
犬は種類によって大きさも見た目も全く異なる動物ですが、元をたどると祖先はオオカミだといわれています。
そんなオオカミに限りなく似た見た目をしている『ウトナーガン』という犬種をご存じでしょうか?
日本では珍しく希少な犬種ですが、オオカミ好きの愛犬家から密かに注目を集めるウトナーガンの魅力を徹底解説します!
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ウトナーガンの特徴

ウトナーガンはシベリアン・ハスキーやアラスカン・マラミュートといった犬種にも似た見た目をしています。
どれもオオカミに似た見た目をしており、毛量の多いフサフサした尻尾と小さな耳が特徴です。
体重は約25~50㎏、体高は約61~84㎝という大型犬の中でも特にがっしりとした体格をしています。
一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)では大きさの定義はありませんが、一般的には25kg以上が大型犬と分類されることが多いです。
ウトナーガンは運動量がとても多いことが特徴で、1日に少なくとも1~2時間ほどの散歩が必要になります。
天候や気温により散歩に長時間出られない場合もあるため、一人暮らしやマンション世帯よりも庭がある一軒家の家庭のほうが好ましいでしょう。
ウトナーガンの歴史
ウトナーガンは元々ノーザン・イヌイット・ドッグという犬種から派生したといわれており、限りなくオオカミに似せて作出されたイングランド原産の犬種です。
ウトナーガンの歴史はほかの犬種に比べると比較的新しく、1980年代だといわれています。

ウトナーガンのルーツ
愛嬌のあるワイルドなルックスをしているノーザン・イヌイット・ドッグは、愛犬家から絶大な人気が誇っていましたが、
悪質ブリーダーによる乱繁殖が一時期問題となってしまいました。
そんなノーザン・イヌイット・ドッグを救うため、愛犬家たちで改良を行った派生で作出された兄弟種がウトナーガンです。
ウトナーガンは、ノーザン・イヌイット・ドッグの兄弟にあたる犬種として生まれました。
ウトナーガンってどんな性格?

ウトナーガンはシベリアン・ハスキーやジャーマン・シェパード、アラスカン・マラミュートの血が入っているため、凛々しくワイルドな見た目に反して性格は明るく温厚で、犬同士だけではなく、人ともすぐ仲良くなることができます。
また、とても賢い性格なのでしつけがしやすいことも大きな特徴ですが、独立心がありいぐいと前へ進もうとする力が強いため特に散歩の際は十分な注意が必要になります。
少し頑固な一面もあり、一度興味を持ったものにはグイグイ突っ走ってしまう性質があるため、事故やケガに巻き込まれないよう徹底したしつけをすることが大切です。
元々ドッグスポーツや犬ぞりの仕事をしていた犬種で体を動かすことが大好きなため、例えばお子さんのいる家庭ではかけがえのないパートナーとなってくれることでしょう。
ウトナーガンは日本で購入できる?
犬を購入する方法としてはブリーダーやペットショップ、または保護団体から里親として引き取るというケースがあります。
現在ウトナーガンのブリーダーは日本にはいないため、見つけることは非常に難しいですが、海外で徐々に注目度が高まっている犬種なため、将来日本で日常的に散歩している姿を見かける日も近いかもしれません。
ただし、運動量が多い犬種のため、安易な購入は避けましょう。大型犬を迎え入れる際は事前の準備をしっかり行うことが重要となります。
ウトナーガンが人気の国
ウトナーガンはどこの国でもまだまだ希少な犬種です。
しかし、原産国のイギリスでは、ウトナーガンの血統を伝統的に守る『ウトナーガン協会』という団体があり、インターネットを通じて世界的にウトナーガンの知名度を上げる活動を行っています。
ウトナーガンは優しい性格のため、イギリスでは病院や学校等でセラピー犬として活躍しているそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ウトナーガンという名前を初めて聞いた人も多いのではないでしょうか。
日本ではまだまだマイナーなウトナーガンですが、オオカミ好きにはたまらない魅力がたくさん詰まった、とっても可愛らしい犬種です。
海外の愛犬家たちから近年、注目度が上がっている犬種のため、日本でお目にかかれる日も近いかもしれませんね。
この記事の監修者

鮎川 多絵 (愛玩動物飼養管理士2級・ライター)
東京都出身。1986年10月生まれ。趣味は映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ。
家族は保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)。
犬と私
子供の時からイヌ科動物が大好きでした。戸川幸夫氏の「牙王」で狼犬に憧れ、シートン動物記で「オオカミ王ロボ」に胸を打たれました。特に大きな犬のゆったりとした雄姿には目を奪われます。保護犬と保護猫の飼育経験から、動物関連の社会問題、災害時のペット同伴避難について意識を向けています。