どろどろの足になってしまったモップみたいな犬

まるで掃除道具のモップみたいな不思議な毛質の犬を一度は見たことがないでしょうか?

犬種名は?大きさは?触り心地は?

一度見たら忘れることができないモップみたいな犬の正体を徹底解説します!

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モップみたいな犬の正体は?

オレンジの日の光で照らされたモップみたいな犬

本当に犬なの!?

と疑ってしまうような、一度見たら忘れることができないモップみたいな犬種の正体は「コモンドール」といいます。

JKC(一般社団法人ジャパンケネルクラブ)の犬種別犬籍登録頭数では、日本では現在わずか2頭しか飼育されていない非常に珍しい犬種ですが、海外では一部の愛犬家から根強い人気を誇っています。

毛色はアイボリーのみ確認されており、「ハンガリアン・シープドッグ」という別名を持っています。

コモンドールの特徴

コモンドールの特徴はなんといってもその被毛です。

目や鼻が隠れるほど長く密集した被毛は縄のような紐状のシャギーコート(むく毛)をしており、この毛質はオオカミの牙から身を守るために鎧のような役割をしているといわれています。

体重はオスが約50〜60kgメスが約40〜50kg、体高はオスが70cm以上メスが65cm以上[1]で、大型犬の中でも特にがっしりとした大柄な体格をしています。

ワン!ポイント

一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)では大きさの定義はありませんが、一般的には25kg以上が大型犬と分類されることが多いです。

分厚い被毛に覆われているため寒さや雨風には強く、逆に暑さには弱いことも特徴の一つです。

四季によって寒暖差が激しく、高温多湿の日本には、あまり向かない犬種ともいわれています。

[1]一般社団法人ジャパンケネルクラブ 「コモンドール- KOMONDOR

コモンドールの歴史

コモンドールはハンガリー原産の犬種です。

オオカミや外敵から家畜の羊を守るために品種改良された護畜犬といわれていますが、詳しい生い立ちについては分かっておりません。

護畜犬は家畜を誘導する牧羊犬とは違い、羊を守るボディーガードのような役割をしていたといわれています。

コモンドールの性格

普段は大人しく穏やかな性格ですが、自立心が強く頑固さも持ち合わせているため、飼い主には毅然としたリーダシップが求められます。

また、護畜犬の仕事をしていたコモンドールは、一度敵と判断したものには容赦なく立ち向かう勇敢な一面もあります。

コモンドールの手入れ方法

あまりにも独特な被毛を持つコモンドールのお手入れ方法は、他の犬種とは全く異なりとても手間がかかります

衛生面を考えて定期的にシャンプーを行う必要がありますが、ロープ状に絡まっている被毛にはブラッシングをすることができません

そのため、汚れや抜け毛があった際は一本一本手でほどいていく必要があります

また、毛質が3重構造になっているためドライヤーの風が通りにくくブローにもかなり時間がかかります

その他のモップみたいな犬種

下を出してこちらを見るモップみたいな犬

実はモップみたいな犬はコモンドールだけではありません

他にもモップみたいな独特な被毛を持つ犬種がいますので、いくつか紹介していきましょう。

プーリー

自然の中でポーズを決める灰色のモップみたいな犬

オスは約13〜15kg、メスは約10~13kgと、大型犬のコモンドールに比べて小さいですが、筋肉質でがっしりとした中型犬です。

原産国はコモンドールと同じハンガリーで、羊を追う牧羊犬として活躍していました。

プーリーもコモンドールと同じくドレッドヘアーのような長い縄状の被毛が特徴です。

プーリーは体を動かすことが大好きで人懐こい性格をしていますが、頑固で慎重な一面も持ち合わせています。

見た目も性格もコモンドールとよく似ているため、見分ける際は大きさで判断すると良いでしょう。

また、コモンドールの毛色はアイボリーのみですが、プーリーはブラックやパールホワイト、シルバーなどカラーバリエーションがあるのも見分けるポイントの一つです。

ベルガマスコ・シープドッグ

草原でたそがれるベルガマスコシープドッグ

オスは約32〜38kg、メスは約30kgで、コモンドールと比べて少し小さい大型犬です。

原産国はイタリア(ベルガモ地方)で、プーリーと同じ牧羊犬です。

16世紀頃の絵画に描かれていることから、非常に古い歴史がある犬種といわれています。

見た目はコモンドールによく似ていますが、被毛はモップのような束ではなくバサバサの毛の塊と房で構成されています。

性格は上記2頭と同じく慎重な一面もありますが基本は活発で明るく朝から晩まで一日中走り回れる体力があるくらい運動が大好きな犬種です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

独特なモップのような被毛は自身を守る鎧のような役目をしていたのですね。

コモンドールは日本ではめったにお目にかかれない犬種ですが、海外では根強い人気を誇っています。

どんな毛触りなのか、一度は体験してみたいですね!

 この記事の監修者

鮎川 多絵 (愛玩動物飼養管理士2級・ライター)

東京都出身。1986年10月生まれ。趣味は映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ。
家族は保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)。

犬と私
子供の時からイヌ科動物が大好きでした。戸川幸夫氏の「牙王」で狼犬に憧れ、シートン動物記で「オオカミ王ロボ」に胸を打たれました。特に大きな犬のゆったりとした雄姿には目を奪われます。保護犬と保護猫の飼育経験から、動物関連の社会問題、災害時のペット同伴避難について意識を向けています。

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資格
愛玩動物飼養管理士2級 防災コーディネーター 学芸員 登録日本語教員

この記事を書いた人

モネ

埼玉県生まれ。大の犬好きで保護犬を里親に迎えてから保護活動に興味を持ち、ボランティアにも積極的に参加中。BIGDOGLUCK以外でのペットメディアライターの経験あり。
幼い頃から大型犬と暮らしており、映画『ドクタードリトル』を観て大人になったら動物を話せるようになると本気で信じていた。一番好きな犬種はビーグル。

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