

ドレッシングなどの調理、調味に使うものの中には、にんにくや玉ねぎといった犬の中毒症状を引き起こす可能性がある食材が使われている危険性があります。

まとめ

ごまは、ごまリグナン良質な不飽和脂肪酸など、犬の健康維持をサポートする成分が豊富に含まれており、犬が食べても大丈夫な食材です。
特に効率的に栄養を吸収させるためには、粒のままではなく、与える直前にすりつぶした「すりごま」として、ごく少量を与えることがおすすめです。
しかし、高カロリーであり消化しにくい食物繊維も豊富なため、普段のドッグフードのトッピング程度に留め、人間用の加工品は絶対に与えないようにしてください。
愛犬の体調や年齢に合わせて適切にごまを取り入れることで、日々の食事をより豊かで健康的なものにしていきましょう。

この記事を書いた人

ちぃ

横浜京急沿線生まれ。
現役の漢方薬剤師として人々の健康をサポートする一方で、日本各地の美しい風景や鉄道写真に魅せられ、カメラを片手に旅をしています。
この活動は、まさにトラベルフォトグラファーのように、日本の素晴らしさを伝え、人々が笑顔で健康に過ごせる社会を目指す、私自身の挑戦です。趣味も仕事も全力で楽しむため起業し、食と旅、そして健康をテーマにしたイベント事業を展開中。OL時代やカフェ経営で培った「人々に価値を届ける」多角的な視点は、日本の魅力を紡ぎ、読者の心に響くコンテンツライターとしての活動にも繋がっています。

大型犬といえば、ラブラドール。隣家やいとこが同時期に飼っており、ドアの前でしっかりと守ってくれた頼もしい番犬でした。いとこのラブラドールは、靴を運ぶ仕草がなんとも愛らしく、その大きな体格には頼もしさも詰まっていました。
そして、もう一匹の愛しい家族、我が家のジャックラッセルテリアのミックス犬。賢く穏やかで、聞き分けのよい奇跡の子。その子が旅立った今も、存在そのものが愛おしいです。父が、かつてその子に話しかけていたように、しゃべるお掃除ロボットに語りかける姿を見ていると、愛犬が残してくれた温かさを感じます。いつかまた新しい家族を迎えられる日を心待ちにしています。

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