
プウ・・・。
「ん?今の音・・・なに?」ふと鼻をかすめるニオイ。
愛犬を見ると、まるで私に向かって、「アナタガシマシタネ?」と言いたげな澄まし顔。

僕がしたっす~💦
中には、自分でしたおならの音にびっくりしたり、「今、何が起こったんだ?」と、自分のお尻を見て臭いをかいだり、反応はその子によってさまざまなようです。
そんな可愛い姿と、臭いとのギャップに思わず笑ってしまうけれど、実は犬のおならには「健康状態のサイン」が隠れていることもあるんです。
「何だか最近おならが多い?」「臭いが強いんじゃない?」……気になるおなら事情、原因から対策までしっかりチェックしてみましょう!
この記事を書いた人
犬はおならをするの? 「すかしっ屁」の正体と健康チェック
結論から言うと、犬も人間と同じようにおならをします。
おならの70%以上は食事と一緒に飲み込んだ空気で、残りは腸内で発生したガスだといわれています。
胃に入った空気のうち、ゲップとして出ない分は、そのまま腸の中を進んでいき、腸内細菌が食べ物を分解したときに発生するガスと混ざってお尻から出てきます。
また、音が出ない、いわゆる「すかしっ屁」になるときは、おなかの調子がすっきりしない場合に多く見られるようです。
これも人間と同様ですね。
ほとんど音も臭いも気にならない子もいれば、「一体何を食べた??」と思うほど強烈なにおいの子も…。
これは食事の内容や消化のスピード、腸内環境によって変わるため、健康チェックのひとつとしても注目したいポイントです。
「うちの子、最近おならが多いかも?」と思ったら、それは単なる笑い話ではなく、時には不調のサインとも考えられます。
次の章で原因を少し詳しく見ていきましょう。

犬のおならが増える5つの原因とは?
犬に食物繊維の取り過ぎや消化の悪い物が原因
犬も、人間と同じように、食物繊維を多く取ると腸内でガスが発生しやすくなります。
特に、豆類、オートミール、玄米などの食物繊維が多い食材は腸内で発酵しやすく、ガスを発生させやすくなります。
また、消化の悪い食べ物も異常発酵を引き起こし、おならが増える原因になります。
早食いや空気の飲み込みによる影響
食欲旺盛で早食いする犬は、多くの空気を飲み込むため、腸内にガスが溜まりやすくなります。
加齢による代謝の低下
犬も年齢を重ねると、消化吸収の力が衰えていきます。
未消化の食べ物が腸内に残ることで発酵が進み、ガスが発生しやすくなります。
運動不足による消化機能の低下
運動不足が続くと、腸の動きが鈍くなり、消化がスムーズに進みにくくなります。
その結果、腸内で発酵が進み、ガスが溜まりやすくなることがあります。
ストレスや緊張が影響することも
ストレスは腸の働きを乱し、消化不良や腸内フローラのバランスを崩すことがあります。
適切な食事管理や運動、ストレスケアを取り入れ、犬の腸内環境を整えることが大切です。
犬のおならが多い・臭い!異常時の病気のサインとは
犬のおならが臭いのは病気のサイン? 危険な症状とチェックリスト
犬のおならが臭う原因として、腸内細菌のバランスの乱れや腸の働きの低下、単なる食べ過ぎなどが考えられます。
しかし、病気が原因の可能性もあります。
以下のような症状が見られた場合は、様子を見ずに、早めに動物病院を受診しましょう。
主な病名 | 考えられる原因 | おなら以外にみられる症状 |
---|---|---|
慢性腸症 | 細菌やウイルス感染、生活習慣、ストレス、遺伝、腫瘍など、さまざまな要因が複雑に関わっていることが多い | 下痢、嘔吐、体重減少、食欲低下、吐き気、 腹痛排便回数も増え、おならの臭いも強めになる |
腸炎 | 細菌や寄生虫、フードなどが原因で消化管に炎症が起きる | 食欲不振や下痢、嘔吐などの症状 |
腸閉塞 | 異物の誤食による腸の詰まりの場合が多い | おなかが張る、おなかに触られることを嫌がる、食欲不振、嘔吐、便秘、下痢、 |
膵外分泌不全(すいがいぶんぴふぜん) | 膵臓から分泌される消化酵素が十分でないことで慢性的に消化不良を起こす | 白い脂肪便や軟便、食欲はあるが体重が増えないなど |
犬のおならが増えた?回数が多いときに疑うべき異常とは?
おならの回数が急激に増えている場合、消化器の働きに問題がある可能性があります。
特に、1時間に何度もおならをする場合は、何らかの異常が潜んでいる可能性が高いため注意が必要です。
このような場合、便の状態も確認しましょう。
また、食欲の有無、嘔吐の有無、腹部の張りや痛がる様子がないかも併せてチェックし、前述の表にあるような症状が見られたら、迷わず動物病院を受診しましょう。

