
「愛犬に麦茶をあげてもいいのかな?」
そう考えたことのある飼い主さんは多いのではないでしょうか。
麦茶はノンカフェインで人間には馴染み深い飲み物ですが、犬に与える際には知っておくべきポイントがあります。
この記事では、犬に麦茶を与える際の安全性、メリット、注意点を分かりやすく解説します。
この記事を書いた人
結論:犬に麦茶は「条件付き」でOK!
結論から言うと、犬に麦茶を与えても基本的には安全です。
ただし、あくまで「無添加・無糖」の麦茶を「少量・常温」で与える場合に限ります。
そして、犬の水分補給の基本は「新鮮な水」であることを忘れてはいけません。
麦茶は、あくまで水分補給の補助的な選択肢として考えましょう。
なぜ麦茶は安全?犬にとってのメリットとは
麦茶が犬にとって比較的安全とされる理由は、犬に有害な「カフェイン」が含まれていない点にあります。
カフェインは、緑茶や紅茶、ほうじ茶などに含まれ、犬に中毒症状(嘔吐、下痢、興奮など)を引き起こす危険があるため、避けたほうがいい物です。
麦茶のメリット
麦茶を与えるメリットは以下の通りです。
- ノンカフェイン 犬に中毒症状を引き起こす心配がありません。
- 胃腸への刺激が少ない 暑い時期の水分補給の一助となります。
- ミネラル補給 カリウムなどのミネラルを微量に補給できます。
ただし、ミネラルの過剰摂取は下痢の原因になったり、持病のある犬には負担になったりする可能性もあるため、与えすぎには注意が必要です。

犬に麦茶を与える際の5つの注意点
安全に麦茶を与えるために、以下の点に注意してください。
与えるのは「水で薄めたもの」かつ「常温」の麦茶を「少量」から
初めて麦茶を与えたい場合は、胃腸への負担を考慮し、常温の麦茶をごく少量から試しましょう。
少量といってもわかりにくいかもしれませんが、まず、一日あたりに必要な水の量を意識すると良いでしょう。
一般的には、犬の場合の1日に必要な水の量は、体重1㎏あたり約50mlとされています。
つまり、体重5kgの小型犬ではコップ1杯の水(約250ml)で十分なのです。
そのため、麦茶を初回に与える場合は、ティースプーン1〜2杯程度から開始するのが望ましいです。
様子を見て、下痢や嘔吐などの異常がなければ少しずつ量を調整し増やしても大丈夫です。
その場合も、人間が飲む濃さの2~3倍に薄め、1日の水のすべてを置き換えるのはやめましょう。
人間用の味付けされた麦茶はNG
市販の麦茶には、香料や保存料、甘味料が含まれているものがあります。
犬には不要な成分であり、健康を害する可能性があるため、必ず原材料が「大麦」のみの、添加物が入っていないものを選びましょう。
麦茶パックの誤飲に気をつけて!
麦茶パックそのものは紙や不織布でできており、日本の食品衛生法に適合した素材を使っているメーカーが多く、体への悪影響は少ないと考えられています。
しかし、犬が誤って飲み込んでしまった場合、腸に詰まって腸閉塞を起こす危険性があります。
万が一、食べてしまった場合は、無理に吐かせようとせず、すぐに動物病院に連絡し、獣医師の指示に従ってください。
小麦アレルギーのある犬は要注意
麦茶の原料は「大麦」であり、小麦アレルギーの原因となる「グルテン」は含まれていません。
そのため、過度な心配は不要ですが、稀に類似したタンパク質の成分にアレルギー反応が出てしまう犬もいます。
アレルギーが心配な場合は、与える前にかかりつけの獣医師に相談しましょう。
持病のある犬は事前に獣医師へ相談を
特に、腎臓病や心臓病を抱えている犬の場合、麦茶に含まれるミネラルが体に負担をかける可能性があります。
特に、尿路結石の既往がある場合、カリウムによる悪化が懸念されるため、避けましょう。
持病のある犬に与えたい場合は、必ず獣医師に確認してください。
【要注意】犬に与えてはいけない飲み物一覧
安全な麦茶がある一方で、犬の健康に害を及ぼす飲み物もあります。
カフェイン飲料(緑茶、紅茶、コーヒー、ほうじ茶など)
中毒症状を引き起こすため絶対に与えないでください。
成分調整された麦茶(胡麻麦茶など)
麦茶と表記されていますが、胡麻に含まれるセサミンは、犬への安全性が十分に確認されていません。
また、カリウムの量が一般的な麦茶よりも多く、避けるのが無難です。
牛乳
多くの犬は乳糖をうまく分解できず、下痢の原因になります。
ジュース類
糖分が多く、肥満や虫歯のリスクがあります。

まとめ:犬の水分補給は「水」が主役
最後に、大切なポイントをまとめます。
・犬に与えるなら「無添加・無糖」の麦茶を常温・薄めて少量で
・水分補給の基本は、「不純物のない新鮮な水」
・パックの誤飲やアレルギー、持病には、注意が必要
・少しでも不安があれば、かかりつけの獣医師に相談を
麦茶はあくまで補助的な飲み物です。
無添加・ノンカフェインならば、少量を一時的に与える程度であれば問題ないとされていますので上手に活用できると良いですね。
愛犬の健康を第一に考え、正しい知識を持って水分補給をしていきましょう。
この記事の監修者

鮎川 多絵 (愛玩動物飼養管理士2級・ライター)
東京都出身。1986年10月生まれ。趣味は映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ。
家族は保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)。
犬と私
子供の時からイヌ科動物が大好きでした。戸川幸夫氏の「牙王」で狼犬に憧れ、シートン動物記で「オオカミ王ロボ」に胸を打たれました。特に大きな犬のゆったりとした雄姿には目を奪われます。保護犬と保護猫の飼育経験から、動物関連の社会問題、災害時のペット同伴避難について意識を向けています。