
「最近、うちの子の鼻がずっと濡れてる…」
「鼻水が片方だけ?色も変?」
犬の鼻水は、健康なときにも出ることがある反面、病気のサインであることも。
とくに色や量、続く期間によっては注意が必要です。
この記事では、犬の鼻水の種類や原因、家庭でできるケアから病院に行くべきサインまでをわかりやすくご紹介します。
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犬の鼻水とは?正常な状態と異常の違い
犬の鼻は、もともと少し湿っているのが普通。
これは嗅覚を鋭くするためと、体温調節の役割があるためです。
ただし、以下のような状態になると「異常」といえるかもしれません。
- 鼻水の量が明らかに増えた
- 片方の鼻だけから出る
- 色がついている(白、黄、緑、血の色など)
- 鼻水と一緒に咳やくしゃみ、元気のなさが見られる

症状別 こんな鼻水には注意!
鼻水の色・状態で、ある程度の原因を予測することができます。
鼻水の状態 | 考えられる原因 |
---|---|
透明でサラサラ | アレルギー、軽い寒暖差反応 |
透明だけどネバネバ | ウイルス性鼻炎、軽い炎症 |
白っぽく濁る | 細菌感染の兆候 |
緑や黄色っぽい | 中〜重度の感染症(副鼻腔炎など) |
血が混じる | 外傷、ポリープ、腫瘍などの可能性 |
上記に加えて、くしゃみ・咳・元気がない・呼吸が苦しそうといった症状を伴う場合は、病院へ相談しましょう。
3. 犬の鼻水症状の主な原因と発症例
犬の鼻水の原因は多岐にわたります。
獣医師の解説によると、以下のような要因が挙げられます[1]。
[1]特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン「愛犬が花粉症かも?」
ウイルスや細菌感染
犬伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)などの感染症により、鼻水が発生することがあります。
鼻腔内の異物
草の種や小さな物体が鼻腔に入り込むと、炎症を引き起こし鼻水が出ることがあります。
歯周病
上顎の歯の感染が進行すると、鼻腔と口腔の間に瘻孔ができ、鼻水の原因となることがあります。
炎症などによって生じた、皮膚や粘膜と臓器をつなぐ、または臓器と別の臓器をつなぐ異常な管状の穴のことをいいます。
[2]公益財団法人難病医学研究財団 難病情報センター「瘻孔とは」
鼻腔内腫瘍
特に高齢の犬では、鼻腔内に腫瘍ができることがあり、これが鼻水や鼻血の原因となることがあります。
これらの原因を特定するためには、詳細な診察や検査が必要です。
鼻水の性状や持続期間、他の症状の有無を観察し、獣医師に相談することが重要です。

4. 鼻水が出たときの解決策・ケア方法
まずは、愛犬の鼻水の色・量・様子をよく観察することが大切です。
軽度の場合、自宅でできる対処法もあります。
おうちでできるケア
- 鼻のまわりを柔らかい布でやさしく拭く
- 加湿器などで室内の湿度を保つ(50~60%目安)
- 急な温度変化を避ける
- アレルゲン(花粉・ほこり)をできるだけ除去する
NGの対応
- 人間用の鼻炎薬や風邪薬を与える
- 鼻水をそのまま放置する(長期化のリスク)
5. 鼻水を予防するためにできること
鼻水の出やすい子には、日頃からの予防が大切です。
予防のポイント
- ワクチン接種を忘れない
- 定期的な健康診断を受ける
- 花粉の時期やほこりが多い日は室内中心で過ごす
- こまめな換気&掃除でアレルゲン対策
このような体調管理は鼻水だけでなく、全身の健康にもつながります。

6. 犬の鼻水まとめ
「鼻水だけだし様子を見ようかな…」といった気持ちにもなりがちですが、
以下のような場合はすぐに受診してください。
受診の目安
- 鼻水が3日以上続く
- 黄色や緑色のドロッとした鼻水が出ている
- 鼻水に併せて元気や食欲がない
- くしゃみ・咳など他の症状もある
- 鼻血や血が混じった鼻水が出ている
愛犬の様子に少しでも違和感を感じたら、いかなる時も自己判断は避け、獣医師に相談するようにしましょう!
この記事の監修者

吉田萌 (NPO法人ドッグトレーナー2級)
国際動物専門学校 しつけ・トレーニング学科卒。
噛み・吠え癖の酷い元保護犬のビーグルを里親に迎えた事をきっかけに『褒めてしつける』を念頭に活動。 自身の経験を活かし、しつけイベントにて飼い主に寄り添ったトレーニング方法を指導。 ナチュラルペットフード・栄養学の知識にも精通。保有資格はNPO法人ドッグトレーナー2級の他に、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級など。
資格
NPO法人ドッグトレーナー2級、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級