犬のおならを改善するための5つの方法
犬のおならが臭い理由と改善方法
運動量がそれほど多くないのに、高タンパク質のフードやジャーキー類(肉のおやつ)を多く与えていませんか?
過剰な肉の摂取は、消化の過程でアンモニアなどの不要な物質を大量に生み出し、強い臭いのガスを発生させる原因になります。
そのため、魚や穀物、野菜を中心としたフードに切り替えることで、腸内環境が整い、おならの臭いが軽減される可能性があります。
特に、食物繊維が豊富な野菜や発酵食品を取り入れると、腸内の善玉菌を増やし、消化の負担を減らす効果が期待できます。
(詳しくは、5章でも消化の良い食べ物をご紹介します。)
早食い防止!犬が空気を飲み込まないために
たくさん空気を飲み込まないようにするためには、できるだけゆっくり食べさせることが大切です。
早食い防止用の食器や広めの皿を使うと、自然と食事のペースが遅くなり、空気を飲み込むのを防ぐことができます。
また、食事の量を減らして回数を増やすなど、与え方を工夫することも効果的です。犬が落ち着いて食べられる環境を整えることが重要です。

胃捻転などの病気予防にも同じことをするっす~!!
腸のぜん動運動をサポート!犬に効果的な運動とマッサージ方法
腸のぜん動運動(食物を移動させるために行う収縮運動)を促すには、適度な運動が効果的です。 ハードなトレーニングは必要なく、適度に筋肉に刺激を与えることでおなか周りの血行がよくなり、胃や腸の働きを活性化することができます。
運動不足の子には、以下のような運動を心がけてみてはいかがでしょうか。
散歩・ゆるやかな坂道や階段の昇降
適度なペースでの散歩を、1回20~30分程度、1日2回行うと効果的です。
散歩コースに、軽い坂道や、階段の上り下りも少し取り入れてみると、腸を刺激し、ぜん動運動を促します。
遊びながら運動
ボール遊びや軽い追いかけっこをすると、楽しみながらも体を動かし腸の動きをサポートすることができます。
大好きな飼い主さんとの遊びはストレスも解消させるので、一石二鳥です。
優しいマッサージ
おなかを優しく「の」の字を描くようにマッサージすると、腸の動きが活性化します。

筆者は以前から、「犬がずっと四つ足でいるのって凝るんじゃないかな?」とよく考えていました(実際は分からないんですが)。心配だった私は、よく全身マッサージをしてあげていました。愛犬はいつも気持ちよさそうに「無」になっていました(笑)。 ただ、触られるのが苦手な子もいるので、無理にマッサージをするのはNGです。また、犬のおなかは普段触れにくい場所で、急所でもあるため、マッサージをする際は本当にソフトに、温かい手で包んであげてください。体調が悪い場合(腹痛、嘔吐、下痢など)は、マッサージを避け、動物病院を受診してくださいね。
愛犬の腸内フローラをサポートするサプリメントを活用する
たとえば、ビフィズス菌やラクトバチルス菌は腸内での消化を助け、免疫力を高める作用があるとされています。
他にも、乳酸菌、食物繊維、酵母などが、腸内環境を改善し、腸内フローラを整える働きをしてくれます。
しかし、こういった細菌などを含む特定のサプリメントを愛犬に与える際は、動物病院で一度相談しましょう。
サプリメントは、普段の食事に混ぜられる粉末、錠剤、液体や、嗜好性が高いおやつタイプなどがあり、嫌がらずに飲み込んでくれるためストレスなく継続できます。
その子に応じて無理なく摂取できる形状のものを選びましょう。

