
秋田犬というワンちゃんをご存知ですか?
名前くらいは聞いたことあるな~という方も、『忠犬ハチ公』としてよく知られているワンちゃんだといえば、「あぁ!あの子か!」となるのではないでしょうか。
この記事では、秋田犬の性格や歴史、なぜ世界的にも有名なのかなど、秋田犬について徹底的に紹介していきます。
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秋田犬の基本情報

| 原産国 | 日本 |
|---|---|
| 体高(目安) | オス:64~70cm / メス:58~64cm[1] |
| 体重(目安) | 35~50kg |
| 平均寿命 | 10~15歳 |
※体高:犬が立った状態で測った、足元から肩までの高さのこと。
秋田犬は日本原産の犬として唯一の大型犬であり、国の天然記念物として登録されている6犬種のうちの1種でもあります。
日本犬として国の天然記念物として登録されたのは、秋田犬が初でした。
秋田犬が国の天然記念物に登録されたのは1931年。
そもそも日本犬とは、日本を原産国とする純血種の犬を指します。
以下の6犬種が国の天然記念物に登録されています。
(秋田犬・甲斐犬・紀州犬・四国犬・柴犬・北海道犬)
[1]ジャパンケネルクラブ「秋田」
秋田犬の特徴
毛色・被毛
毛色は赤・虎・白・胡麻の4色です。[2]
虎毛は虎のようなまだら模様のことを、胡麻毛は赤・黒・白が混ざり合った毛色のことを指します。

最も多いのが赤毛で、次いで虎毛、白毛となっています。
なお、白毛の場合は「裏白」でなければならないとされています。
背中を表としたとき、裏となるあごから胸、お腹、脚の裏側が白いことを裏白といいます。
東北地方に位置する秋田県は寒冷地であり、その寒さに適応して、秋田犬には長めの被毛がびっしりと密集して生えています。
秋田犬はダブルコートの犬種です。
保温の役割を持つアンダーコートと紫外線や水気などの刺激から保護するオーバーコートからなります。
換毛期には抜け毛が多くなることが特徴です。
[2]公益社団法人 日本犬保存会「秋田犬」
サイズ
秋田犬は日本で唯一の大型犬種であり、オスは体高が64~70cm、メスは58~64cmが目安です。
体重は35~50kgといわれています。
一般的なその他の大型犬と比べてみましょう。
・ラブラドール・レトリバー:体高55~60cm、体重25~34kg
・シベリアン・ハスキー :体高53~60cm、体重21~28kg
よくお散歩しているところを見かけるような大型犬と比べても、秋田犬は結構大きいワンちゃんだということがわかりますね。
モコモコとした毛並みも、より体を大きく見せている要因かもしれません。
秋田犬の歴史
秋田県で生まれた秋田犬は、もともと熊狩りやイノシシ狩り、鹿狩りなどに用いられる狩猟犬として飼育されていました。
猛獣と対峙する力強さと勇気を持った犬種なのです。
力強い体とダブルコートで寒さに強い秋田犬は、雪深い地域でマタギ猟師の貴重なパートナーでした。
江戸時代になると秋田犬は狩猟犬だけでなく、貴族の番犬や武士の忠実な伴侶としても活躍するようになります。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、闘犬目的でより強くたくましい犬の需要が高まり、大型化されるようになりました。
その中で土佐犬やマスティフなどの大型犬との交配も行われ、秋田犬本来の特徴を欠く犬が見られるようになります。
闘犬とは、犬と犬が戦うスポーツの一種で、世界各地で古代から続く娯楽の一種です。
その歴史は古代ローマ時代まで遡ります。
日本では特に、高知県の土佐闘犬が今でも伝統として受け継がれています。
その後、昭和の時代に入ると日本犬の保存活動が高まり、純粋な秋田犬に戻そうとする流れが強くなりました。
現在のような、大きな耳に巻き尾、きりっとした顔立ちの日本犬らしい秋田犬の姿が見られるのは、この時の努力の賜物なのです。
秋田犬の性格
秋田犬は非常に賢く、我慢強い性格をしています。
警戒心と忠誠心が強いため、飼い主や家族に対してはとても従順ですが、それ以外の人に対しては時に攻撃的になってしまうこともあります。
しつけの段階で、さまざまな人や物に触れ合い慣れさせることが大切です。
また我慢強い性格のため、怪我や病気などに気付きにくいこともあります。
犬の表情や行動から意図をくみ取れるように、普段から注意深く観察する必要があるでしょう。
なぜ世界でも有名?秋田犬が人気の理由
秋田犬は日本国内だけでなく、世界的にもよく名前の知られているワンちゃんです。
なぜ日本の犬種が世界でも知られているのでしょう?
それには、いくつかの理由があるのです。
ハリウッド映画にもなった、世界一有名な犬

