可愛い黒の子犬3頭

「アメリカンブリー」と聞いて、

ああ、あの犬ね!

と分かるあなたはかなりの「犬マニア」!

黒川志保

大の犬好きですが、正直、

アメリカンブリーについて知識がありませんでした。

しかし調べてみると、見た目は強面なのに、実は愛情深くて温厚な性格??

なるほど、人間でもいますね。

やんちゃだけど、心を許した相手のことは必ず守る、優しいヒーロー!

でもやはり、育て方、しつけの仕方は重要なんです。

この記事では、アメリカンブリーの特徴や飼い方価格の目安、ピットブルとの違いまで、気になるポイントを徹底解説します。

これを読めば、アメリカンブリーの魅力にハマるかも!?

この記事を書いた人

アメリカンブリーの大きさと特徴 (体高・体重・見た目のポイント

アメリカンブリーは、アメリカ原産であるアメリカンピットブルテリアの中でも温厚で家庭犬に適した性格の個体を交配して生み出された犬種です。

より筋肉質でがっしりとした体型で、平均的な大きさはオスが体高約43cm〜50cmメスが約40cm〜48cm程度、体重は14kg~27kg程度で、中型犬に分類されます。

体つきは筋肉質で、大きな頭と強いあごを持っています。

胸と肩の幅が広く、低身長ながら非常にパワフル。地面を這うように歩くのが特徴です。

マズル(鼻先から口周りにかけての部分)は短く、耳は垂れ耳の個体もいますが、断耳(3章で解説)されることもある犬種です。

尻尾は短めでまっすぐな形が理想とされており、巻き尾は好まれません。

ブルドッグに似た見た目なので一見怖そうにも見えますが、非常にフレンドリーで愛情深く、家族との絆を大切にする性格なのです。

アメリカンブリーとピットブルの違い 性格や特徴を比較

ピットブルの大きさと特徴 体高・体重・見た目のポイント

ピットブルの平均的な大きさは、オスが体高約46~53cmメスが43〜50cm、体重は16〜36kgとされており、大型犬に分類されます。

広くて平らな頭部・力強い顎と太い首を持ち、全体的にがっしりとしています

耳は立ち耳、または垂れ耳で、断耳されることもありますが、自然な状態では垂れていることが多い犬種です。

アメリカンブリーとピットブルの違い 性格や特徴を比較

アメリカンブリーは、穏やかな性格のピットブル同志を交配してできた犬種です。

身体的な特徴はピットブルもアメリカンブリーもほぼ変わりありません。

では、何が違うのかと言えば、性格的な特徴です。

ピットブルは飼い主には従順ですが、闘犬だったころの名残があり、状況によっては攻撃的になる時もあります。

一方で、アメリカンブリーは穏やかで、フレンドリーな性格をしています。

アメリカンブリーの断耳・断尾は必要?歴史・理由・現状を紹介

断耳(だんじ)とは犬の耳を短く切る処置断尾(だんび)とは、犬の尾を短く切る処置のことです。

どちらも主に子犬のうちに行われ、外見の美しさや実用性の観点から伝統的に行われてきました。

最近では動物愛護の意識が高まり、アメリカンブリーの断耳・断尾は減少傾向にあります。

しかし、現在でも一部で行われているのです。一体なぜなのでしょうか?

過去の名残のため

作業犬や闘犬だった犬種は、獲物を追って山を走る際に、樹木などで大きな耳を負傷したり、敵に耳をかまれたりするリスクもあるため、断耳が行われてきました。

アメリカンブリー自体は作業犬ではありませんが、似た犬種の風習の名残として、断耳を選択する飼い主もいます。

ワン!ポイント

ヨーロッパ、イギリス、ドイツ、オランダなどでは断耳手術は法律で禁止されています

衛生面・健康面の理由

一部では、耳の通気性を良くして感染症を防ぐという意見もありますが、医学的な根拠は明確ではありません

断尾についても、尻尾をぶつけて怪我をするのを防ぐという理由が挙げられますが、ペットとして飼われることが主流のアメリカンブリーには、断耳・断尾の必要性は低いと思われます

伝統的・審美的な理由

見た目として、力強く精悍な印象を与えるために断耳が行われることがあります

また、ドッグショーの基準として断耳が好まれるケースもありました

断耳・断尾されている場合、ドッグショーに出場できない!?

