
ユニークなしわとがっしりした体格が魅力のブルドック。
一見すると強面ですが、実は愛嬌たっぷりで飼い主に忠実な犬種です。
しかし、「ブルドック」と一口に言っても、実はさまざまな種類が存在することをご存知でしょうか?
イングリッシュ・ブルドック、アメリカン・ブルドック、フレンチ・ブルドック、それぞれの特徴や性格は大きく異なります。
この記事では、ブルドックの種類ごとの違いや歴史、飼育のポイントを解説していきます!
この記事を書いた人
ブルドックとは?
ブルドック(またはブルドッグ)は、独特の顔つきとがっしりとした体格が特徴の犬種です。
もともとは闘犬として誕生しましたが、現在では家庭犬として世界中で親しまれています。
筋肉質な体と特徴的なしわが愛らしい見た目を作り出し、性格も種類によって異なります。
ブルドックは短頭種に分類され、愛嬌のある顔立ちが魅力ですね。
一見強面に見えることもありますが、飼い主への忠誠心が強く、穏やかでフレンドリーな性格の個体が多いです。
種類によって体格や性格の違いがあり、イングリッシュ・ブルドック、アメリカン・ブルドック、フレンチ・ブルドックといった異なる特徴を持つ系統が存在します。
それぞれの特性を理解することで、より適切にブルドックの魅力を知ることができますよ。
ブルドックの歴史
ブルドックの起源は18世紀のイギリスにさかのぼります。
ブルドッグはイギリスで18世紀頃に流行っていた、牛に犬を噛みつかせる「ブルベインティング」と呼ばれる娯楽競技のために開発された犬種だと言われています。
杭につながれた牛に対して、犬を数頭放ち、鼻に噛みつくなどして牛を倒した犬の持ち主に高額な賞金を支払うというもので、貴族から庶民まで大変な人気を誇った競技でした。
そのため、牛の体に噛みつきやすいよう、鼻のつぶれた顔立ちをしていたそうです。
闘犬文化の衰退とともに穏やかな性格へと改良され、現在のペットとしての姿になりました。
イングリッシュ・ブルドックは18世紀に闘犬として人気がありましたが、19世紀に入ると犬同士の闘争が禁止され、家庭犬としての改良が進められました。
その後、アメリカでは作業犬としての役割を持つアメリカン・ブルドックが誕生し、フランスでは小型で愛玩犬としてのフレンチ・ブルドックが生まれました。
こうした背景が、それぞれのブルドックの性格や体格に大きな影響を与えています。
現在は絶滅してしまいましたが、ミニチュア・ブルドッグという種類の犬種もかつては存在しました。
フレンチ・ブルドッグの人気が原因の一つだと考えられています。
ブルドックの種類

ブルドックには主に以下の3種類が存在します。
ブルドックの種類
- イングリッシュ・ブルドック
- アメリカン・ブルドック
- フレンチ・ブルドック
それぞれ解説していきます。
イングリッシュ・ブルドック

かつては闘犬として活躍していましたが、現在では優しい性格で知られ、家庭犬として人気があります。
特徴
原産国 | 体重 | 体高 |
---|---|---|
イギリス | 約18〜25kg | 約31〜40cm |
- がっしりした体格としわの多い顔が特徴
- 穏やかでのんびりとした性格
- 下顎が出っ張りすぎているので、噛むことが苦手
- 耳は小さくて、バラの花のように広がっていることから「ローズイヤー」と呼ばれている
アメリカン・ブルドック