秋田犬を世界的に有名にした要因の一つとして、2009年に公開されたハリウッド映画が挙げられるでしょう。
日本では「ハチ公物語」として1987年に映画化された物語を、リチャード・ギア主演、「ギルバート・グレイプ」などで知られるラッセ・ハルストレム監督でリメイクされました。
日本で生まれた感動の実話が反響を呼び、「ハチ」という名前とともに秋田犬の存在を世界に広める大きなきっかけとなりました。
秋田犬を飼っている著名人
秋田犬は、海を越えて世界でも飼っている人がいるワンちゃんです。
秋田犬を飼っている著名人をご存知でしょうか?
意外なあの人も、秋田犬を愛犬としているかもしれませんよ。
ヘレン・ケラー
初めて海外に渡った秋田犬の飼い主は、障がい者福祉に尽力したアメリカのヘレン・ケラーでした。[3]
無類の犬好きで知られる彼女は、忠犬ハチ公の物語に心を奪われます。
1937年に来日した際、当時秋田犬保存会副会長だった小笠原一郎氏により秋田犬の子犬が贈られました。
子犬は「神風号」と名付けられ、日本からヘレン・ケラーに対して秋田犬が贈られたことはアメリカ国内でも大きく報じられたといいます。
[3]秋田犬新聞「ヘレン・ケラーと秋田犬の深くてうるわしい関係」
アリーナ・ザギトワ選手 ー平昌五輪フィギュアスケート女子金メダル
平昌五輪、フィギュアスケート女子で金メダルを獲得したアリーナ・ザギトワ選手に秋田犬が贈られたことも、一時世間を賑わせるニュースとなりました。[4]
贈られる際には、公益社団法人秋田犬保存会の主催による贈呈式も行われました。
「マサル」と名づけられましたが、実は赤毛のメスの女の子。
2026年2月に8歳の誕生日を迎えたマサルは、今でもザギトワ選手のSNSでたびたび元気な姿を見せています。
[4]朝日新聞「上品な目の赤毛「美人」秋田犬 ザギトワ選手に贈呈へ」
朝青龍 ー大相撲第68第横綱
アリーナ・ザギトワの「マサル」といとこにあたる秋田犬の飼い主は、元横綱の朝青龍です。[5]
マサルと同じく、秋田犬保存会により2018年に贈呈されました。
赤毛のオスで、「マサオ」と名づけられました。
2019年にはマサオの花嫁候補として、白毛の「さくら」も贈られています。
2匹の間には2020年に、白毛4匹と虎毛4匹、計8匹の子犬が誕生しています。
[5]朝日新聞「元横綱朝青龍、雪原で凛と立つ秋田犬「正雄(マサオ)」と2S披露 ザギトワ「マサル」のいとこ」
アメリカン・アキタとの違いは?
日本で生まれた秋田犬ですが、そこから派生した「アメリカン・アキタ」という犬種が存在します。
第二次世界大戦後、アメリカの占領軍として日本に進駐した関係者たちが秋田犬をアメリカに持ち帰り、シェパードなどとの交配を行いながら発展・繁殖していった犬種がアメリカン・アキタです。
独自のタイプとして発展したアメリカン・アキタは、秋田犬と比較するとやや大きく、体高61~71cm程度です。
秋田犬と同じく飼い主に非常に忠実で、「グレート・ジャパニーズ・ドッグ」とも呼ばれています。
秋田犬の飼い方
秋田犬はしつけもしやすく、番犬にもなる良きパートナーといえるでしょう。ただし、もちろん注意すべき点もいくつかあります。
秋田犬は体が大きい分、とてもタフで体力の溢れたワンちゃんです。
運動不足はストレスになるため、毎日朝夕30分~1時間程度の散歩は欠かせません。
また、力が強いため思わぬ事故や怪我を起こしてしまう可能性もあります。
飼い主の指示でよくコントロールできるように、子犬の頃からしっかりとしたトレーニングが必要です。
体型や被毛のケアも必須です。
肥満や滑りやすい床は股関節に負荷がかかりやすくなり、股関節形成不全などの関節トラブルにつながりやすくなります。
なるべくフローリングは避け、マットやカーペットなどの滑りにくい床材を整えてあげてください。
フードは適量を与え、バランスのとれた食事になるよう総合栄養食を与えるのが良いでしょう。
ダブルコートを持つ秋田犬は、春と秋の換毛期になると大量に毛が抜けます。
夏は体温の放熱を妨げることにもつながるため、余計な被毛を除去できるよう毎日のブラッシングが必要です。
換毛期以外でも、週に1回程度は丁寧にブラッシングをしてあげましょう。
まとめ
秋田犬の性格や歴史、世界的にも有名な理由などをご紹介しました。
日本原産で唯一の大型犬である秋田犬は、もともと雪深い地域で狩猟犬として活躍していました。
忠犬ハチ公の物語がハリウッド映画になったり、かの有名なヘレン・ケラーが愛犬としたりと、秋田犬は、世界でも良き人間のパートナーとして知られています。
モコモコと大きな見た目に、飼い主に忠実で勇敢な性格というギャップがとても魅力的なワンちゃんですよね。
この記事で、ぜひ秋田犬に興味を持っていただけると嬉しいです。

この記事の監修者

鮎川 多絵 (愛玩動物飼養管理士2級・ライター)
東京都出身。1986年10月生まれ。趣味は映画鑑賞・1人旅・散歩・動物スケッチ。
家族は保護犬1匹保護猫2匹(+空から見守る黒うさぎのピンキー)。
犬と私
子供の時からイヌ科動物が大好きでした。戸川幸夫氏の「牙王」で狼犬に憧れ、シートン動物記で「オオカミ王ロボ」に胸を打たれました。特に大きな犬のゆったりとした雄姿には目を奪われます。保護犬と保護猫の飼育経験から、動物関連の社会問題、災害時のペット同伴避難について意識を向けています。