他の犬種に関してですが、現在ではJKC(ジャパンケネルクラブ)「2025年1月1日以降に生まれた犬を断耳・断尾されている場合ドッグショーに出場できない[1]」旨の通達も出しているため、少しずつ断耳・断尾の風習は減っていくものと思われます。

[1]一般社団法人 ジャパンケネルクラブ

【注意】ドイツ/イタリア原産11犬種に関する断耳/断尾された犬のドッグ・ショー出陳について

凛々しい筋肉質な犬

アメリカンブリーのサイズ別分類 スタンダード・クラシック・ポケット・XLの特徴を解説

アメリカンブリーには、スタンダード・クラシック・ポケット・XLの4タイプがあります。

ワン!ポイント

犬の登録や規定、ブリーディングに関する標準を定める団体により、タイプの分け方は異なります

ポケットからXLまでの分け方は、体重ではなく、体高(地面から肩甲骨の上端までの垂直距離)で決まります

スタンダード

一般的な大きさのアメリカンブリーは「スタンダード」と呼ばれています。

体高は40㎝〜51㎝、体重は20㎏〜60㎏と個体差が大きいのが特徴。

筋肉質で体格が良く頭も大きいので、大型犬と同じくらいの存在感があります。

飼い主に従順で、小さなお子さんとの相性も良いので、大切な家族の一員になってくれそうです。

クラシック

スタンダードに比べ、若干小さめなのが「クラシック」です。

体高は40㎝〜51㎝、体重は30㎏〜40㎏程度

明るくて人懐っこい性格が特徴

「飼い主に甘えたい」という願望が強い子も多いです。

また、体を動かすことが好きなので、散歩の時間をしっかりと取ってあげる必要があるでしょう。

ポケット

最も小さい種類が「ポケット」です。

体高は30㎝〜43㎝、体重は5㎏〜10㎏なので、アメリカンブリー初心者でも飼育しやすいでしょう。

ただ、体格が小さいとはいえ、頭部は大きく体も筋肉質です。

同じくらいの体重のコーギーや柴犬と比べると、大きく見えるかもしれません。

XL

最も体格が大きいアメリカンブリーが「XL」です。

体高は48㎝〜58㎝、体重は37㎏〜65㎏とかなり大きく、大型犬に分類されます。

飼い主を引っ張る力も強いので、外出時に周囲の人とトラブルにならないように、しっかりとしつけを行う必要があります。

食欲旺盛で体を動かすことも大好きなので、1日2回の散歩は必須です。

アメリカンブリーを飼うには?ブリーダー探し・値段・しつけのコツを解説

アメリカンブリーの子犬はどこで買える?ブリーダーの探し方と注意点

アメリカンブリーは日本ではまだ数が少なく、ペットショップで売られていることはほとんどありません

そのため、ブリーダーから直接迎えることになります。

アメリカンブリーのブリーダーも国内では数が少ないので、いつでも好きな時に子犬を迎える、というわけにはいかなさそうです。

きちんと繁殖を行っているシリアスブリーダー(優良ブリーダー)にあらかじめコンタクトをとり、アメリカンブリーの子犬が産まれたら連絡が欲しい旨を伝えておくといいでしょう。