アメリカ南部で作業犬として発展した犬種で、使役犬や護衛犬として活躍しています。
特徴
原産国 | 体重 | 体高 |
---|---|---|
アメリカ | 約30〜50kg | 約50〜70cm |
- イングリッシュ・ブルドックよりも大きく、筋肉質
- 活発で運動量が多い
フレンチ・ブルドック
19世紀にイギリスから持ち込まれた小型ブルドックであるイングリッシュ・ブルドックがフランスで改良され、愛玩犬として人気を集めるようになりました[1]。
特徴
原産国 | 体重 | 体高 |
---|---|---|
フランス | 約8〜14kg | 約28〜33cm |
- コウモリのような耳と短い鼻が特徴
- 甘えん坊で社交的な性格
[1]いぬのきもち「フレンチ・ブルドッグの性格 飼い方のコツ・飼い主の悩みQ&A」
ブルドックの見分け方
ブルドックの種類を見分けるのは意外と難しく、特にイングリッシュ・ブルドックとフレンチ・ブルドックはサイズが違うものの顔つきが似ているため混同されやすいです。
また、アメリカン・ブルドックは他の2種類とは異なる体型をしていますが、幼犬のうちは違いが分かりにくいこともあります。
ここでは、それぞれの特徴を比較して見分けるポイントを紹介します。
アメリカン・ブルドック | イングリッシュ・ブルドック | フレンチ・ブルドック | |
---|---|---|---|
体格の違い | 最も大きい | 中型 | 小型 |
顔つき | やや鼻が長い | 短くしわの多い顔 | 短くしわの多い顔 |
耳の形 | 特徴なし | 特徴なし | コウモリのような耳 |
性格の傾向 | 活発 | 穏やか | 愛嬌たっぷり |
ブルドックの性格
ブルドックは種類によって性格が異なりますが、共通して以下のような特徴があります。
- 温厚で愛情深い … 飼い主に対して忠誠心が強く、甘えん坊な一面も。
- 運動量 … アメリカン・ブルドックは活動的で、イングリッシュ・ブルドックやフレンチ・ブルドックはのんびり屋。
- 頑固な一面も … しつけには根気と一貫性が必要。
- 社交的だが慎重 … 家族にはフレンドリーだが、見知らぬ人には警戒心を持つことも。
ブルドックを飼う際のポイント
ブルドックは見た目の愛らしさや穏やかな性格が魅力ですが、飼育には注意点も多く、決して飼育が簡単な犬種ではありません。
健康管理が重要であり、暑さや皮膚のケア、食事管理に気を配る必要があります。
短頭種のため、暑さに弱い。夏場はエアコン管理を。
<短頭種が暑さに弱い理由>
鼻孔や気管が狭いため、基本的に鼻呼吸よりも口呼吸で過ごしています。
そのため暑さにより呼吸が荒くなりやすく熱中症や呼吸障害に注意が必要です。
しわが多いため、清潔に保つことが大切。しわの間のゴミも拭き取りましょう。
<皮膚炎にも注意が必要>
・顔や体にしわが多く、そのしわの間に汚れが溜まりやすくなる
・被毛が短いことで、外的な刺激が皮膚にダイレクトに影響を与える
この二つの要因から皮膚病が多いと言われています。
アレルギー性皮膚炎・犬アトピー性皮膚炎などに気をつけましょう。
痒がったり、赤みが出た際には注意が必要です鼻孔や気管が狭いため、基本的に鼻呼吸よりも口呼吸で過ごしています。
そのため暑さにより呼吸が荒くなりやすく熱中症や呼吸障害に注意が必要です。
体重管理が必要なため、適度な運動を心がける。
太りやすい体質のため、バランスの良い食事を。
呼吸器系のトラブルが多いため、動物病院での健康管理が重要。
自然分娩も行われるが、赤ちゃんの頭がメスの骨盤より大きいので帝王切開になる可能性が高い。
まとめ
いかがでしたか?
ブルドッグにはたくさんの魅力があることがお分かりになったかと思います。
ブルドックにはイングリッシュ・ブルドック、アメリカン・ブルドック、フレンチ・ブルドックの3種類が存在し、それぞれ異なる特徴を持っています。
性格も異なるため、ライフスタイルに合った犬種を理解することが大切ですね。
ブルドックの魅力を知ることで、
なるほど、ブルドックって小さいやつはフレンチなんだな。
意外とかわいいな。だんだんかわいく見えてきたぞ。
と思っていただけたら嬉しいです。
この記事の監修者

鮎川 多絵 (愛玩動物飼養管理士2級・ライター)
東京都出身。1986年10月生まれ。趣味は映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ。
家族は保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)。
犬と私
子供の時からイヌ科動物が大好きでした。戸川幸夫氏の「牙王」で狼犬に憧れ、シートン動物記で「オオカミ王ロボ」に胸を打たれました。特に大きな犬のゆったりとした雄姿には目を奪われます。保護犬と保護猫の飼育経験から、動物関連の社会問題、災害時のペット同伴避難について意識を向けています。
この記事の監修者

吉田萌 (NPO法人ドッグトレーナー2級)
国際動物専門学校 しつけ・トレーニング学科卒。
噛み・吠え癖の酷い元保護犬のビーグルを里親に迎えた事をきっかけに『褒めてしつける』を念頭に活動。 自身の経験を活かし、しつけイベントにて飼い主に寄り添ったトレーニング方法を指導。 ナチュラルペットフード・栄養学の知識にも精通。保有資格はNPO法人ドッグトレーナー2級の他に、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級など。
資格
NPO法人ドッグトレーナー2級、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級