犬のおならに関するQ&A 原因と対策
A. 「おならをしやすい犬」はいます。 以下の表をチェックしてみてください。
特徴 | おならをしやすい理由 | 代表的な犬種 |
---|---|---|
短頭種 (鼻ぺちゃ犬) | 呼吸がしづらく、食べるときに空気をたくさん飲み込んでしまうため、腸内にガスが溜まりやすい傾向がある | フレンチブルドッグ ボストンテリア パグ シーズー ブルドッグ など |
消化が デリケートな犬種 | 胃腸が敏感で、食事の変化やストレスでガスが発生しやすい | ダックスフンド コッカースパニエル シェットランドシープドッグ ヨークシャーテリア など |
大型犬(胃腸トラブルが多い犬) | 大型犬は胃拡張や胃捻転 のリスクがあり、食事の仕方や内容によってガスが溜まりやすい | ゴールデンレトリーバー ラブラドールレトリーバー ジャーマンシェパード グレートデーン など |
A. どうやら犬が意識的におならをすることはほぼ無く、「プウ・・・」と自分の背後から音がしたことに、純粋に驚いている状態と思われます。
また、おならをした後の犬の態度がしれっとしているので、
「自分がおならしたことをごまかしている?」かのように見えますが、
そうなるためには、「人前でおならをする=恥ずかしい」といった感情を
犬が持っていることが前提になります。
断言はできませんが、「自分のおならの音」という意識は無い、
もしくは、自分のおしりから何かが出ていることは分かったとしても、
特に恥ずかしいとは思っていないのではないでしょうか。
A. 乳酸菌を含み、栄養バランスの取れたヨーグルトは、犬にとっても整腸作用や免疫力アップが期待できる食品だと思われます。
普段の食事に加えて補助的に与えることは、犬の健康にとっても良いものといえます。
ただし、ヨーグルトは脂肪分が多いので、与える量には注意が必要です。
また、中にはヨーグルトを食べておなかを壊したり、
アレルギー症状が出たりする犬もいます。いくら体に良い食べ物でも、
愛犬の体調を観察しながら与えるようにしましょう。
A. 犬の腸内環境を整えるには、食物繊維や乳酸菌、ビフィズス菌などの豊富な食品を与えるのが良いでしょう。
しかし、どれも与え過ぎには注意です。
犬の体調を見ながら調整してあげることがポイントです。
食物繊維を 含む食品 | キャベツ | 胃腸粘膜の健康維持に役立つビタミンU(キャベジン)が含まれている |
りんご | ペクチンが含まれており、善玉菌を活性化し悪玉菌の繁殖を抑える | |
サツマイモ かぼちゃ おから | ビタミン・ミネラルが豊富で、ヘルシーなおやつや食事のトッピングにもなる | |
海藻類 | 腸内環境を整えるのに役立つ | |
乳酸菌やビフィズス菌 などを含む食品 | ヨーグルト | 乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を直接摂取できる |
納豆 | 乳酸菌だけでなく、食物繊維も含まれている | |
チーズ 発酵食品 (麹など) | 善玉菌が豊富 |

まとめ
ときどき聞こえる「プウ」と、ほのかな臭いは、それだけで笑ってしまうような可愛らしさがありますよね。
しかし、その回数が急に増えてきた場合や、臭いが強烈になってきたときは、体の内側からのサインかもしれません。
まずチェックしたいのはごはんと生活習慣。
脂っこいものや消化しにくい食材が原因で、腸にガスが溜まりやすくなることがあります。
消化のいいフードに変えたり、適度に運動させたり、お腹マッサージしてあげるのもおすすめです。
それでも臭いがきつかったり、「プウ」の回数が多すぎるときは、病気の可能性もあるので獣医さんに相談を。
愛犬のおなか、ちょっと気にしてみるだけで、ブッと (おっと間違え) グッと快適になるかもしれませんよ◎