予約待ちとなる可能性も高いので、検討している方は早めにブリーダーにアポイントを取っておくことをおすすめします。

そして、犬舎(ブリーダーの施設)へ行って実際に見学することも重要です。

まれに気性が荒い子もいるので、親犬の気質なども見ておくことをおすすめめします。

アメリカンブリーの値段相場

アメリカンブリーをブリーダーから購入する場合の値段相場は、25万円~30万円程度のことが多いようです。

とは言っても、ブリーダーによって価格が大きく異なる場合もあるので一度相談してみると良いでしょう。

アメリカンブリーのしつけの重要性と適切な方法

家族に迎えたら、すぐにしつけを始めましょう

アメリカンブリーの場合、良いことをしたらご褒美を与える、というだけの方針では、「本当にしてはいけないこと」を教えるのは難しいかもしれません。

「かんだり、人に抵抗したりするのはいけない」ということを厳しく教える必要があるので、早い段階で飼い主との強い信頼関係を築くことが望ましいです。

また、場合によってはプロの力を借りることも検討してみるのも良いでしょう。

アメリカンブリーの場合、一歩間違えると大きな事故やトラブルにつながりかねません。

適切なしつけのタイミングが素人では判断しづらく、見極めが難しい場合があります。

元はかむことが仕事だったからこそ……

アメリカンブリーはピットブルをはじめとする闘犬の血を引いており、元々は相手にかみ付く力強さや戦闘能力が重視されてきました。

穏やかな性格に改良されつつあり、昔ほど凶暴な性格ではないようですが、「かむこと」に対しては他の犬種よりも反応が早い子もいるので注意が必要です。

飼う際にはしっかりとしたトレーニングや管理を行うことが大切です。

青いお花の中で日を浴びて笑顔の犬

アメリカンブリーの健康管理と注意すべき病気

熱中症

短頭種のため、呼吸器が弱く、特に暑い場所では呼吸がしづらくなり熱中症になりやすい犬種です。

夏場の暑い時間帯の散歩は避け、涼しい室内で過ごさせるようにしましょう。

白内障

アメリカンブリーは白内障を発症するリスクがあるといわれています。

視力の低下の程度は左右で差が出ることが多いです。

日頃から、眼科分野にも力を入れている動物病院での検診やチェックを行い、早めに変化に気づくことが大切です。

緑内障

緑内障は、眼圧が上がり痛みや違和感が生じる疾患です。

白内障同様、アメリカンブリーに発症しやすい病気です。

前足で目の周りをこすったり、顔を床にこすりつけたりするそぶりが見られたら、目に何かしらの違和感が生じている可能性があります。

詳しく調べるためには専門の機械で検査する必要があるので、眼科分野にも力を入れている動物病院で受診をしましょう。

皮膚病

シワが多いため、夏場はシワの部分が蒸れて雑菌が繁殖したり、脂でベタついて、その脂を餌にする病原体が繁殖する恐れがあります。

日頃からこまめなお手入れを行って、痒がるなどの行為が見られたら、早めに動物病院で受診をしましょう。

アメリカンブリーに関するよくある質問(FAQ)

アメリカンブリーの歴史は?

アメリカンブリーは、アメリカ原産のピットブルの中でも、温厚で家庭犬に適した性格の個体を交配して生み出された、まだ新しい犬種です。

ピットブルはかつて闘犬として飼育されていたこともあり、攻撃的で危険な一面を持ちますが、アメリカンブリーは温和で愛情深く、一般家庭でも育てやすい性格のため日本でも迎え入れる家庭が増えてきました。

アメリカンブリーの寿命は?

アメリカンブリーに特化した平均寿命は不明ですが、ピットブル種の寿命は、中型犬としては平均的な12歳程度と言われています。

犬の寿命は個体差もありますが、飼育環境にも左右されます。

アメリカンブリーの毛色の種類は?

主にホワイト、ブラック、ブラウン、グレー、ブリンドルです。

ワン!ポイント 「プリンドル」

ブリンドルは虎毛のことで、基本の地色に黒や茶色、タン、ゴールドなどの毛色が、虎の縞模様のように入ったパターン柄のことです。

他にも多様な毛色があるとされています。

アメリカンブリーの名前の由来は?

