
愛犬との暮らしは、日々の癒しや楽しさを与えてくれる反面、住まいの工夫が求められる場面も少なくありません。
大切な家族である愛犬と暮らすための住環境について考えてみませんか?
犬は元々群れをなして暮らしていた歴史があります。
その名残から家族の気配を感じながら過ごすことが愛犬の安心につながっていきます。
共に暮らしていくために、お互いにとって居心地の良い環境を目指したいですよね。
特に室内で犬と暮らす場合は、安全性や快適性に加え、インテリアとの調和も大切なポイント。
この記事では、犬の習性に配慮したレイアウトや、リビングでの過ごし方の工夫、おしゃれで実用的な住まいのアイデアを紹介します。
愛犬と心地よく暮らすためのヒントを、ぜひ取り入れてみてください。
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犬と快適に暮らすための部屋作りとは?
愛犬と共に快適に暮らすためには、犬の習性を理解し、住まいの環境を整えることが重要です。
犬は家族の気配を感じながら過ごすことを好むため、生活動線を意識しながら空間をデザインすることがポイントになります。
犬にとって理想的な室内環境とは何なのか、3つの側面から考えていきましょう。
適切な温度・湿度を保つ
人間にとっては快適でも、もしかすると愛犬にとってはそうではない可能性もあります。
犬種や年齢によっても快適な温度はさまざまです。
特に毛の長さや生え方によって適温が変わってきます。
毛の長さ | 犬種例 | 室内温度 | 室内湿度 |
---|---|---|---|
長毛種 (ちょうもうしゅ) | ・ポメラニアン ・ミニチュアシュナウザー ・パピヨン ・ヨークシャーテリア ・トイプードル ・ボーダーコリー ・ゴールデンレトリバー ・グレート・ピレニーズ など | 15~20℃ | 40~60% |
短毛種 (たんもうしゅ) | ・ミニチュアピンシャー ・イタリアングレーハウンド ・チワワ(スムース) ・ボストンテリア ・ジャックラッセルテリア ・フレンチブルドッグ ・ドーベルマン ・ダルメシアン ・ラブラドールレトリバー など | 20~25℃ |
シニア犬や妊娠している犬、子犬などは例外なので注意しましょう。
犬の状態 | 室内温度 |
---|---|
シニア犬・妊娠している犬 | 25℃前後 |
子犬 | 23〜27℃ |
また、犬種や個性によっても変わってきます。わんちゃんの様子を見ながら調節してあげてくださいね。
安全に過ごせるスペースを確保する
愛犬が自宅でケガをしたら…と思うとゾッとしますよね。
そのような事態にならないために気をつけることを紹介します。
事例 | メリット |
---|---|
家具の角をクッションで保護する | 衝突によるケガの防止 |
滑り止めマットを敷く | 足腰への負担軽減や転倒防止 |
観葉植物など危険なものを犬の届かない位置に置く | 誤飲の防止(中毒性) |
実は観葉植物に含まれる特定の成分が犬の体に有害に働くため「中毒」の原因になる可能性があります!
人間には無害なものでも、犬の体ではうまく分解できず、中毒症状を引き起こすことがあります。
例:ポトス、モンステラ、ディフェンバキア、ドラセナ、アロエなど
自由に動き回れる動線を作る
愛犬が自宅でものびのび過ごすことができるように考えて動線を作っていきましょう。
ストレスなく過ごせる動線を作ることが大切です。
事例 | メリット |
---|---|
家具の配置を見直して犬がぐるりと 回遊できる通路を確保する | ・運動不足の解消やストレス軽減につながる ・動きやすい空間で犬が安心して過ごせる |
リビングとキッチン間をスムーズに 移動できる間取りにする | ・家事の合間にも犬の様子を見守れる ・犬も飼い主の気配を感じられて安心する |
ドアの開閉時に犬が逃げ出さないように ゲートを設置する | ・外への飛び出しや事故を防止 ・来客時に安心 |
2.犬と暮らす部屋の基本的なレイアウト

