犬は家族の上下関係を理解している?

犬は家族の上下関係を理解しているのでは?と思うことはありませんか?

犬は本当に上下関係を理解しているのでしょうか?この記事で解説していきます!

この記事を書いた人

犬にとっての「上下関係」とは?

上下関係について、辞書では以下のように掲載されています。

ワン!ポイント 辞書で掲載されている「上下関係」

上下関係(じょうげかんけい)とは、社会的な力が上のものと下のものとの関係である。

犬に「上下関係」の概念はあるか?

 近年の動物行動学の研究や専門家の見解によれば、犬には人間社会で考えられてきたような「上下関係」や「主従関係」の概念は存在しないとされています[1]

なぜならば、上下関係という言葉は、権力や力関係があることが前提で生じると考えられるためです。

例えば、「犬はリーダーの言うことしか聞かない」「家庭内で順位付けをする」という考え方は、そもそも権力に基づくものではないと否定されています。

上下関係のように見えていた行動は、オオカミの群れにおける序列観(例えば、親子関係や年長者への信頼に由来するものである)を犬にもあてはめ、広義の意味で表現していた結果です。

[1]L. David Mech「Alpha Status, Dominance, and Division of Labor in Wolf Packs」(Canadian Journal of Zoology, 1999)

犬同士の上下関係

茶色くて大きな犬がビーグルちゃんとお話をしている

 犬同士の間であろうと、絶対的な力関係による上下関係や順位付けがあるわけではないと考えられています[2]

しかし、多頭飼いの場合などには、性格・年齢・飼育年数・力の強さ・においによる情報など、さまざまな要因によって一時的な優劣や「どちらが主導権を持つか」が決まることはあります。

この関係は固定的なものではなく、状況や個体によって変動するといわれています。

[2]Joanne A. M.et.al「Dominance in Domestic Dogs: A Quantitative Analysis of Its Behavioural Measures」(PLOS ONE, 2015年)

犬と人間の上下関係

 犬は「この人は自分の世話をしてくれるかどうか」「安心できるかどうか」といった基準で、人になついてくれる動物です。

つまり、信頼できる人の指示には従いやすく、世話をしてくれない人の言うことは聞きにくい傾向があるのです。

犬にとって、「ボス」や「上司」などの力による上下ではなく、「安心できるパートナー」や「頼れる存在」などの信頼度が上下のように見えているかもしれません。

犬に好かれたい!家族の中で関係性を変えたい場合

 犬に上下関係は存在していないということが前提ですが、自分よりも家族の誰かのいうことばかり聞いているから、自分は下にみられているのでは?と思うこともありますよね。

犬は、家族の中で話をよく聞いてもらえる人の話をよく聞いてくれます。

自分の話も聞いてもらえる関係を作るため、下記にコツを紹介していきます。

信頼関係を築く基本

 犬との信頼関係を築くには、単なる「上下関係」や「主従関係」を意識するよりも、安心感と一貫性、愛情をもって接することが重要です。

そのため、まずは信頼関係を築く基本を紹介します。

スキンシップをとる

これは基本的なことですが、なでてあげたり、抱きしめたりなど、直接的なスキンシップが大切です。

その際、犬にとって、触られたくないと感じていたり、今は違う場所をなでてほしいと感じていたりすることもあります。

毎日スキンシップを重ねることで、犬がなでてほしい場所やタイミングがわかるようになることが関係づくりの基本です。

ゴールデンと日本人飼い主女性が笑顔で楽しそうにしている

ポジティブな行動を強化する

良い行動をしたときにはしっかり褒め、正しい行動を覚えさせましょう

犬は、感情が豊かな動物のため、喜んでいることも理解できます。

良いということをしっかり伝えることが重要です。

その際、良いことなのに、大きな声をだすと、犬が怖がることがあります

適切な声の大きさやトーンを使うことも意識しましょう。

一緒に遊ぶ・散歩をする

犬にとっても、家族にとっても、楽しいことを共有することで絆が深まります。

散歩が嫌いな子もまれにいますが、リラックスした空間で遊んであげるようにしましょう。

家族内の上下関係を変えたいときのポイント

犬と信頼関係を築くためのチェックポイント

犬が飼い主の言うことを聞いてくれないと感じたとき、下記のポイントをおさえると、家族内の関係を変えられる可能性があります。

家族内で、一貫性を保つ

犬へのコマンドは、家族で統一することが大切です。

また、家族内で関係を変えたい場合は、家族と相談して、自分がまずは指示をだすようにすると良いです。

例えば、散歩をするかどうか、家の玄関に入るタイミング、遊びや食事のタイミングなど、自分が決めるようにします。

要求にすぐ応じない

犬が何かを要求してきたときは、誰かがすぐに応じるのではなく、一度「待て」などの指示をだします

その後、あえて家族と交代することで、犬は「あ、この人に伝えればいいのか」と気づいてくれるでしょう。

食事やおもちゃの管理

食事やおもちゃについても、自分が主に管理し、犬が勝手に取れないようにするとよいでしょう。

甘えてきたタイミングには、しっかり遊んであげることが大切です。

まとめ:信頼関係はスキンシップや愛情表現が鍵

犬との信頼関係や家族内の上下関係は、日々の積み重ねと一貫した態度、愛情で築かれます。

何か違和感のある場合も、スキンシップ・一貫性のある行動・主導権の明確化・ポジティブな行動の強化などを意識することが重要です。

威圧的なしつけや感情的な対応は逆効果なので、穏やかで安定した態度を心がけましょう。

この記事を書いた人

ちぃ

横浜京急沿線生まれ。
現役の漢方薬剤師として人々の健康をサポートする一方で、日本各地の美しい風景や鉄道写真に魅せられ、カメラを片手に旅をしています。
この活動は、まさにトラベルフォトグラファーのように、日本の素晴らしさを伝え、人々が笑顔で健康に過ごせる社会を目指す、私自身の挑戦です。趣味も仕事も全力で楽しむため起業し、食と旅、そして健康をテーマにしたイベント事業を展開中。OL時代やカフェ経営で培った「人々に価値を届ける」多角的な視点は、日本の魅力を紡ぎ、読者の心に響くコンテンツライターとしての活動にも繋がっています。

大型犬といえば、ラブラドール。隣家やいとこが同時期に飼っており、ドアの前でしっかりと守ってくれた頼もしい番犬でした。いとこのラブラドールは、靴を運ぶ仕草がなんとも愛らしく、その大きな体格には頼もしさも詰まっていました。
そして、もう一匹の愛しい家族、我が家のジャックラッセルテリアのミックス犬。賢く穏やかで、聞き分けのよい奇跡の子。その子が旅立った今も、存在そのものが愛おしいです。父が、かつてその子に話しかけていたように、しゃべるお掃除ロボットに語りかける姿を見ていると、愛犬が残してくれた温かさを感じます。いつかまた新しい家族を迎えられる日を心待ちにしています。

NEW

新着記事

RANKING

お悩みから探す