英語で書くと「American Bully」ですが、直訳すると「アメリカのいじめっ子」になります。

犬種名に「いじめっ子」が付くくらいなので、相当やんちゃなワンちゃん??

確かに、優しい性格の半面、怒ると手が付けられない性質も持ち合わせていますが、きちんとしつけをし、飼い主と良好な関係を築ければ、フレンドリーで明るく従順に接してくれるでしょう。

道端でふせをしてたそがれている犬

まとめ:アメリカンブリーを飼う前に!知っておくべき5つの注意点

アメリカンブリーは基本的に穏やかでフレンドリーな性格ですが、飼育にはいくつかの注意点があります。

しっかりとした環境づくりと適切なしつけを行うことで、安全に楽しく暮らすことができます。特に以下のポイントに気をつけて、愛犬との生活を充実させましょう。

① 多頭飼いは避ける

闘犬としての攻撃性があるため、他の犬たちと同居していると致命的なダメージを負わせるようなケンカに発展してしまうリスクがあります。

② 室内飼育が望ましい

夏場の暑さ対策のためにも、飼い主の目が行き届き、環境も管理できる室内での飼育がおすすめです。

③ 運動量を確保する

運動量が不足するとストレスがたまり、攻撃的になる恐れがあります。

十分な運動量を確保し、体力を持て余さないよう発散させてあげましょう。

④ 公共の場では周囲へ配慮する

アメリカンブリーはピットブルに似ているということもあり、世間では闘犬という先入観や偏見があることも考えられます。

飼い主は愛犬が穏やかな性格と分かっていても、周囲の人を怖がらせたり、不安にさせない配慮が大切です。

他の犬や人が大勢集まる場所、公共の場所では口輪をつけるなど、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。

⑤ 子どもがいる場で目を離さない

穏やかな性格であっても、何かのきっかけで攻撃性を示したら、相手に大ケガを負わせてしまうことがあります。

特に小さい子どもが近くにいる場合は、絶対に目を離さず、愛犬の行動に注意を払うようにしてください。

車に座ったカップルの間で笑顔の犬

 この記事の監修者

鮎川 多絵 (愛玩動物飼養管理士2級・ライター)

東京都出身。1986年10月生まれ。趣味は映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ。
家族は保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)。

犬と私
子供の時からイヌ科動物が大好きでした。戸川幸夫氏の「牙王」で狼犬に憧れ、シートン動物記で「オオカミ王ロボ」に胸を打たれました。特に大きな犬のゆったりとした雄姿には目を奪われます。保護犬と保護猫の飼育経験から、動物関連の社会問題、災害時のペット同伴避難について意識を向けています。

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資格
愛玩動物飼養管理士2級 防災コーディネーター 学芸員 登録日本語教員

 この記事の監修者

吉田萌 (NPO法人ドッグトレーナー2級)

国際動物専門学校 しつけ・トレーニング学科卒。
噛み・吠え癖の酷い元保護犬のビーグルを里親に迎えた事をきっかけに『褒めてしつける』を念頭に活動。 自身の経験を活かし、しつけイベントにて飼い主に寄り添ったトレーニング方法を指導。 ナチュラルペットフード・栄養学の知識にも精通。保有資格はNPO法人ドッグトレーナー2級の他に、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級など。

資格
NPO法人ドッグトレーナー2級、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級

この記事を書いた人

黒川志保

現在ライター駆け出し1年生(年齢だけはベテラン編集長)&旅行代理業代表。
日本・海外を放浪→訳あって小学校教員に転身(3年) →旅行会社勤務で日本中を飛び回る→奄美大島・ヨロン島専門の旅行代理業を起業。
第49期 宣伝会議 編集・ライター講座修了。
犬は人間にとって身近な存在だから、特に愛情を抱きやすいものです。
でも、結局のところ、私はすべての生き物を愛してます💗
通じ合い、お互いを理解しているけれど、ほんの少しだけ分かり合えない部分がある。その絶妙な距離感こそが、人間と犬の絆をより深いものにしているのかもしれないな。

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