次は、愛犬の生活スペース(寝床・遊び場・トイレスペース)の作り方を紹介します。
安心して過ごせるように、寝床やトイレスペースを明確に分けることが大切です。
特に、リビングの一角に犬のスペースを設ける場合は、家族の活動を妨げないよう工夫しましょう。気をつけるポイントを紹介していきます。
場所 | 気を付けるポイント |
---|---|
寝床 | ・静かで落ち着ける場所に設置する ・クッション性の高いベッドを用意すると安心感が増す |
遊び場 | ・動きやすく、周囲に壊れやすい物を置かないよう配慮する |
トイレスペース | ・目立たない場所に設置する ・消臭や掃除のしやすさを考えた配置 ・スペースが限られている場合は、サークルや仕切りを活用 |
部屋が狭く、スペースの確保が難しい方に向けて小さな部屋でも工夫できるポイントを紹介していきます。
- デッドスペースを活用して犬の専用エリアを作る
→ 例:階段下のスペースにクッションと柵を設置して、犬のくつろぎコーナーにする
- 折りたたみ式のペット用品を使う
→ 例:使わない時にたためるサークルや、移動が簡単な折りたたみ式ケージを活用する
- 部屋のレイアウトに合わせた犬用家具を選ぶ
→ 例:リビングのインテリアになじむ木製の犬用ベッドや、ソファ下に収まる収納型トイレトレー
3. 室内犬のための快適な環境作り
室内で暮らす犬にとって、快適な住環境は心身の健康に直結します。
温度や湿度の管理はもちろん、安全で安心できるスペースの確保や、適度な運動と刺激がある環境作りが大切です。
愛犬がストレスなく、のびのびと過ごせるように、家庭内でできる工夫やポイントを紹介します。
温度管理(夏の暑さ・冬の寒さ対策)
- 夏は涼しい場所を確保し、エアコンや冷却マットを活用
- エアコンの風が直撃しないように気をつける
- 冬は暖房器具や毛布を使い、快適な温度を維持
床材の工夫(滑りにくい素材を選ぶ)
- フローリングには滑り止めマットを敷く
- 犬の関節を守るためにクッション性のあるカーペットを使用
4. 安全対策!犬と暮らす家で気をつけること

犬は好奇心旺盛な生き物。
室内のちょっとした物や家具の配置が、思わぬ事故の原因になることもあります。
誤飲・転倒・脱走などのリスクを減らすためには、犬の目線に立って家の中を見直すことが重要です。
ここでは、犬と安心して暮らすために知っておきたい安全対策のポイントを詳しくご紹介します。
誤飲防止対策
- 小さな物を床に置かない
- ゴミ箱は蓋付きのものを使用
コード類の管理
- コードカバーを活用し、犬が噛めないようにする
- 家具の裏などにしっかり固定
大型犬向けの安全対策
- 広いスペースを確保し、自由に動ける環境を作る
- 階段には滑り止めを設置し、関節への負担を軽減
- 家具やガラスにぶつからないよう配置を調整
5. 犬と暮らす家をおしゃれにする工夫

犬との暮らしは快適さが第一ですが、インテリアの美しさや自分らしさも大切にしたいものです。
ペット用グッズをインテリアになじませたり、機能性とデザインを両立させた家具を取り入れたりすることで、おしゃれで心地よい空間を実現できます。
愛犬との生活を楽しみながら、センスの光る住まいづくりのアイデアを紹介します。
インテリアの工夫(犬のスペースと調和させる)
- 部屋のテーマカラーに合ったペットグッズを選ぶ
- シンプルで洗練されたデザインの犬用家具を活用
犬の毛が目立ちにくい色や素材の選び方
- 犬の毛色に近いラグやソファを選ぶ
- お手入れしやすい素材を選ぶ
落ちている毛に気づきにくい色の家具の場合は、掃除をしにくくならないよう気をつけるとよいでしょう。
犬と一緒に過ごすリビングの工夫
- ソファやラグは耐久性のあるものを選ぶ
- 犬がくつろげるスペースを作る
- 生活動線を考慮したゾーニングを行う
室内犬のトイレスペースの工夫
- トイレの場所を決め、動線を考慮する
- 匂い対策として消臭機能付きのシートを活用
- インテリアに溶け込むデザインのトイレを選ぶ
犬と暮らす家の間取りのポイント
- 広さが限られた部屋でも、収納を工夫して快適に
- 犬がリラックスできる静かなスペースを確保
6. 犬と快適に暮らせる部屋作りのポイントまとめ
犬との暮らしをより豊かで快適なものにするためには、住まいの工夫が欠かせません。
安全性、快適性、デザイン性をバランスよく取り入れることで、愛犬も飼い主も心地よく過ごせる空間が実現します。
これまで紹介してきたポイントを振り返りながら、理想の「犬と暮らす部屋作り」のヒントをまとめていきましょう。
- 犬の習性に合わせた環境を整える
- おしゃれと機能性を両立させる
犬と一緒に快適に過ごせる家づくりを考え、愛犬との暮らしをより充実したものにしましょう!
この記事の監修者

吉田萌 (NPO法人ドッグトレーナー2級)
国際動物専門学校 しつけ・トレーニング学科卒。
噛み・吠え癖の酷い元保護犬のビーグルを里親に迎えた事をきっかけに『褒めてしつける』を念頭に活動。 自身の経験を活かし、しつけイベントにて飼い主に寄り添ったトレーニング方法を指導。 ナチュラルペットフード・栄養学の知識にも精通。保有資格はNPO法人ドッグトレーナー2級の他に、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級など。
資格
NPO法人ドッグトレーナー2級、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級